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平成16年度(2004年度)税制改正について                                        

 与党税制改正大綱が昨年(平成15年)12月17日にまとめられ、平成16年3月26日に
”平成16年度税制改正と関連法”が可決、成立しました。 ほとんど原案どうりで決まりました。
消費者のみなさんに関する改正が多々ありますので、下記に列記してみました。
また適用も今年1月からになるものがほとんどですので注意が必要になります。

 今年から配偶者控除に上乗せして適用されている配偶者特別控除の廃止(年間の給与収入が
103万円未満の配偶者に上乗せされて適用されている控除)、在職老齢年金を受給されている方も
今年4月から総報酬制による計算方法に変わり賞与を勘定に入れることで受給額が増減する
可能性もあり、また財源不足のため近い将来には健康保険料や介護保険料の増加などの可能性も大きく
複雑でわかりにくい制度の改正等でいつのまにかにかなりの負担増になっていくような気がします。

今年も物価スライド率の適用により年金受給額も昨年同様減額されますし、
10月からは厚生年金の保険料が0.354%(本人0.177%)上がることになっています。

T 年金税制について

   1.公的年金等控除及び老齢者控除についての見直し

   ・ 公的年金等控除として年齢65歳以上の方に上乗せされていた控除額が廃止となり
           65歳未満の方の最低保障額に老齢者特別加算として50万円加算し120万円の
      一律にする。
     ・ 老齢者控除(納税者本人が65歳以上で年間の合計所得金額が1000万円以下の方
        の50万円の所得控除)の廃止。

   以上は平成17年分以後の所得税及び平成18年度分以後の個人住民税に適用です。

            改正前 改正後
公的年金等控除 @ 定額控除     65歳以上の方      100万円   50万円
 65歳未満の方 50万円 50万円
A 定率控除 (定額控除後の年金収入)    360万円までの部分 25%
 720万円までの部分 15%
 720万円を超える部分 5%
B 最低保障額  65歳以上の方 140万円  70万円+50万円
 65歳未満の方 70万円 70万円
   老齢者控除 (65歳以上で合計所得金額が1000万円以下の方) 50万円 廃止



 以下 モデル年金受給者の年金額、課税最低限の年金額及びサンプルを掲載しました。

      モデル年金受給者(平均的な賃金で厚生年金に40年加入の元サラリーマン)
      の課税最低限(65歳以上の方)(端数処理の為、合計額が合わないこともあります)
モデル年額(202.9万円)(平成16年度)
基礎年金分 報酬比例分
79.4万円 123.4万円
課税最低限
*現行 285.5万円 (平成16年分)
基礎 配偶者 老齢者 公的年金等 社会保険料
控除 控除 控除 控除 控除
38万円 38万円 50万円 146.4万円 13.1万円
*改正案 205.3万円 (平成17年以降分)
基礎 配偶者 公的年金等 社会保険料
控除 控除 控除 控除
38万円 38万円 120万円 9.4万円
* 老齢者控除が廃止
サンプル
65歳以上の夫婦世帯で夫の年金額が300万円の場合
*昨年(平成15年分)
基礎 配偶者 配偶者 老齢者 公的年金等 社会保険料
控除 控除 特別控除 控除 控除 控除
38万円 38万円 38万円 50万円 150万円 14万円
*今年(平成16年分)
基礎 配偶者 老齢者 公的年金等 社会保険料 所得税
控除 控除 控除 控除 控除 (定率減税後)
38万円 38万円 50万円 150万円 14万円 0.8万円
*改正案(平成17年以降)
基礎 配偶者 公的年金等 社会保険料 所得税
控除 控除 控除 控除 (定率減税後)
38万円 38万円 120万円 16万円 7万円


   2.確定拠出年金制度の拠出限度額の変更

   ・企業型                   現行         改正案
     他の企業年金がない場合    月額3.6万円    月額4.6万円
     他の企業年金がある場合    月額1.8万円    月額2.3万円

    ・個人型                   現行         改正案
     企業年金がない場合       月額1.5万円    月額1.8万円
     自営業者                    月額6.8万円         月額6.8万円(変わらず)

    ・少額資産の場合の中途引出し要件の緩和を図る
     現状は通算拠出期間が3年未満の場合の脱退一時金や障害給付金を除いては60歳になるまで、
     年金や一時払いでの受給はできませんがこの部分の改正になると思われます。

U 住宅・土地税制について

  1.住宅ローン減税

   
・平成15年分の制度を1年延長し平成16年分も適用し平成17年分以降平成20年までは段階的に縮減。
      ( 詳しくはここをクリックしてください。 )
  

居住年 控除期間 住宅借入金等の 適用年 控除率
年末残高
平成16年 10年間 5000万円以下の部分 1年目から10年目まで 1%
平成17年 10年間 4000万円以下の部分 1年目から8年目まで 1%
9年目から10年目まで 0.5%
平成18年 10年間 3000万円以下の部分 1年目から7年目まで 1%
8年目から10年目まで 0.5%
平成19年 10年間 2500万円以下の部分 1年目から6年目まで 1%
7年目から10年目まで 0.5%
平成20年 10年間 2000万円以下の部分 1年目から6年目まで 1%
7年目から10年目まで 0.5%

  2.特定の居住用財産の買い換え等の場合の譲渡損失の繰越控除

    ・平成15年12月31日までに適用された譲渡損失の繰越控除の特例がさらに3年間
          延長になり、住宅借入金等の残高を有することとする要件を除外して範囲を拡大
       (この改正は平成16年1月1日から平成18年12月31日までの間に行う住宅の譲渡に適用)



  3.特定の居住用財産の譲渡損失の繰越控除等の創設

    ・個人が平成16年1月1日から平成18年12月31日までの間にその有する家屋又は
          土地等でその年の1月1日いおいて所有期間が5年を超えるものの当該個人の居住の
          用に供しているものの譲渡をした場合(ただし当該個人が当該譲渡に係る契約を締結
          した日の前日において当該譲渡資産に係る一定の住宅借入金等の金額を有する場合に限ります)
                において当該譲渡の日に属する年に当該譲渡資産に係る譲渡損失の金額があるとき、
                一定の要件下で、その譲渡損失の金額についてその年及び翌年以後3年間の各年分
                (合計所得金額が3000万円以内である年分に限る)の総所得金額等から繰越控除を認める。
       ただし償還期間10年以上の住宅ローンがある事などの適用要件があるので確認する必要があります。

       (いわゆる居住用財産を譲渡した場合にローン残債が譲渡価格を超える場合にはその譲渡損失の
         繰越控除を認めるという内容。
借家に住み替える、老人ホームに住み替える等の場合にも適用できます。)

  4.特定の居住用財産の買い換え等及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の
    特例の適用期限を3年間延長。 (平成18年12月31日までの譲渡に適用)

  5.給与所得者が住宅資金の貸し付け等を受けた場合の課税の特例の適用期限を
    2年延長。(自己の居住の用に供する住宅等の取得の為に勤務先から無利息又は低金利で
     貸付を受けた時に自己の負担する利子が年率1%以上の利息の時は経済的利益として
     課税されない。ただし給与所得者が法人の役員や役員の家族等に該当する場合は適用されない)

     (平成18年12月31日まで適用)

  6.優良賃貸住宅等の割増償却制度について(平成18年3月31日まで適用)

     ・対象となる賃貸住宅から都心共同住宅を除外。
      ・特定優良賃貸住宅の割増償却率を30%(耐用年数35年以上であるものについては40%)から
         21%(耐用年数35年以上のものについては28%)に引き下げた上、その適用期限を2年延長。


  7.個人の長期譲渡所得の課税の特例について、土地、建物等を譲渡した場合の
    税率軽減の特例を廃止し、税率を引き下げる。

    (平成16年1月1日以後に行う土地、建物等の譲渡について適用)

       現行(特例措置)                      改正案
       特別控除後の譲渡益                 特別控除後の譲渡益
      26%(所得税20% 住民税6%)          20%(所得税15%、住民税5%)


  8.個人が優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の
    課税の特例について
    (平成16年1月1日以後に行う土地、建物等の譲渡について適用)

    ・適用期限を5年間延長。
     ・税率の引き下げ

           現行                            改正案
       特別控除後の譲渡益                  譲渡益2000以下の部分
        4000万円以下の部分
      20%(所得税15% 住民税5%)          14%(所得税10% 住民税4%)

       特別控除後の譲渡益                  譲渡益2000超の部分
        4000万円超の部分
      26%(所得税20% 住民税6%)          20%(所得税15% 住民税5%)

      ただし以下の特例の適用を受けた場合には上記の軽減税率の適用はない。
       ・居住用財産の3000万円特別控除
       ・収用交換等により代替資産等を取得した場合の課税の特例
       ・換地処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例
         その他の課税の繰延べ措置並びに収用交換等の5000万円特別控除
       ・特定土地区画整理事業等のための2000万円特別控除
       ・特定住宅地造成事業等のための1500万円特別控除
       ・農地保有合理化等のための800万円特別控除


  9.長期譲渡所得の100万円特別控除の廃止
    (平成16年分以後の所得税及び平成17年分以後の個人住民税について適用)

 10.個人の土地、建物等の短期譲渡所得の課税の特例
      (平成16年1月1日以後に行う土地、建物等の譲渡について適用)

           現行                       改正案
       次のいずれかの多い方の税額              次の税額

       ・ 譲渡益の52%相当額              譲渡益の39%相当額
        (所得税40% 住民税12%)          (所得税30% 住民税9%)
       ・ 全額総合課税をした場合の
          上積税額の110%相当額

       ただし国等に対する譲渡については       ただし国等に対する譲渡については
        次のいずれか多い方の税額            次のいずれか多い方の税額

       ・ 譲渡益の26%相当額              譲渡益の20%相当額
        (所得税20% 住民税6%)           (所得税15% 住民税5%)
       ・ 全額総合課税した場合の上積税額


 11.土地、建物等の長期譲渡所得の金額又は短期譲渡所得の金額の計算上
    生じた損失の金額については、土地、建物等の譲渡による所得以外の所得
    との通算及び翌年以降の繰越を認めない。
       (居住用以外は繰越が認められなくなってしまいました。)

    (平成16年分以後の所得税及び平成17年分以後の個人住民税について適用)


 12.住宅及び住宅用土地の取得に係る不動産取得税の特例措置の延長及び拡充
     (不動産取得税)の適用期限を2年延長。
 (平成18年3月31日まで適用)


 13.新築住宅に対する固定資産税の減額措置の延長(固定資産税)の適用期限を
    2年延長。
 (平成18年3月31日まで適用)


V 金融・証券税制について

  1.公募株式投資信託の譲渡益課税について

    公募株式投資信託の受益証券を譲渡した場合における譲渡所得等の金額について、
          上場株式等を譲渡した場合の株式等に係る譲渡所得等の課税の特例の優遇税率
          10%(所得税7% 住民税3%)を適用。(平成19年12月31日まで適用)
          (平成16年1月1日以後に行う譲渡による所得に適用)
       (公社債投資信託は税制変更の対象ではありません。)
     公募株式投資信託の収益分配金及び解約・償還益については株式の配当並課税になります。
            特定口座内保管上場株式等の範囲に公募株式投資信託の受益証券を加える。
          (平成16年4月1日以後の特定口座内保管上場株式等の譲渡に適用。
         なお、外国投資信託以外の公募株式投資信託については平成16年10月1日
       以後
の特定口座内保管上場株式等の譲渡について適用。)
       特定口座の取扱者の範囲に銀行、協同組織金融機関又は登録金融機関を加える。
          (平成16年4月1日以後に設定される特定口座に適用)
       公募株式投資信託の受益証券の譲渡損失について、上場株式等に係る譲渡損失の
           繰越控除の対象とする。
       (ただし解約・償還差損については翌年以降への繰越はできません。

              また解約・償還益と株式等の譲渡損益とは通算できません。
       株式投資信託同士の損益通算もできません。

       公募株式投資信託の受益証券の買取をした日又は同日の翌営業日に行った解約に
           基づいて支払を受けた収益の分配については、一定の要件下で源泉徴収行わない。
          (平成16年4月1日以後に買い取った公募株式投資信託の一部の解約について適用)
       特定口座を開設する居住者等が出国する場合、その特定口座での上場株式等の
           出し入れを行わないこととその他一定要件の下で、その者の帰国後にその特定口座の
          継続利用を認める。 (平成16年4月1日以後の出国者に適用)
       上場株式等以外の株式等を譲渡した場合における株式等に係る譲渡所得等の金額
           に対する税率を20%(所得税15% 住民税5%)に引き下げる。
           (平成16年1月1日以後に行う株式等の譲渡による所得に適用)
       ・勤労者財産形成住宅(年金)貯蓄非課税制度について
         ・ 転職者等の非課税継続適用期限を2年(現行1年)に延長
          (平成16年4月1日以後に転職等をした場合に適用)
          ・ 公社債投資信託以外の公募証券投資信託に係る財形住宅(年金)非課税貯蓄契約
              につき目的外払出しをした場合における遡及課税について、上場株式等の配当等
              に係る優遇税率は適用しない。
             (平成16年4月1日以後に目的外の払出しの事実が生じた場合に適用)
       償還差益に対する発行時源泉徴収免除の特例
         ・ 適用対象となる短期公社債の範囲に、外国法人が発行する振替外債で
              短期外債(いわゆる電子CP)に該当するものを加える。
             (平成16年4月1日以後に発行される短期外債に適用)
         ・ 短期社債及び短期外債の譲渡及び償還等に係る支払調書制度等の整備。
             (平成18年4月1日以後に発行される短期社債及び短期外債について適用)
         ・ 適用対象となる特定振替記載等がされる特定短期公社債等の範囲に、適格外国
              仲介業者により開設された口座において振替記載等がされる割引短期国債等
              を加えるとともに、譲渡に係る支払調書制度及び各人別帳簿制度の整備。
             (平成16年4月1日以後の振替記載等について適用)


  平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成20年 平成21年 〜
            3月まで 4月以降  
公募株式投資信託                
                 
  国内公募株式投資信託                
                 
   期中分配金、解約・償還差益 20% 10%       10% 20%    
源泉分離 源泉徴収       源泉徴収 源泉分離    
                 
   譲渡益 (上場投資信託) 非課税 10%       20%      
申告分離       申告分離      
   譲渡益 (非上場投資信託) 非課税 26%              
申告分離              
                 
   解約・償還損、譲渡損益(買取)                  
    の株式等の売買益との損益通算が可能                  
                 
                 
  公募外国株式投資信託                
                 
   期中分配金、償還差益 20% 10%       10% 20%    
源泉分離 源泉徴収       源泉徴収 源泉分離    
                 
   譲渡益 (上場投資信託) 非課税 10%       20%      
申告分離       申告分離      
   譲渡益 (非上場投資信託) 非課税 26%