マイナスイオン


  我々は、山や森、川、海に行くと、なぜか気持ちがすっきりする。爽快感が得られることを良く経験していると思う。普段と違うことを行うから、ストレスの解消にもなるし、気分的にも遊びと思っているからリラックス出来るのであろう。いずれにしても、爽快感が得られるのは確かなことである。

 映画「
十戒」を見た方は多いと思う。その中で、黒い霧が街を覆い、1歳以下の子供が死んでいくシーンがある。日本ではなかなか信じられないことであるが、西洋では、こういう話が結構多い。フランスのミストラル(Mistral)、スペインのトランモンタナ(Tranmontana)、地中海のシャーキー(Sharkye)、スイスのフェーン(Foehn)等が有名である。

 これらの風が吹くと、不眠、刺激過敏症、頭痛、吐き気、悪寒、めまい、呼吸困難、無気力感が増え、入院患者が増え、自殺者数、犯罪者数が増えると言う。これらの風は、負イオンが極端に低下して、同時に
プラスイオンの急激な増加によるものとなっている。

 日本で言うと、北関東の上州空っ風、男体おろしなどが吹くと、風邪ひきが増える。ともに、冬に、乾燥した冷たい北風が吹き荒れることを指している。この風がイオンと関係するかどうかは解らないが、この風を考えると理解出来るような気がする。

 自然界では
イオンは様々の状況で発生する。半分は、放射性ガスによって作り出される。地中の放射性物質、宇宙線、紫外線、大気の流れ、落下する水、植物が後の半分を作り出す。たとえば、植物の葉、特に知られているのは松の葉、アスパラガスの葉等から放出される。

 特に、
マイナスイオンの多い環境における臨床効果がいろいろな学会で報告されている。その中で、代表的なものとして、米国で負イオン空気はインフルエンザに対する抵抗力を高めると発表されている。その他、ストレスによる胃潰瘍や、胃酸過多、胃内出血、急性神経症、無気力、不眠症、自立神経失調症、痛みの緩和、そして、学習能力、計算能力、記憶力、集中力を高める等に効果があると言う。

 全くもって、嘘みたい話である。これだけの効果があるため、負イオン発生器が各社より開発され発売されたがこれはと言うものがない。人工的なマイナスイオン発生方法としては、高電圧放電、光電効果、紫外線、レナード効果、放射線物質、衝突イオン化等が一般的である。しかし多くの場合、人間にとって有害な、たとえばオゾンなどを同時に発生させる場合が多い。現在、幅広く使われているイオン発生器は、高圧電気信号(約5000V)を直接空気に作用(コロナ放電)させ、イオンを発生させるものであるが、同時に0.05ppm以上の
オゾンを発生させている。この濃度は、人間にとって有害である。

 マイナスイオンが体に良いと解っていても、それが簡便には得られないのである。海辺や、滝口に行かないと不可能なのである。最近、森林浴、滝現象にきわめて近い自然現象の原理を利用し、オゾンなど人体に有害な物質を発生しないマイナスイオン発生装置が開発されたとの報告が上がっている。炭酸カルシウムを多く含む風化珊瑚の粉と水をイオン生成材料として、反応や噴射の外力として超音波振動を利用した物である。効果の程は確認していないが、この装置は維持費が高いと聞いている。

 これらの事を考えると、我々が、時間を割いて、時々は山や川や海や、森に行くことが如何に大事で、又必要なことであるか理解できると思う。やはり、自然が最高なのである。私も、これからも意識して自然に接していくようにしたいと思っている。 

            

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Hitosh


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