ストレスの話
ストレスと言うとすぐ思い出すことがある。トイレ用の健康診断機の開発に関わっていたころのことである。当時はバブル絶頂期で、トイレに行き、座って用を済ますと、自動的にその人の健康状態が解るという装置である。 知っている方も多いと思うが、某セキュリティー会社が実用化して、家庭に設置した。データをホストに定期的に送り、異常があると、ホストから連絡してくれる仕組みになっている。担当者に聞くと、あまり売れていないとのことであるが、おもしろいアイデアである。 その中身が問題であるが、この製品は、血圧、脈拍、体重、尿糖、尿比重等を計っていたと思う。この製品は、電機メーカーのO社と、トイレタリーメーカーのI社、そして前述のセキュリティー会社で共同開発されている。どの会社もその道ではトップクラスの会社ばかりである。と言うことは、表面では啓蒙と言っているが、本気でこんな機械が普及すると思ったからであろう。 現実には話題先行で、ビジネスとしては失敗であった。人間の体は、こんな機械を使っても、興味が湧くほどの変化はそう簡単に現れないのである。長い時間軸でやっとその変化が解る場合が多いのである。多くの場合、その変化が現れる前に、飽きてしまう。 そこで、ストレスの程度を簡単に計れないか考えてみた。トイレに入り、用を済ますとストレスの程度が解る機械が出来れば、その日の内にストレス解消の手が打てるというものである。そこでいろいろ調べた結果、カテコールアミンが、ストレスが貯まると、尿中に多く含まれるようになるという事実である。ならば、どうそれを検出するかである。早速、某不織紙メーカーが学会で尿糖を計れるバイオセンサー(酵素センサー)を開発しているとのことが解りアプローチしてみた。カテコールアミンもこのバイオセンサーで計れないかとの夢を持ったわけである。精神的・肉体的刺激によって生じる心身のひずみの程度(ストレス)が、用をたしている間に測定できたら良いのではと思ったわけである。 同じことを考える人は多い。某ハウスメーカーの研究所に、この話を持ち込んだら即乗ってきた。これからのトイレ空間は快適空間でなければならない。そして、この空間で用を足している間に、普段気になっている問題を解決してくれたら最高である。と言うわけで、快適空間の演出を考えているとのことであった。 さて、ストレスの程度が解ったら、次はそれをどう解消するかである。人間にとって、もともとストレスは有って当然である。身を守る上で必要なことである。適度なストレスが重要である。これは、健康で長生きする術でもある。 1996年にイスラエルで発行され、1999年に英語版でも発行された本に、「STOP THE STORESS」がある。この本には、CDが付いている。時間にして、わずか12分であるが、これを聞いてリラックス(セルフトレーニング)するとストレスから解放されるだけでなく、今まで出来なかった、健康増進、ポジテブ(プラス)思考、自己信頼(Self−Confidnce)、性生活(Sex Life)の改善が出来ると言う。現代人にとって、欠けているものを補うことが出来る優れものということになる。 古代より、キリスト、釈迦を持ち出すこともないが、心を癒すことにより、今まで不治の病や難病が突然直ることがある。当時の人は奇跡と、その業績を讃え、敬ってきた。今思うと、これらのことは、決して嘘ではない。その人のストレスを除去してあげることにより、奇跡的に免疫力が回復し、不治の病を直す原動力になったと思われる。もちろん、このほかに気功(きこう)の様な力が作用したかもわからない。 ストレスは人体に対し、 身体への影響 脳内有害化学物質(corticotrophin)の出現 口中の渇き 免疫システムの弱体化 呼吸の早まり 筋肉の緊張 心拍の早まり 血圧の高まり 消化器系統の機能劣化 心理的影響 悩みごとの増加 自己自信、自己信頼の欠乏 自己尊敬の低下 人間関係の欠如 攻撃的 感情のコントロール力喪失 集中力の欠如 をもたらしている。すなわちストレスを解消する事により、上記の反対の事、免疫力(癌細胞でさえ減少していく実例が紹介されている)、循環機能、呼吸機能、消化機能、自律神経失調症、記憶力、集中力等の改善が図れる。 以上より、ストレスを解消することは人間にとって非常に大事なことであるかが理解できると思う。しかし、ストレスは人間にとって、いや動物にとって必ずあるものである。それをいかにコントロールしていくかが鍵である。また、いかにそのストレスを少なく感じるようにするかも必要であるが、しかし、それでは大したことが出来ない。死にものぐるいといわれる時は、受けるストレスは超大であるが、成果もまた大きいことが多い。ストレスがあるから、動物は普段考えられない程の力を出すのである。火事場の馬鹿力や、他の動物に襲われた時の、動物の行動(生きるか死ぬかの瀬戸際)など、説明するまでもないほどである。 大きな成果を望まず、受けるストレスを最小にしていけば、長生きするかもしれないが、それで良いかどうかは別問題である。あまり気にしても、しょうがないことかも知れない。与えられた天命と思えば済むことでもあり、もって生まれた性分でもある。人のことは気にせず、ゴーイングマイウェイが長寿の秘訣かも知れない。 結局、自分の行きたい道を自分のペースで歩んでいくのがベターではないかと思う。結果的に、それが長寿の秘訣であっても、短命の習慣であっても良いのでは無いかと思う。所詮自分の人生である。周囲に迷惑を掛けずに、真っ当な生き方をしていれば、他人様にとかく言われる筋合いはないのである。 リラクゼージョンの為のセルフトレーニング(セルフコントロール)等は別の項目で取り上げていきたいと思っている。より積極的に、そして前向きにストレスとつき合っていけるし、より良い結果が生まれると思っている。 |
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Hitosh
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