山  道


  当は山道では無く、登山道としたかったが、最近は山道歩きが多くなってきたので、あえて山道とした。山道は、それこそいろいろある。田舎の薪拾いの道から、生活感のある峠道、登山の為の道、そして獣(けもの)道まである。

  由緒ある古道もまた良い。昔学校で習った歴史は余り好きでは無かったが、最近は年のせいか、自分なりの尺度で、歴史を見る習慣がついたため、歴史が好きになった。この道を、あの頼朝がわずかな共と通った道なんて思うとグッとくる。好きな家康が通った道なんてきくと、もうそれだけで嬉しくなる。

  鴨族がここに住んでいたと思うだけでも、もう古代に行った気になる。役(えん)の行者が、始めて富士山に登ったと聞くと、あれ!!どの道から登ったのかと調べたくなる。山道は、人が意図して作った道もあるが、ごく自然に出来た道もある 
  
  最近続けて登山地図に無い道を偶然登った。殆どの山の尾根は、狭い日本、誰かが先鞭を付けている。それも、何人もの人によって、道が自然につけられている。そんな道を登っていると、鹿とばったり会うことが何回もあった。それだけ日本の山には鹿が多いと言うことにもなるが、もともとは鹿が通る道、獣道だったのかもしれない。特に、良く行く丹沢で多い。興味のある方は、写真入りのエッセイを、このHPに乗せているので見て欲しい。丹沢、塔の岳と雲取山の所で写真入りで紹介してある。
 
  道に迷ったら、沢に降りるのでは無く、必ず尾根に出るのは、山での基本である。それを実感として何度も体験した。日本では尾根(付近)には必ずと言って良いくらい道がある。遭難防止の基本でもある。

  しかし、大山の北尾根を下ったときは、道に迷ってしまった。登山地図にも載っていない道は当然、通る人も少なく整備もされていない。一の沢峠に行くはずが、水千谷(札掛)の方に降りてしまった。また登り返すのも実際は辛い。沢筋に道があったから良かったが、そうでなければ、今、降りてきた道をまた登り返す所であった。

  山道は、変化に富んでいる。だから面白いのであるが、危険と隣り合わせであることも事実である。いずれにしろ、自分の足だけが頼りである。一歩一歩、足下を確認しながら、登って行かないととんだ目に遭う。今思えば、山に登り始めた頃は、ちょっとしたことで、良く転んだものである。
 
  自然を甘く見ると、えらい目に遭う。自然に対しては、常に謙虚な気持ちが必要と思う。それが、自然と共に生きる術ではないかと思っている。これからも、自然を愛で、ゆっくりと山道を歩いていきたいと思っている。

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Hitosh

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