「はぁ〜あ、おはよ」
大羽総司は寝癖がついた頭をボリボリかきながら二階から降りてきた。
「あら、日曜なのに珍しいわね、ゆっくり寝てればいいのに」
妻の美紗緒はキッチンで食器を洗っているところだった。
「いや、なんか目が冴えちゃってさ、御飯ある?」
「ちょっと待ってね、コーヒーも入れるから」
「ああ、頼むよ」
総司は妻の背中に目をやり、何の気なしに、
「昨日変な夢見ちゃったよ」
「へぇ〜、どんな夢?」
大皿を拭きながら美紗緒は訊く。
「僕がさ、どこかの大病院のベッドに寝てて、君は僕につきっきりで看護してるっていう夢なんだ。でもすでに僕の魂は別のところにあって、その病院にある僕の体は屍同然ということを夢の中の僕は知ってるんだ。な?変な夢だ・・・」
「ガチャーン」
突如、美紗緒の手から大皿がずり落ち、粉々になった。
「おい、どうした?」
総司は腰を上げ、美紗緒のほうに駆け寄る。
「あ、ううん、なんでもないの、ちょっと手を滑らせちゃって・・・」