「本当にごめんね〜、わざわざ来てもらっちゃって。私パソコンとかすっごい疎くて」

      真奈美は弘樹の背中に言った。

      「あ、いえ、どうせ僕もかなり暇してたんで」

      黙々と弘樹はキーボードを叩いている。

      「浪人生が暇なはずないでしょ(笑)」

      「・・・」

      「あ、ごめんなさい(汗)ついうっかり」

      しまった、と、真奈美は口に手を当て、謝った。

      「・・・いえ、いいんですよ、本当のことですから(苦笑)あ、もう治りましたよ」

      「わ〜、ありがとう!さっすが〜」

      真奈美は弘樹の脇から顔を出し、ディスプレイを覗き込んだ。

      「ちょっとパソコンやってればこれくらいすぐ治せますよ」

      弘樹は鼻の頭を掻き、照れ臭そうにした。

      「そう?でもやっぱり弘樹君すごいよ。あ〜あ、私ももっと勉強しておくんだったなぁ」

      「今からでも始めればいいじゃないですか」

      「う〜ん、したいんだけど暇がなかなかね、私もこんな仕事してるからさぁ」

      「でもまぁ勉強だけが全てじゃないですから」

      「そうだけどー、私が弘樹君に教えられることなんて何もないからなぁ」

      「そんなことないですよ、真奈美さんからはいろいろと教わるものがあります」

      弘樹はお世辞ではなくいった。

      「真奈美さん自身は気づいてないと思いますけど」

      「そうかなぁ?私が弘樹君に教えられるものなんて・・・あ!」

      怪しい笑みを浮かべながら、真奈美は弘樹ににじり寄った。

      「え、どうしたんですか?」

      後ろから弘樹に抱きつく真奈美。そして弘樹の耳元に唇を寄せた。

      「ちょ、ちょっと真奈美さん」

      「一つだけあったかな・・・教えられること」

      「え・・・」