ホーム>フェルメールの研究>作品は『画家』より長く生きている
フェルメールが、350年の前に描いた作品は、今なお私たちの前にあり、色んな人に感動を与え続けています。それは、凄く当然のことですが、フェルメールは、そのことを意識していたのでしょうか?
ゴッホは、後世に名前を残したいという気持ちが、常にあり自問自答しています。私は、フェルメールには、そういう意識は薄かったのではないかと思います。彼は、ひとつの絵の背景にも、大変丁寧に、時間をかけて描いてます。そこに妥協はないと思います。私の知っている限りこれほど、丁寧に妥協せす背景までも描く画家はいません。
そのことが、フェルメールを好きになる、ひとつの要因なのかもしれません。彼の暮らしは、11人の子供をかかえ、楽なものでなかったと思います。ただ、生活のために(自分の絵を売るために)、絵筆が汚れることはなかったと思います。もしそうであれば、もっと妥協した作品になったと思います。
時代・人種を超えて愛される作品を作ったフェルメールは、故郷デルフトの旧教会で、そっと休んでます。