上半身を出した状態で、幸嶋明彦はタバコに火をつけた。ゆっくりと紫煙をくゆらす。
「私にも吸わせてよ」
ベッドの上から、桐生真紀は半身を起こし、明彦のタバコを取ろうとした。
「ダメ」
「どうしてよ」
「体に悪いから」
「ちぇ、自分は吸ってるくせに」
しばしの沈黙。
「ねぇ、明彦さ、今度のクリスマスなんだけど」
「ああ」
「茜や俊介たちがちょっとしたパーティーをやろう、って誘ってきたんだけど、どうする?」
「なんで俺に訊くの?」
「なんで・・・って云われても」
「行きたきゃ行けばいいじゃん、俺は悪いがパスする」
「そう・・・」
真紀は目を伏した。そして、
「ねぇ」
「ん?」
「私たちってさ・・・付き合ってるんだよね?」
云った後、なんでこんなことを口にしたのだろうと真紀は後悔した。
「お前らしくないこと訊くんだな」
「答えて」
「・・・ああ、付き合ってるよ」
「・・・」
二人でいるときの孤独というのは、一人でいるときの孤独の何倍も応える。
真紀はそんなふうに思った。