栂池自然園
Tsugaike Sizen en 1829m

栂池パノラマウェイ
  新宿発7:30の特急あずさ3号に乗り、白馬駅に着いたのは11:26であった。駅よりバスに乗り、栂池(つがいけ)高原に11:58に到着。
  ここで、昼食を取り、栂池パノラマウェイで栂池自然園に向かう。 
栂池高原駅、ゴンドラリフト乗場
  栂池パノラマウェイは、ゴンドラリフトとロープウィを乗り継いで標高1829mの栂池自然園駅まで一気に運んでくれる。但し運賃は往復3000円と安くは無い。
  写真は、栂池高原駅(831m)である。ここよりゴンドラリフトに乗る。
ゴンドラリフト、イブ
  リフトは6人乗りのゴンドラタイプで、全長4126m、20分で山腹の栂の森駅に着く。ここで標高1560mである。
  全長4126m、標高差729mの快適な空中散歩であった。
栂大門駅
  ゴンドラリフトの栂の森駅を降り、10分程歩き、栂大門駅(写真、1560m)から栂池自然園行のロープウェイに乗り換える。
栂池ロープウェイ
  栂池ロープウェイは定員71名と大型である。20分間隔で運転され、全長1200m。7分で終点の栂池自然園駅(標高1829m)に到着する。
村営栂池山荘
  栂池自然園駅から5,6分で栂池ヒュッテ、村営栂池山荘に到着。ここから、右に行くと天狗原、白馬大池、白馬岳(2932m)への登山道となっている。白馬岳までは約6時間のコースである。
  なお、この栂池ヒュッテは収容人員100名、そして栂池山荘は60名となっている。  
栂池ビジターセンター
  栂池ビジターセンターで、栂池自然園の入園料300円を払う。これは良いシステムである。ここは、中部山岳国立公園に指定されている区域だ。
  国立公園の山域は総て入山料を取り、自然維持の費用に当てるべきかと思う。
  ビジターセンター内では、園内で見られる動植物や地形の特徴等を写真と図を用いて解りやすく説明されていた。  
栂池自然園入口
  栂池自然園の入口付近だ。
  栂池自然園は日本でも有数の高原湿原で、他に例を見ないほどの高山植物の宝庫となっている。
  一周約6kmの木道が敷かれており、快適なウォーキングコースとなっている。
ミズバショウ湿原
  自然園の中は、順番にミズバショウ湿原、ワタスゲ湿原、浮島湿原、そして展望湿原と4箇所に分かれている。
  写真は最初のミズバショウ湿原であるが、流石に8月下旬の訪問では、時期的に遅かった。
  ここで標高は1860mであった。
ミズバショウ湿原
  なお、栂池湿原は尾瀬ヶ原湿原に似た湿原で、栂池自然園の平いらな部分は古い時代の準平原の名残の一部と見ることができる
  規模は標高1400mの尾瀬に及ばないが、此方の方が標高が1860mと高く高山植物が豊富に見られるとのこと。    
ミズバショウ湿原
  年間の平均気温が10度以上の所では、晩秋に枯れた植物は数年の間に微生物の働きによって自然に腐って土になってしまうが、年間の平均気温が低いところでは、腐らずに1年に0.5o〜1o程の厚さになって堆積し、次々に陸化が進んで行く。
  今見られる湿原はミズゴケ類が数千年から数万年かかって堆積して出来たものである。
  なお、厳冬期には、この辺は気温がマイナス16℃で、積雪は6m以上にもなるとのことであった。 
木道
  今でこそ、リフト、ロープウェイを乗り継いで、簡単に来ることが出来るが、近年までは登山者に知られるだけの秘境であった。
  昭和43年から始まった県の自然園開設計画で、45年に自然園として整備されてから、大勢の人が訪れるようになった。
池塘
  彼方此方に多数の池塘(ちとう)があった。池塘とは、湿原にある池のことである。
  栂池自然園の湿原では、来馬層(くるま、2億年前)の古い平原に出来た沼に生えたミズゴケが、何万年かの間に腐らずに堆積してできたものである。
  その陸化が遅れた部分は今もたらい状の、底が平らで浅い池(池塘)として残っている(左写真)。
ミズバショウ湿原
  左の写真はミズバショウ湿原で見かけた花である。
  八月下旬の自然園では、ニッコウキスゲやワタスゲ、ヒオウギアヤメ、ゴゼンタチバナが終り、オヤマリンドウ、トリカブト、シシウドが見頃になると言うが、訪れた時は、何れも中途半端な季節であった。
ミズバショウ湿原
  これから(9月下旬)は草紅葉が見事とのことであった。
  下左写真はハンゴンソウ(反魂草)、下右はミヤマセンキューであろうか。
  なお、白馬山麓ではオオシラビソ(青森トドマツ)のことを栂(つが)と呼んでいて、栂池はオオシラビスが多い池の意とのことであった。
ミズバショウ湿原
  この時期でも大勢のハイカーが来ていた。夏でも涼しい高原である。8月の平均気温が15℃で、最高気温でも22℃位とのことであった。
  池塘の間の木道を辿り、ミズバショウ湿原を抜けると、緩い上り坂となる。  
風穴
  写真は、ミズバショウ湿原からワタスゲ湿原の途中にある風穴である。
  左の穴から夏でも冷風が吹き出している。ここで標高は1870mであった。
ワタスゲ湿原
  風穴から少し下ると、ワタスゲ湿原となる。カヤツリグサ科ワタスゲ属の多年草で、別名「雀の毛槍」とも言うそうだ。
  高層湿原に生え、大群生を作ることが多い。名前の通り、夏に白い棉毛を付け、あたり一面真っ白になると言うが、今回は時期的に少し遅かった。
地糖
  ワタスゲ湿原にも、到る所に池塘が出来ていた。この湿原を抜けると、急な上り坂となっている。
楠川
  ワタスゲ湿原から浮島湿原への途中にある楠川(くすがわ)だ。白馬乗鞍岳を源とする川で、この栂池自然園を横断し、白馬村新田で姫川に流れ込む川である。
  川に手を入れてみたが、冷たい水であった。ガスが出てきて、寒いくらいであった。
楠川河原
  この川の左岸の白馬大池火山からの泥流が堆積して出来たのがこの栂池自然園で、更に下流の親の原台地(栂池高原)をも形成している。
  川の側にトイレがあり、この先にはトイレがありませんと書いてあり、多くの人が列を作っていた。  
浮島湿原入口
  急な坂を登ると浮島湿原が見えてきた、と書きたいところであるがガスで殆ど見えなかった。
  ハイカーが諦めたように木道で休憩をしていた。
浮島湿原木道
  浮島湿原は標高1920mの所にある。
  白馬蓮峰や栂池自然園全体が見えるところであるが、先は何も見えなかった。
浮島池
  浮島湿原は、前述のミズバショウ湿原、ワタスゲ湿原と違い、大きな池塘が散在している。
  浮島池、栂池、雁股池、モウセン池等の名前が付けられている。他の湿原に比して、未だ堆積が進んでいない様であった。
展望湿原分岐
  ここを左折すると、栂の木の中を歩く道となる。そして急なやせ尾根(標高2020m)を経由して展望湿原(2010m)へ約40分の道程である。
  ガスが無ければ、白馬岳の夏でも雪が残る大雪渓が目の前に見えるところだ。また雄大な白馬連峰が見えるところである。
木道
  あとわずかで展望湿原であったが、ガスが段々深くなり諦めてUターンした。大勢のハイカーが、一斉に帰路に付いた感じであった。
  ここから、栂池パノラマウェイの栂池自然公園駅に戻り、ロープウエィとリフトを乗り継いで、一気に栂池高原親の原まで下った。
  そして、栂池高原駅前のホテルサンプラザ栂池に投宿した。夜の生ビールと食べ放題のジンキスカン料理は格別であった。



ルート

JR大糸線 白馬駅
〜松本電鉄バス20分 栂池高原
〜栂池パノラマウェイ、ゴンドラリフト
〜ロープウェイ 栂池自然園駅
〜栂池自然園


駐車場

 栂池パノラマウェイ
栂池高原駅前


休憩所、トイレ
栂池高原駅前
栂池自然園ビジターセンター
楠川

0408/0810




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