救急医療


  山歩きなどをしていると、どうしても一通りの救急医療の知識は必要である。誰もいないところで、自分又は連れが、病に倒れたり、怪我をしたら、自分で何とかしないと生命さえ、危ぶまれることになる。

 従って、そのような事にならないように万全の注意と準備が必要となるのは言うまでもないことである。身体の調子を整え、不具合が合ったら即中止または延期すべきである。そして、あらゆる危険を予想して、その対策も必要である。

 磁石や高度計、地図はもとより、雨を凌ぐ為の、雨具や、寒さを防ぐ防寒具、これから冠雪に備えての(軽)アイゼン、怪我をした場合の、薬や応急具、暗くなった場合の懐中電灯、非常食、ビバーク対策、etc.そして、コースに応じ、ロープやシュラフカバー、ビバーク用のツェルトなどもあるが、これらは別の機会に譲り、今回はいわゆる救急医療に的を絞って述べてみたい。

  救急医療と言うと、まず救急車を思い出すであろう。そして、病院でも急患用の窓口が今は出来ているところが多い。では、救急車にはどんな設備が搭載されているのであろう。最近出来た、救急救命士法により、その内容は急患を扱う病院さながらとなってきているのには驚かれるであろう。

 以前は、応急処置用として、

○観察用試器材(体温計、検眼ライト)
○呼吸・循環管理用資器材(人工呼吸器、心肺蘇生用背板、酸素吸入器、吸引器)
○創傷等保護用資器材(副子、三角巾、包帯、ガーゼ、ばんそうこう、止血帯、タオル)
○保温・搬送用資器材(担架、まくら、敷物、保温用毛布、雨覆い)
○消毒用資器材(噴霧消毒器、その他の消毒器)
○その他の資器材(氷嚢、臍帯クリップ、はさみ、ピンセット、手袋、マスク、膿盆、汚物入れ、手洗い器、先眼器)

  そして、通信救出用として、

○通信用資器材(車載無線)
○救出用資器材(救命浮輪、救命綱、万能斧)
○その他の資器材(保安帽、救急かばん、警笛、懐中電灯)

 と救急業務実施基準の救急自動車に備える資器材として決められている。

 救急車は、これだけで、ずっとまかなってきたことになる。われわれは、ここまではと思うであろうが、しかし、山歩きの時は、このくらいの心の準備が必要なのである。それほど、危険と隣り合わせであるとの認識が必要でもある。

 さらに、最近、救急救命士法が施行され、医療行為と見なされる

○早期に実施すべき救急処置にかかわるもの(血圧計、聴診器、パルスオキシメーター、心電図電送装置、経鼻エアウェイ、喉頭鏡、鉗子による異物除去、在宅医療処置継続、ショックパンツ、自動式心マッサージ器)

○国家資格に係わるもの(半自動式電気的除細動器、輸液、ツーウェイチューブによる気道確保)

 等が救命士により行われることが認められ、装備として追加されている。当然ここまでは、資格が必要であるので、我々としては、考えなくても良いが、参考まで記述してみた。
             

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Hitosh


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