彗星の基本
■彗星は2種類
彗星には周期彗星とそうでない彗星に分けられます。周期彗星はハリー彗星のように決まった周期で出現するものです。太陽のまわりを楕円形の軌道で回っているもので、周期が200年以下の彗星を周期彗星として分類しています。現在、軌道が確定した周期彗星は159個登録されていて、確定した周期彗星には「153P」というような番号が与えられます。周期彗星でない彗星は、ふつう放物線軌道で運動していて、一度しか太陽に接近しません。
■1番の周期彗星はハリー彗星 1P/Halley ★ハレー彗星の写真 ★エンケ彗星の写真
ハリー彗星は約76年ごとに出現します。肉眼でもはっきり見えるほど明るくなるので、その出現記録は紀元前240年までさかのぼれます。この彗星は、その軌道を研究して76年ごとに出現することを発見した英国の天文学者エドモンド・ハリーにちなんでハリー彗星と呼ばれます。エンケ彗星(2P/Encke)も軌道を計算した天文学者エンケ(Johann
Franz Encke ドイツ)の名前で呼ばれています。
4C■周期彗星の表
4C,4D■2003年に発見された彗星の表
1817年にフランスのポンスが発見した彗星だが、1818年にドイツのエンケがその軌道を計算して周期彗星であることがわかった彗星。それでエンケ彗星と呼ばれる。この彗星はそれ以前にも観測されていて、1786年から記録があり、1795年にはカロライン・ハーシェルが1795V1として発見している。http://www.esky.jp/herschel/a-text/ccomets-j1.html
■彗星はたくさんある 表は2003年に発見された彗星です。
■2003年に発見された彗星の一部 ほとんどの彗星はこのように暗いものばかりです。
■彗星の形 ★スイフトタットル彗星の写真
彗星を望遠鏡で見ると、明るくきらりと光る中心をぼんやりとした光が取り囲んでいます。このぼんやりとした光の部分をコマとよびます。彗星の中心には核があるのですが、中心付近は明るすぎて核を直接見ることはできません。コマは、核から出てきたガスなどが太陽光を受けて光っています。
彗星の尾は、イオンの尾とダストの尾に分けられます。イオンの尾は、彗星のガスが太陽の紫外線の作用によって電離してイオンとなり、太陽風という太陽からの電磁波に吹き飛ばされてできています。ダストの尾は、彗星の核から出てきた砂粒のようなダストとよばれる粒子が太陽の光を反射しているものです。
写真は73P/スイフト・タットル周期彗星
■彗星は飛びません
尾が出た彗星の写真はロケットやジェットの噴射のように見えますから、彗星は夜空をびゅーっと飛ぶように連想しがちです。しかし、決してそのようには見えません。彗星は普通の夜空の星と同じように空にじっと止まっているように見えます。彗星の尾は、太陽の光の作用によって、彗星の物質がたなびいているものです。煙突の煙が風によって流されているのと似ています。
彗星と流星を区別しましょう。流星は流れ星ですから、ほとんど一瞬にして流れます。流星は飛びます。しかし、彗星は飛びません。彗星の尾はとてもうすいものです。天の川の光よりも薄いほどです。ですから、彗星を尾をはっきりと見るには、天の川はよく見えるほどの星がきれいな所へ行かねばなりません。双眼鏡や望遠鏡があると彗星を観察する手助けになりますが、やはり空が暗い所へ行くことが重要です。
■彗星の名前
彗星の名前は、ふつう発見者の名前で「本田彗星」とか「百武彗星」と呼ばれます。発見者が何人もある場合は、「ヘール・ボップ」彗星や「中村・西村・マックホルツ彗星」のように発見順に3人の名前まで付けられます。百武さんは彗星を2個発見していますから、百武彗星は2個あります。それで彗星には「C/1996
B2」のような符号を付けます。「C/1996 B2」には、1996年1月後半で2番目に発見された彗星という意味があります。Bが1月後半を示します。こうすると、もう一つの百武彗星「C/1995
Y1」
と区別できます。また、周期彗星であることがわかった彗星には、「P/2004
F3」のようにCの文字をPにかえて表します。
前半 後半
1月 A B
2月 C D
3月 E F
4月 G H
5月 J K
6月 L M
7月 N O
8月 P Q
9月 R S
10月 T U
11月 V W
12月 X Y
NEAT は、アメリカのパロマ天文台にある「NEAR-EARTH ASTEROID TRACKING」という地球に接近する小惑星を捜索するシステムで、口径48インチのシュミットカメラに1600万画素の天体専用CCDを3個つけて夜空を捜索しています。http://neat.jpl.nasa.gov/
リニア彗星は、リニア(LENEAR)と呼ばれる組織が、アメリカのニューメキシコ州ホワイトサンズミサイル基地にある1mの望遠鏡を使って、2002年10月14日に発見した彗星です。LENEARは Lincoln Near-Earth Asteroid Reserch を略したもので、マサチューセッツ工科大学リンカーン研究所が地球に接近する小惑星などを捜索するプロジェクトのことです。LENEARは他にも彗星を多数発見していて、今回明るくなるリニア彗星はLENEARが発見してその名前がついた94個目の彗星となります。
ニート彗星は、ニート(NEAT)と呼ばれる組織が、アメリカのカリフォルニア州パロマー山にある1.2mの望遠鏡を使って、2001年8月24日に発見した彗星です。NEATは Near Earth Asteroid Tracking を略したもので、NASAのジェット推進研究所が地球に接近する小惑星などを捜索しているプロジェクトのことです。NEATは他にも彗星を発見していて、今回明るくなるニート彗星は、NEATが発見した12個目の彗星になります。