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| ペイオフ全面解禁 !! どうなる どうする |
[ペイオフ解禁]とか[ペイオフの凍結解除]とか言いますが、これは金融機関が破綻した場合にこれまで全額保護されてきた預金等が、
今後は必ずしも全額保護されなくなるということを意味します。 昭和初期の金融恐慌以来、長きにわたり銀行はつぶれないという
不倒神話があり自分たちの預金等も元本や利息は保証された金融商品と考えられてきました。実際預けている金融機関が破綻しても
預けたお金は多少の時間差があったりもしましたが全額かえってきました。また危なくなった金融機関も他の金融機関との合併や
併合等で預けた預金等が減額されるなどのことはなかったのですが、金融不安時に費やされた預金保険や国費は総額25兆円にも
のぼり、そのうち10兆4千億円が国民みなさんが負担した税金で穴埋めされました。一見自分の預金等は守られよかったと思いますが、
不足分は税金というかたちでまかなわれていた事になります。そこでペイオフ解禁とは破綻した金融機関の預金等を納税者全体で
保護していくのは止めて、預金保険制度のもとで積み立てられた基金を使って預金者を保護することにしましょうということになります。
そこでどの金融機関が、どの預金等が預金保険制度の対象になるか、ならないかの理解が必要に思われます。
| 預金保険制度の対象になる金融機関 | 預金保険制度の対象にならない金融機関 |
|---|---|
| * 日本国内に本店のある銀行 * 信用金庫 * 信用組合 * 労働金庫 * 信金中央金庫 * 全国信用共同組合連合会 * 労働金庫連合会 |
* 左記金融機関の海外支店 * 政府系金融機関 * 外国銀行の在日支店 (日本国内に本店を有しない) |
| 預金保険制度の対象になる預金等 | 預金保険制度の対象にならない預金等 |
|---|---|
| * 普通預金 * 当座預金 * 別段預金 * 定期預金 * 通知預金 * 納税準備預金 * 貯蓄預金 * 定期積金 * 掛金 * 元本補填契約のある金銭信託 (ビックなどの貸付信託を含む) * 金融債 (ワイド等の保護預り専用商品に限る) * 上記を用いた積立・財形貯蓄商品 |
* 外貨預金 * 他人・架空名義預金 * 譲渡性預金 * オフショア預金 * 日本銀行からの預金(国庫金を除く) * 金融機関からの預金 (確定拠出年金の積立金の運用部分を除く) * 預金保険機構からの預金 * 無記名預金 * 導入預金 * 元本補填契約のない金銭信託 (ヒットなど) * 金融債(保護預り専用商品以外のもの) |
*決済用預金は全額保護されます。
決済用預金とは[無利息、要求払い(いつでも払い戻しができる)、決済サービスに使える]という3つの要件を満たす預金です。
そこで当座預金や利息の付かない普通預金(無利息型普通預金などですが銀行によって呼び名が違います)がこの対象になります。
ただ決済用預金の保険料(預金保険制度に支払う保険料)は普通預金より高いので、現在は口座管理料が無料でも将来的には
有料になる可能性もあることも考えておいて下さい。
*もし金融機関が破綻したらどうなるのでしょうか。
破綻の際は金曜日の営業終了後に破綻が表面化し、翌週の月曜日から保護範囲内の預金の払い戻しが始まるケースが多いと
思われます。破綻金融機関は預金保護機構に預金者の名前、住所、生年月日、電話番号などのデータを提出します。
法人の場合は名称、設立年月日、所在地、電話番号などのデータを提出します。
それに基づいて預金保険機構が預金者それぞれの預金額を確定する名寄せ作業をします。
名寄せ作業に時間がかかる場合は[普通預金1口座]について60万円までを限度として、という条件の仮払い金の
支払いがされることもあります。定期預金にはこの仮払い金制度は利用できませんので注意が必要です。
*ではどういった処理になるのでしょうか。
決済用預金以外の保護対象預金のうち、元本1,000万円までとその利息分は保護されます。
元本1,000万円を超える部分および外貨預金等預金保護の対象になっていない預金とその利息分は
破綻した金融機関の財産の状況等を考慮して決定される率(概算払い率)を乗じた金額の支払いになります。
| 概算払いの金額 | = | 元本1,000万円を超える部分 (保護対象外の預金等も含む) |
その利息 | X | 概算払い率 (0〜100%) |
|---|
破綻した金融機関を処理して回収された額が、回収等に要した費用を差し引いても、概算払い額を上回る場合に
その金額が後日預金者に追加的に支払われます。 この概算払い率が60%とか70%とか90%とかいろいろ
言われていますが、もしもの時にどういった処理になるのかは理解しておくことが必要に思います。
*そこでどんな順番で計算されるのでしょうか。
1つの金融機関に複数の預金をしているときには、保護される1,000万円はどの預金から計算される(優先順位は)
@ 借金の担保になっていない預金
A 満期が早い
B 金利が低い
などの順です。
たとえば1つの銀行に
* 普通預金 100万円
* 定期預金 1,500万円
* 決済用預金 100万円
を預金していた場合
保護される1,000万円は
* 普通預金 100万円
* 定期預金 900万円
* 決済用預金 100万円
概算払いの対象金額は
* 定期預金の600万円分 (1,500万円−900万円)
になります。
*ところで名寄せとはどういった処理でしょうか。
一般預金等は1金融機関ごとに預金者1人あたり元本1,000万円までとその利息が保護されますが、破綻金融機関に
同一の預金者が複数の口座を有している場合、それらを合算して預金保険で保護される預金等の総額(付保預金額)を
算定する作業です。同一金融機関の支店に預けられている預金等も合算されますので注意が必要です。
いくつかの具体例を挙げての説明です。
1. 1つの金融機関の複数の支店に預金している場合には、同一の預金者として取り扱われます。
普通預金や定期預金など複数の種類の預金も同一預金者として取り扱われます。
2. 夫婦や親子などの家族名義の預金については名義が別であれば別々の預金者として取り扱われます。
ただ家族の名義を借りたにすぎない他人名義と認定された場合には同一の預金者として取り扱われます。
収入のない子供や孫などが何の理由もなく多額の預金を保有しているとみなされれば、
贈与と判断されることになるかも知れません。
3. 株式会社や有限会社の法人や町内会や商工会議所のように団体に法人格がある場合には、1預金者として認定されます。
4. マンション管理組合のように、複数の人が集まってつくった団体のうち、規約等の運営方法が定められていて法人等と
見なしえる要件をそなえているものは1預金者として認定されます。
5. 一方、法人等と見なしえる要件を備えていない団体、たとえば趣味の会など、あるいは修学旅行の積立金やこども銀行の
預金等はたとえ代表者名義となっていても、構成員それぞれのものと見なされ、その金融機関に各個人が持つ預金等と
名寄せされます。
6. 1人の預金者が自分名義の預金のほかに、会社の社長として、町内会の会計として、あるいはマンション管理組合の
組合長としてそれぞれの預金の名義人になっている場合には、それらはそれぞれの組織、団体の預金等として
個人名義の預金等とは別に計算されます。
7. 一方、個人事業主で事業に関して法人となっていない場合、個人用と事業用とで名義を別にしていても1預金者として
見なされます。
8. 地方公共団体は法律により法人格が与えられています。平成12年5月の法改正により保護の対象になりました。
だたし警察署、消防署、学校のほか、水道、ガスといった地方公共団体に属する機関の預金等に関しては、
その地方公共団体の預金等として名寄せされます。他方、土地開発公社などの別法人は名寄せされません。
9. 金融機関の合併や統合の動きには、複数の金融機関が完全に1つになる場合と、持株会社を設立して、
別々の金融機関としてその持株会社の傘下に入る場合がありますが、複数の金融機関が合併して1つになった場合には、
合併前にそれぞれ別々に預け入れられていた預金等があったとしても名寄せにより合算されます。
持株会社を設立する場合には、傘下の複数の金融子会社が別法人の形態を採用していれば、それぞれの金融機関に
預け入れられた預金等が名寄せされ合算されることはありません。合併したり、営業(事業)のすべてを
譲り受けたりした場合には、その後1年間に限り保護される預金等の範囲は、預金者1人当たりの上限額
(元本1,000万円までとその利息分)に合併等に関わった金融機関を乗じた金額とその利息とする特例が適用されます。
たとえば 3銀行が合併した場合、
| 合併前 | ||
| A銀行 元本1,000万円まで + その利息分 |
B銀行 元本1,000万円まで + その利息分 |
C銀行 元本1,000万円まで + その利息分 |
| 合併後 1年間 |
|---|
| 合併銀行 ABC 元本3,000万円 + その利息分 |
| 合併後 1年経過後 |
|---|
| 合併銀行 ABC 元本1,000万円 + その利息分 |
10. 結婚で姓が変わったり引越しで住所が変わったりした場合、正しいデータに変更しておかないとデータが不備な預金者として
預金の払い戻しが遅れることも考えられるので金融機関に届けておくことが賢明です。
*借入金の扱いについてはどうなるのでしょうか。(住宅ローンなどの借入金)
1つの金融機関に預金もしているが借入金もあるという場合、預金者とその金融機関は、債権債務関係にあります。
その金融機関が破綻した場合、双方が互いに債権(貸し)と債務(借り)を差し引きする(相殺する)ことができる場合があります。
この預金等と借入金の相殺を行うには、これを希望する預金者が破綻した金融機関に自ら申し込むことが必要です、
破綻した金融機関が自動的に手続きを行ったり、また預金者が希望していないのに相殺することはありませんので
注意が必要です。
申し込む場合には預金通帳などを添えて書類で行うことになりますが、その際どの預金をいくら相殺するかについて
選択することができます。もしも預金が、普通預金など満期のないものがあれば、その破綻した金融機関に対し、
借入金との相殺を申し込むことができます。これに対し、預金が定期預金など満期のあるものであった場合には、
相殺できるかどうかは金融機関によって異なります。定期預金により相殺するには、その金融機関の預金規定に
相殺できる旨の条項が定められていることが前提になりますので、確認することが必要になります。また外貨預金でも
相殺できる可能性もありますので確認することをお薦めします。
考え方としてたとえば、預金が2,000万円、借入金が1,000万円であった場合、もし相殺しないとすれば、保護される預金は
1,000万円となり、残りの1,000万円は破綻した金融機関の残余財産に応じて払い戻されるという扱いになります。
一方で1,000万円の借入金はそのまま残りますので、もし払い戻しが少ない場合にはその分損失になります。
しかし相殺すれば1,000万円の借入金の返済を行ったうえ、残った1,000万円の預金すべてについて、払い戻しが
受けられます。だた借入金を一度に返済することになるので、2,000万円を計画的に利用する予定であった場合、
相殺をした場合には新たに1,000万円を他の金融機関から借り入れなければならないことも考えられますので、
計画の見直しや相殺するかどうか、相殺の金額をどうするかなどの検討が必要になります。
いままで見過ごしがちであった金融機関の預金規定や借入約定等に関して、面倒でもよく読んで内容を把握することが
自己責任として必要になってきます。また理解できないことは金融機関に聞いて理解するようお薦めします。
*預金者の心構えとしては
日ごろから金融機関の経営の健全性に関心を持つことです。金融機関の決算書などを見て不良債権比率などの指標を
調べてチェックする方法や、金融機関の健全性レベルをチェックする格付け機関もあるのでその情報を入手する方法もあります。
その他金融機関に置いてある経営内容などが掲載されているディスクロージャー誌や金融機関の株価なども参考になります。
格付け機関の評価等は各々の格付け機関のホームページでもご覧いただけるのでチェックしてみてください。
格付け機関のホームページのアドレス
(トップページにある ”お役立ちサイトのリンク集” をクリックして格付け機関のHPにも行けます)
スタンダード・アンド・プアーズ http://www.standardandpoors.co.jp/
ムーディーズジャパン http://www.moodys.co.jp/
フィッチ・レーティング http://www.fitchratings.co.jp/
滑i付投資情報センター http://www.r-i.co.jp/
*たいせつなお金をどうするか。
ペイオフ全面解禁になり金融機関、証券会社、保険会社などいろいろな所から資産運用のセミナーや勧誘があると
思いますが、そのまえに一度ご自身の預貯金等の資産はどういった状況なのか分析することをお薦めします。
いくつかの銀行に口座を持っている場合、借入金がある場合には相殺することもできるので、差額がマイナスになる銀行には
その銀行にもしもの場合に相殺できるかどうかの確認をされることは必要に思います。また差額がプラスになる銀行においては
相殺の確認や、その差額が1,000万円超なのかどうか、1,000万円超でもその銀行の格付けなどでまず安全な評価が
でていれば、今後のお付き合いに必要な銀行と思われれば、あえてすぐ預金を預け換えることもないと思います。
それでも心配な場合には決済用預金に一時預け換えするなどの方法もあります。
預貯金と借入金の整理整頓の結果、余裕の資金があり定期預金などに預けておいても現在の利率では利息もほとんど
付かないので資産運用を考えられることもあると思いますが、投資からのリターンと投資へのリスクと借入金の利率を
比較すると、借入金の返済にあてた方がよい場合がありますので、まずその余裕資金はどういった資金なのか、
近い将来必要になる資金なのかなど用途をはっきりした上での行動は必要に思われます。