湖西街道
Kosei Road


湖西線より琵琶湖
    京都より湖西(こせい)線に乗り、近江今津まで、下った。この街道は、大分前であるが、車で今回の反対回りで、琵琶湖を一周し、比叡山経由で京都入りしたことがある。今回は、電車を利用して近江今津まで、風光明媚なこの湖畔を走ることになった。
  京都を発ち、山科より左に折れ、琵琶湖畔を文字通り走ると言った感じで湖西線と呼ぶに相応しい線路である。
近江舞子
  日本一の琵琶湖は、こうやって、電車で、走ってみても本当に広い。湖西線は、ずうっと近江今津に着くまで約50分であるが、その殆どが琵琶湖の側を走っている。左はすぐ側まで、比叡山系が迫っているので、猫の額ほどの湖と山の間を走っている感じである。
  琵琶湖は、断層陥没湖で、長さ63.5km、幅は最大で22.1km、最小で1.35kmである。今日は天気が良かったので対岸がずうっと見えた。
近江舞子駅前
 湖面の標高は80mで、深さは104mとのこと。周囲277kmである。近江は元々は淡海(あわうみ)で、淡水湖の意味であった。豊富な魚貝類が採れるが、琵琶湖独特のゲンゴロウブナやコアユ、ビワマス、イサザ等が生育している。
  近江と言うと、そのほか、近江商人、近江女、近江猿楽、近江のお兼、近江ブナ(ゲンゴロウブナ)、近江節そして「近江泥棒に伊勢乞食」なんて言葉を思い出した。   
  近江舞子を過ぎ、程なく安曇(あど)川を越える。湖西では唯一の平野(三角州)となっている。この安曇川は、綺麗な水をたたえ、カワウやその他の水鳥が多数憩うていた。東岸に比べ、湖西はまだ豊かな自然が感じられる。
  近江今津(オウミマズと地元の人は発音する)は、地元のA氏によると、昨年は1mの雪が積もったとのことであった。彦根に行ったときも、雪が多いと言われたが、この辺は、彦根と違い家の作りも、写真の様に大分特徴的であった。  
  同じ様な瓦葺きの民家が所々に同じように固まって集落を築いていた。古来より、今津港を有する、近江今津は駅前にも、ビジネスホテルがあり、湖岸には国民宿舎もある。
  以前に車で来たときは、この今津の一つ先の海津で、古びた商人宿に泊まったことがある。共に、目の前の竹生島への船便がある所である。
  竹生島(近江舞子も)は、旧制第3高等学校(京大)ボート部の「琵琶湖就航の歌」でも有名であった。周囲2km、高さ198mで、島全体が樹林に覆われ、日本3大弁天の一つである弁財天を祀る厳金(ごんきん)山宝厳(ほうげん)寺が建てられている。
近江今津駅前
  駅前は、Iホテルがあるだけで、繁華街らしいところは無かった。駅に、今津港への案内図と、竹生(ちくぶ)島への船便の案内が大きく書かれていた。タクシーだけが10台程、客を待っていたが、乗る客は殆どいなかった。ビジネス向けというより、観光客待ちが多い様であった。
  同行のS氏と、我々は、タクシーに乗り目的地に向かった。


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