'99しまなみ海道ソロツアー
 自転車で松山まで帰れるって、すごい…

関西〜四国西部
≪1999年5月1日≫〜続き〜
旅程:広島県深安郡神辺町〜愛媛県越智郡上浦町(大三島)

第四の橋、「多々羅大橋」(¥100)
 さて、いよいよ開通の時が近づいて来る。
それに比例するように、橋の入り口近くには、大勢のチャリダー、旅人、観光客が集まってきた。その中には報道陣なんかも居たりする、どうやら新聞の体験レポートかなにかみたいだ。
かなり早目に着いていた我々は、一番前の方に居座っている。多々羅大橋一番乗りの栄光は我が手にアリっ!!といった所だろうか。
そのうち、さっきの新聞記者(女性)が話を聞きにきた。奈良から走ってきたことを言うと、ビックリしていたが、もっと遠くから来たという人も居たみたいだったという話。産経新聞(だったと思う)なので、また見てね、みたいなことも言っておった。

ちなみに、愛媛県側は、この多々羅大橋ももちろんそうだが、もう一つ、来島海峡大橋も、今日の16時半開通と言うことになっている、4箇所で同時に渡り初めということになるわけだ。開通の16時半が近づくにつれ、辺りの雰囲気も緊張感が増してゆく…橋の警備員が、手元の時計に目をやる。カウントダウンが遂に始まり、周囲の人も一緒にカウントダウンを始める…
「10,9,8,7,6,5,4,3,2,1…ゼロ!!」

そ し て 、 16 時 半 に な っ た

警備員が横に退き、橋への道が開放される。輪駆、コータを初め、この時を共有した人々が一斉に橋を渡り始める。輪駆はその中でも先頭を走った。でも、このまますぐに渡り終えるのも勿体無いと思い、途中からスピードを落とし、初めて自転車で愛媛県に入るその感覚を楽しむ。
向こう岸から走ってきた人たちと、開通の感動を分かち合う。「おめでとう!!」「こんにちわ!!」誰かも分からない人たちと、声を掛け合う。感動の一瞬だ。
たった1,480m、時間にすれば3,4分といった所だろうか、その時間を終える時が近づく。
遂に橋を渡り終え、緩やかなスロープを下ってゆくと、いよいよ愛媛の地を踏むことになる。
自転車で愛媛県到達、こんなことがまさかできる日がこようとは、しかも、瀬戸内しまなみ海道全線開通の記念すべき日にだ。
今日ほど生きてきて良かったと思える日もなかったと思う。そんな一日だった。

その後、近くのキャンプ場に宿を求めたのだが、一張り¥1,000はチト高い、コータと2人で文句言いながらそれぞれのテントを張る(要するに¥2,000払ったわけだ)。近くに温泉があったのでそこにゆくとさすがに混んでいた。これも開通効果だなぁ〜
いよいよ明日は四国上陸。世界一の来島海峡大橋も待っているぞ!!

≪1999年5月2日≫
旅程:愛媛県越智郡上浦町〜愛媛県松山市

この日も天気が良かった。まったくもって幸せな話だ。
あとはいよいよ四国上陸を目指すのみ。頑張って走りまっしょい。
で、朝早くにキャンプ場を出発。まずは大三島橋を渡って伯方島を目指す。伯方島と言うのは、超有名な「伯方の塩」の産地。ポテトチップスの生命線は愛媛県にあったりするのだ。
大三島橋までの道は少し悪い。急な坂があったり、道が狭かったり…でも、朝早かったこともあり人(車)が少なかったので、すんなりと橋に着くことが出来た。

第五の橋、「大三島橋」(¥50)
ここも橋自体の歴史は古い(昭和54年供用)。舗装もひび割れていたりして、歴史を感じながら渡る。
橋の長さも短いので(完成当時は日本最長のアーチ橋だったそうな)、あっという間に渡り終える。いよいよ伯方町に入るわけだ。しかし、伯方町の中心部はしまなみ海道サイクリングロードからは少し外れてしまう。結局市街地に向かうことはなく、次の伯方・大島大橋に向かった。

第六・七の橋、「伯方・大島大橋」(¥50)
名前的には一つの橋のようだが、実際は二つの橋から成るこの伯方・大島大橋。途中には小さな島があり、そこで違う橋となっているわけだ。ここもまぁ、古い橋なわけで(昭和63年供用)、辺りの景色と、もうすぐこのしまなみ海道も終わりを迎えるんだなぁ〜という感慨にかられつつ橋を渡る。
いよいよしまなみ海道最後の島、大島に入る。名前の通り大きな島、生口島よりも大きく、当然走る距離も…長い(笑)。最短ルートの√317はちょっとした小山を超えるがまぁ、ここまで来たら勢いで乗り越えるまで。
そして…吉海町にある小さな峠を越えると…
「おっ、あれやっ!!」
歓喜の声を上げる、そう、遂に来島海峡大橋が眼前に迫ってきたのだ!!

第八の橋、「来島海峡大橋」(¥250)
その長さ約4km、世界最大級の三連吊り橋、それが来島海峡大橋。そのためか、自転車・原付の通行料も¥250と、他の橋に比べるとダントツで高額だ(普通車だと今治北IC〜大島南IC¥1,900)。橋のたもとには、コンビニがあったり、観光船(定期船もある、ちょと安い)乗り場があったりと、橋のもたらす経済効果で賑っていた。
この辺まで来るともう10時を回っていたので、結構人も多い。いざ橋に突入すると、人が多いために、スピードは出せないが、逆にそれが渡橋の雰囲気を存分に楽しめるので全然問題ではない。
途中、馬島に降りてみることにする。小さな集落があり、そこへは、大きな大きな橋げたに通してあるエレベーターで降りる。下から見上げる来島海峡大橋は、とても人工物とは思えない巨大な橋げたが聳え立っている。しばらく馬島を歩いてみるが、本当に小さな集落だ。この橋が出来たことで一体この島もどう変わってゆくのだろうか、と思ってしまう。
残りの約1.5kmを渡ってゆく、途中にあったスタンプコーナーでは、開通二日目にしてスタンプが一つなくなっていた。何てことするんだ、まったく悲しいものだ。

そして、遂に四国上陸。
先に糸山公園からの来島海峡大橋を眺める。ここを渡ってきたんだ、この向うには本州があり、奈良があり、俺はここから来たんだなぁ〜と思うといっそう感慨深い。
ここからはいわゆるウイニングラン、松山までの道を走る…のだが、どうやら体力の限界がきた模様(苦笑)。とりあえず気合と根性で大西町、菊間町、北条市を超えて松山市に入る…
松山市に入ってしばらくすると、見慣れた風景が見えてくる、もう後10数kmで家に着くんだ…と思ったその瞬間にだ。どこからともなく力が湧いてくる!!
そして、ここまで先導してもらっていたコータ氏に変わって一気に知った道をグイグイ走り、程なく実家に到着、この変わりようにはコータ氏も驚いた様子だった…

そして、2日ほどコータ氏と実家でのんびり過ごす、良いか悪いか、両親が旅行中だったので、松山観光なんかをしたりして、のんびり過ごしました、わざわざ香川からくもん氏が来てくれたりもしたし、楽しかったです。
帰りは、「ムーンライト松山」に乗って京都へ。18切符の無い時期だったので、あえてグリーン席に乗って帰ってみたり…。人生初にして唯一のグリーン車がムーンライトとは…

こうして、帰省の旅は幕を閉じた訳である。この後も、しまなみ海道は何度か行った事はありますが、自転車で行ったのはこの一回のみ。またいずれ走ってみたい場所の一つです。それと同時に、しまなみ海道は私の旅先BEST5に入る場所でもあります。

参考:しまなみ海道のサイト(本州四国連絡橋公団)
こちらからどうぞ

<'99しまなみツアーB終わり>



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