昔話なので、とくにあらすじをいうこともない。だいたい昔話そのまんまに話が進んで、最後に、となりのじいさんが、さむらいに首を切られそうになったときに、現代から行っている子どもたちが、時間を止めて助けに入って、時間を止めている間に、全体に花を咲かせるというところが見せ場といえば、見せ場になるのかなあ。
おじいさんグループ
おばあさんグループ
となりのじいグループ
となりのばあグループ
どんぶらももグループ
いぬのポチグループ
ポチのかわり木グループ
おばけ・たからグループ
さむらいグループ
子どもグループ
ぼうや
よいこか わるいこか
いまは むかしの つづきだけれど
むかしは いまの つづきではない
つづいているのは むかしのはなし
ずっと ずっと むかしのはなし
さて!
むかし むかし あるところに
じんじと ばんばと おったとさ
じんじは やまへ しばかりに
ばんばは かわへ せんたくに
まいど おなじみ ごくろうさん
むかしばなしの はじまりだ
おもしろかったら わらっておくれ
つまらなかったら ねておくれ
わっはは わっはは ぐーぐーぐー
こどもたち、くるくる、きりきりと、まるで たつまきに まきこまれたみたいに、あらわれる。
こども1 わーーあっ。
こども2 わあっ。(と、たおれる)
こども全 わあっ。(と、たおれる)
こども3 あーっ、いたかった。ここは、どこだろう。
こども4 しーっ、だれかくるぞ。
こどもたち、ぶたいのはじっこに、小さくなって、かくれて、ようすを見る。と、そこへ、おじいグループと おばあグループが、あらわれる。
おじい1 おばあさん、おばあさん。わしは、これから、山へ しばかりに
いってくるよ。
おばあ2 あいよ、おじいさん。いっておいで。わたしは、かわへ せんたく に いってくるよ。
おじい全 じゃあ、いってくるよ。(と、おじい、いく)
おばあ全 はいよ。いってらっしゃいな。
おばあ2 さて、せんたくでも、しようかな。
かわのところでは、あおや しろの きれで 川のようすなどを あらわすとなかなかグーッである。そこに、ももが、ながれてくる。
せんたく ごっしごし
せんたく ごっしごし
ばあさん がんばる ごっしごし
せんたく じゃぶじゃぶ
せんたく じゃぶじゃぶ
ばあさん がんばる じゃぶじゃぶ
ももっこ どんぶらこ
ももっこ どんぶらこ
つんぶく かんぶく どんぶらこ
ももっこ どんぶらこ
ももっこ どんぶらこ
つんぶく かんぶく どんぶらこ
もも1 おれたちは、
もも2 おおきなももだ。
もも3 えっへん。
もも全 えっへん。
もも4 ぼくたちは、
もも5 ちいさなももだ。
もも6 かっわいーっ。
もも全 かっわいーっ。
おばあ3 やあ、おおきなももと、ちいさなももが、ながれてきたぞ。
おばあ4 おおきなももは、こっち、こーい。
おばあ全 おおきなももは、こっち、こーい。
おばあ5 ちいさなももは、あっち、いけーっ。
おばあ全 ちいさなももは、あっち、いけーっ。
もも7 あれーっ(と、ちいさなももは、きえる。)
もも8 つんぶく かんぶく おばあさん。
もも全 つんぶく かんぶく おばあさん。
おばあ全 おおきなももは、こっち、こーい。
おばあ全 ちいさなももは、あっち、いけーっ。
もも全 つんぶく かんぶく おばあさん。
もも全 つんぶく かんぶく おばあさん。
おばあ全 おおきなももは、こっち、こーい。
おばあ全 ちいさなももは、あっち、いけーっ。
おばあ6 おおきな、おおきな、ももが、とれた。
おばあ7 うちにかえって、おじいさんと いっしょに たべましょう。
おばあ全 そうしましょう。そうしましょう。
と、おばあさん、かえる。
こども5 ぼくたち、ももたろうの せかいに、きてしまったのかなあ。
こども6 ももを ふたつに きると、中から、ももたろうが……。
こども7 おぎゃーっ、おぎゃーっ、おぎゃーっ。
こども8 とにかく,おばあさんの あとを ついていってみようよ。
こども全 そうしよう。そうしよう。
と、こども、きえる。そのあとに、おじいさんと、おばあさんが、くる。
おじい2 おばあさん、ずいぶん、おおきなももだねえ。
おじい3 おばあさん。でかした。でかした。
おじい4 あっぱれ。あっぱれ。
おばあ8 さて、ももを、きりましょうか。
ぽち1 ちょっと、まってくださいな。わんわん。
ぽち2 きられたら、しんでしまうよ。わんわん。
ぽち3 どっこいしょ。わんわん。
こども9 あれ、もものなかから、ももたろうが でてくるかとおもったら、 いぬが、でてきたよ。
こども10 ふしぎだなあ。
こども11 これから、いったい、どうなるんだろうか。
ぽち4 ここほれ、わんわん。ここほれ、わんわん。
ぽち全 ここほれ、わんわん。ここほれ、わんわん。
ここほれ わんわん
ここほれ わんわん
じめんの なかは
たからで いっぱい
ふしぎな ゆめで
いっぱいだ
おじい5 ここを ほると、たからが でてくるのか。
と、ほってみる。すると、ほんとうに、たからがでてくる。
たから1 おいらは、こばんだ。ざっくざく。
たから2 おいらも、こばんだ。ざっくざく。
たから3 おいらは、おおばんだ。えっへん。
おじい6 ほんとうに、たからものが でてきたよ。
おじい7 ぽち。でかした。でかした。
おじい8 あっぱれ。あっぱれ。
と、そこへ、となりのじい、となりのばあが、あらわれる。
となりじい1 たからを だす いぬというのは、これかい。
となりばあ1 これかい。
となりじい2 ちょっくら,かしておくれ。
となりばあ2 かしておくれ。
と、ぽちを つれていく。となりのじいばあのいえは、ぶたいのひなだんのひだりすみあたりにきめておいて、いちいち出入りをしないほうがいい。
となりじい3 さあ、ぽち、はやく たからものを だせ。
となりばあ3 だせ。
となりじい4 ださないと、くびをちょんぎるぞ。
となりばあ4 ちょんぎるぞ。
ぽち、しかたなく、うたを うたう。
ここほれ わんわん
ここほれ わんわん
じめんの なかは
ごみらで いっぱい
きたない ごみで
いっぱいだ
と、ごみが、いっぱい でてくる。
ごみ1 おいらは、うしの うんちくん。もおーっ、ぺったん。
ごみ2 おいらは、うまの うんちくん。ひひーん、ぺったん。
ごみ3 おいらは、ぶたの うんちくん。ぶうぶう、ぺったん。
となりじい4 わあっ、たからものじゃなくって、きたないものが、いっぱいでてきたぞ。
となりばあ4 たすけてくれーっ。
となりじい5 くびを ちょんぎってやる。えいっ。
となりばあ5 えいっ。
と、ぽちは、くびを きられてしまう。
おじい9 ぽちが、しんでしまったから、つちに うめてあげましょう。
おばあ9 おはかを つくってあげましょう。
おじいさんと、おばあさんが、ぽちを うめて おがんでいると、ふしぎなことに、ぽちを うめたところから、木が、はえてくる。ぽちのかわり木グループの とうじょうである。
1ぼくらは木だ 大きな木だ
ぐんぐんのびる すくすくのびる
ぼくらの足は 大地に根づき
ぼくらの頭は 空までのびる
2ぼくらは木だ 大きな木だ
ぐんぐんのびる すくすくのびる
ぼくらの手から みどりは生まれ
ぼくらのいのちは かけめぐる
かわり木1 ぽちが かわって、木になった。
かわり木2 おおきな おおきな 木になった。
かわり木3 おじいさん
かわり木4 おばあさん
かわり木5 おれいに、たからものを、いっぱい、あげます。
かわり木6 それーっ。
と、たからものが、いっぱい、でてくる。
たから4 おいらは、こばんだ。ざっくざく。
たから5 おいらも、こばんだ。ざっくざく。
たから6 おいらは、おおばんだ。えっへん。
おじい10 ほんとうに、たからものが でてきたよ。
おじい11 ぽち。でかした。でかした。
あっぱれ。あっぱれ。
と、そこへ、となりのじい、となりのばあが、あらわれる。
となりじい6 たからを だす 木というのは、これかい。
となりばあ6 これかい。
となりじい7 ちょっくら,かしておくれ。
となりばあ7 かしておくれ。
と、かわり木を もっていく。
となりじい8 さあ、かわり木、はやく たからものを だせ。
となりばあ8 だせ。
となりじい9 ださないと、火をつけて、もやすぞ。
となりばあ9 もやすぞ。ぼうぼう。
かわり木7 ぽちが かわって、木になった。
かわり木8 おおきな おおきな 木になった。
かわり木9 となりの おじいさん
かわり木10 となりの おばあさん
かわり木11 いじわるをしたから、きたないものを、いっぱい、あげます。
かわり木12 それーっ。
と、ごみが、いっぱい でてくる。
ごみ4 おいらは、うしの うんちくん。もおーっ、ぺったん。
ごみ5 おいらは、うまの うんちくん。ひひーん、ぺったん。
ごみ6 おいらは、ぶたの うんちくん。ぶうぶう、ぺったん。
となりじい10 わあっ、たからものじゃなくって、きたないものが、いっぱいでてきたぞ。
となりばあ10 たすけてくれーっ。
となりじい11 火をつけて、もやしてやる。
となりばあ11 もやしてやる。ぼうぼう。
と、ぽちのかわり木は,もえてしまって、はいになる。
おじい9 かわり木が、もえてしまって、とうとう、はいだけになってしまった。
おばあH はいだけでは、はい、おしまい、ですね。
と、そこへ、どこからともなく、うたごえが、きこえてくる。
はーい はい はい はい はい
はーい はい はい はい はい
はーい はい はい はい はい
はーい はい はい はい はい
しんでしまえば、はい、おしまい。
いきているうちが、はななのさ
はいを なげて、はな さかそう
はいを なげて、はな さかそう
はーい はい はい はい はい
はーい はい はい はい はい
はーい はい はい はい はい
はーい はい はい はい はい
おばあ10 おじいさん、はいを なげてみましょうか。
おじい10 はい、はい。おばあさん、なげてみましょうか。
おじい11 はいよ、はいよ。はな、さかせーっ。
おばあ11 はいよ、はいよ。はな、さかせーっ。
みんな全 はいよ、はいよ。はな、さかせーっ。
はいよ、はいよ。はな、さかせーっ。
と、ふしぎなことに、木のまわりに、はなが、いっぱい さきはじめる。
さむらい1 きれいな はなだなあ。
さむらい2 でかした。でかした。
さむらい3 あっぱれ、あっぱれ。
さむらい4 ほうびに、たからものを、いっぱい やろう。
と、そこへ、となりのじい、となりのばあが、あらわれる。
となりじい12 はなを さかせる はいというのは、これかい。
となりばあ12 これかい。
となりじい13 ちょっくら,かしておくれ。
となりばあ13 かしておくれ。
と、はいを もっていく。
となりじい14 さあ、はい、はやく はなを さかせろ。
となりばあ14 さかせろ。
と、となりのじいさまが、はいを まくと、さむらいの目に、はいってしまう。
さむらい5 わあっ、はいが、目にはいってしまった。
さむらい6 ぶれいものめ。くびを ちょんぎってやる。
さむらいが、となりのじいさんのくびをちょんぎろうとしたとき、子どもたちが時間を止めて、助けに入ります。子どもたちは、「はいで はなを さかせる うた」を歌いながら、会場いっぱいに花をさかせることで、となりのじいさんを助けようとします。ふたたび時間が動き始めたとき、さむらいたちは、きれいな花いっぱいのありさまに感動します。たすかったとなりのじいさんとばあさんは、みんなにあやまります。みんななかよし、ぼくらはなかまで、めでたし、めでたしでおしまいです。
はなさかじいさん はなさんかじいさん
ここほれわんわん ここほったじいさん
むかしばなしは たのしいな
こぶとりじいさん おおぶとりじいさん
シンデレラひめ しんでらあ ひめさん
むかしばなしは たのしいな
うらしまたろう うらしまったろうか
かぎしめたろうか かぎしまったろうか
むかしばなしは たのしいな
したきりすずめ きたきりすずめ
いったりきたり いったきりじいさん
むかしばなしは たのしいな