劇「ぼくらのおばけ大作戦」(25分中高学年)
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●あらすじ
 ぼくたちの学校のとなりにあるおばけ森が、このごろどうも様子がおかしい。サッカーやかんけりをやっていると、おばけがでてきておどかすんだ。ぼくたちはこまった。しかし、おばけたちはもっとこまっていた。おばけ森がなくなるという。おとなたちが、おばけ森をきれいな公園に変えるというのだ。森の木が切られたら、おばけたちは死んでしまう。ぼくたち子どもとおばけは、協力しておばけ森を守ろうと考える。ぼくらのおばけ大作戦の始まりだ。しかし、工事は始まってしまう。木が切られ、おばけたちはバタバタとたおれていく。おばけたちは、最後の手段に、地球の全てを破壊してしまう「あかのまほう」を使い始める。さあ、おばけ森は、地球はどうなるのでしょうか。
 
●劇に出てくる歌
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 おばけのテーマ
 ●開発は未来の夢
 ●赤のまほうのうた
 ●みどりのまほうのうた
 ●フィナーレのうた「地球と手をつなごう」
 
●出る人
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こどもグループ
・その1サッカーグループ
・その2かんけりグループ
おとなグループ
 (例えば、区長さんまたは市長さん、校長先生、教頭先生、
  PTA会長、担任の00先生、00君のお父さん、お母さ
  ん、工事のおじさんなどなど)
おばけグループ
・その1火の玉グループ
・その2かさおばけグループ
ナレーターグループ
(どうでもいいが、いちおう、男ナレーター、女ナレーターといったふんいきで作られている。こどもグループのだれかがやってもいい。)
 
ナレーター1・ぼくらの学校のとなりには、大きな大きな森がある。
・森の名前は、おばけ森という。
・おばけ森は、ぼくらの遊び場だ。
・かくれんぼ、かんけり、おにごっこ。
・あきちでは、サッカーだって、できるんだ。
ナレーター2・おばけ森は、わたしたちのともだちです。
・緑がいっぱいの森の中で遊んでいると、
・わたしたちは、いつだって、たのしくなります。
・うれしくなって、わらってしまいます。
ナレーター3 そのおばけ森が、このごろ、ちょっとへんなんだ。
ナレーター4 おばけ森が、なんだか、おかしいのです。
 
森へ、サッカーグループのこどもたち、やってくる。
こども1 おーい、みんな、サッカー、やろうぜ。(と、リフティングなんかをやってみせるのもいい)
こども2 やろう。やろう。あっちの大きな木と木のあいだが、ゴールだ。
こども3 こっちのゴールは、あのぐにゃっとまがった木のところだ。
こども4 さあ、わかれようぜ。ぐーぱーじゃんだ。
 と、ぐーぱーじゃんで分かれて、サッカーをはじめる。ちょっとやって、ボールがかげにかくれる。と、でてきたサッカーボールが、いつのまにか、火の玉に変わっている。
こども5 うわあーっ、サッカーボールが、火の玉になっちゃった。
こども6 みんな、にげろーっ。(と、こどもたち、ぶたいの上を、どたばたと、にげまわる。いつのまにか火の玉のかずがふえていたりする。)
 こどもたちが、にげていったあとに、火の玉たちがのこる。
おばけ1 おれたちは、火の玉だ。
おばけ2 火の玉だ。
おばけ全 火の玉だ。
おばけ3 ひっひっひっひっ。
おばけ全 ひっひっひっひっ。
おばけ4 では、さようなら。
おばけ全 では、さようなら。
と、火の玉グループがいなくなったところへ、かんけりグループのこどもたち、とうじょうする。
こども7 みんな、かんけりをしようよ。
こども8 うん。しよう。しよう。
こども全 じゃんけんぽんっ!(と、三回ぐらい)
 
こども9 わーいっ、はなこちゃんのおにだ。かくれよう。
こども全 かくれよう。かくれよう。
こども10 あーあっ、おにになっちゃった。さあ、かぞえるよーっ。だるまさんがころんだ。だるまさんがころんだ。だるまさんがころんだ。だるまさんがころ……。
 と、かぞえているところに、かさおばけグループ、とうじょする。
おばけ5 もしもし、こんにちは。
おばけ全 こんにちは。
おばけ6 かさおばけだぞーっ。
おばけ全 かさおばけだぞーっ。
こども11 きゃあーっ、おばけだあーっ。
と、こどもたち、にげて、かさおばけ、のこる。
おばけ7 おれたちは、かさおばけだぞ。
おばけ全 かさおばけだぞ。
おばけ8 かんら、からかさ。かんら、からかさ。
おばけ全 かんら、からかさ。かんら、からかさ。
     わっはっはーっ、わっはっはーっ。
火の玉もあらわれて、かさおばけといっしょになって「おばけのテーマ」をうたいおどる。
 
おばけのテーマ
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おば おば おば おば おばけだぞ
おば おば おば おば おばけだぞ
おじさん おばさん おばけさん
おばけは しなない
ふろうふし
ふしだら ふしまつ じゅうしまつ
ひとつめこぞうに のっぺらぼう
くちさけおんなに はなこさん
おばけでござんす
はい こんにちは
おば おば おば おば おばけだぞ
おば おば おば おば おばけだぞ
おじさん おばさん おばけさん
おばけは しなない
ふろうふし
 
おばけ9 では、さようなら。
おばけ全 では、さようなら。
と、おばけたち、いなくなる。こどもたち、とうじょうする。
こども12 こまったなあ。
こども全 こまったなあ。
こども13 なんで、森におばけなんかが、出るようになったんだろう。
こども14 おばけの、ばかやろう。(と、さけぶ。)
こども全 おばけの、ばかやろう。(と、さけぶ。)
すると、おばけ、あらわれる。じつは、おばけも、こまっている。
おばけ10 こまったなあ。
おばけ全 こまったなあ。
おばけ11 なんで、人間たちは、わしらの森をこわすなんて、いいだしたのだろう。
おばけ全 なんで、人間たちは、わしらの森をこわすなんて、いいだしたのだろう。
おばけ12 にんげんの、ばかやろう。(と、さけぶ。)
おばけ全 にんげんの、ばかやろう。(と、さけぶ。)
こども15 ちょっと、まってよ。おばけさん。
おばけ全 きゃあっ、人間だあーっ。
こども16 こまっているのは、ぼくたち人間のほうだよ。
こども17 どうして、ぼくたちを、おどかすのさ。
こども全 どうして、ぼくたちを、おどかすのさ。
     ぼくたち、もう、森であそべないよ。
こども18 こまったなあ。
こども全 こまったなあ。
おばけ13 いやいや。こまっているのは、わしたち、おばけのほうじゃ。
おばけ14 人間たちは、森をこわそうとしている。
おばけ全 人間たちは、森をこわそうとしている。だから、わしらは、人間が入れないように、おどかしているんだ。悪いのは、人間たちだ。
こども19 森をこわすだって?!
こども20 森がなくなるだって?!
こども全 ほんとうに、森をこわすのかい。ほんとうに、森がなくなるのかい。
おばけ15 ほんとうじゃ、わしらの森の、森の木は、みんな、みんな、きりたおされて、ぜんぶ、なくなってしまうのじゃ。
こども全 えーっ!
 と、こどもたち、びっくりして、すわりこむ。おばけたちも、すわりこむ。そこへ、おとなたち、明るくとうじょうする。
 
おとな1 えーっ、わたしは00区の区長さんであります。わたしは、とっても、とーても、いいことを、おもいつきました。○○小学校のとなりにあるおばけ森は、くらくて、ほんとうに、おばけがでてきそうです。あの森を、公園にかえることにしました。いらない木は、みんな、ちょんぎって、明るいきれいな公園につくりかえるのです。はいっ、みなさん、公園をつくりましょうっ!
 おとなたち、ぱちぱちと、はくしゅをする。
おとな2 えっへん、わたしは、○○小学校の校長先生です。わたしも、区長さんの考えに、だーいさんせいです。こどもたちのために、明るいきれいな公園を、はやく作りましょう。ねっ、教頭先生も、そう思うでしょ。
おとな3 はい、はい。校長先生の、おっしゃるとおりです。だい、だい、だい、だい、だーいさんせいです。公園、ばんざーい!
おとな全 公園、ばんざーい! 公園、ばんさーい!
 と、おとなたち、たいじょうする。おばけと、こども、また立ち上がる。
おばけ16 森の木が、みんな、きりたおされたら、わしらのいのちは、もう、おしまいだ。
おばけ全 わしらのいのちは、もう、おしまいだ。びょうきじゃ、しなない、おばけでも、みどりの森のみどりの木、みんな、きったら、しぬんだよ。しなないおばけが、しぬなんて、ばかな話だ。わらっておくれ。わらっておくれ、こどもたち。
こども21 ちょっと、まって。おばけさん。
こども22 森がなくなったら、ぼくたち、こどもだって、こまるんだ。
こども23 つくられて、きめられた公園よりも、おばけ森のほうが、ずーっとずーっと、おもしろいよ。
こども24 ねえっ、みんな、おばけたちといっしょに、このおばけ森をまもろうよ。
こども全 そうだ。おばけ森をまもろう。ぼくらのおばけ大作戦のはじまりだ。と、こどもたちとおばけたち、ぶたい中央で何やら相談をはじめる。
こども25 ぼくらのおばけ大作戦、その1。
こども・おばけ全 おばけ大作戦、その1。区長さん、火の玉おばけでおおあわてのまき。さあ、火の玉おばけのしゅっぱつだ。
と、みんな、たいじょうする。区長さん、出てくる。
おとな4 あーあっ、ねむい、ねむい。区長さんは、たいへんだ。あしたは、公園をつくる会議があるから、きょうは、もう、ねるとしよう。ぐーっ、ぐーっ。
 そこへ、火の玉おばけの、とうじょうだ。
おばけ17 学校のとなりのおばけ森の木を、ちょんぎるなーっ。
おばけ18 おばけ森をちょんぎると、火事になるぞーっ。
おばけ全 火事になるぞーっ。
おとな5 わあーっ、あつい。あつい。火事だ。火事だ。あれっ、あれっ、なんだ。ゆめか。ぐーっ、ぐーっ。
こども26 ぼくらのおばけ大作戦、その2。
こども・おばけ全 おばけ大作戦、その2。校長先生、教頭先生、雨でびしょびしょ、ずぶぬれのまき。さあ、かさおばけのしゅっぱつだ。
 と、みんな、たいじょうする。校長先生、教頭先生、出てくる。
おとな6 あーあっ、小学校の校長も、なかなか、たいへんな仕事でつかれるなあ。ねっ、教頭先生も、そう、思うでしょ。
おとな7 はいはい。校長先生のおっしゃるとおりです。はい、つかれます。つかれます。とーっても、つかれます。
おとな8 あしたは、おばけ森の木をみーんなちょん切って、公園につくりかえる会議があるから、たいへんだ。ちょっと、休むことにしよう。ぐー、ぐー、ぐーっ。
おとな9 そうですね。わたしも、休みましょう。ぐー、ぐー、ぐーっ。
 そこへ、かさおばけの、とうじょうだ。
おばけ19 学校のとなりのおばけ森の木を、ちょんぎるなーっ。
おばけ20 ちょんぎると、大雨になるぞーっ。
おばけ全 大雨になるぞーっ。ざあ、ざあ、ざあっ。ざあ、ざあ、ざあっ。
おとな10 わあーっ、あめだ。あめだ。大雨だ。こうずいだ。たいへんだ。
おとな11 びしょぬれだあ。びしょぬれだあっ。
おとな全 なんだ。ゆめか。ぐーっ、ぐーっ、ぐーっ。
 と、どたばたのうちに、くらくなる。明るくなると、そこは、すでに「おばけ森を公園にかえる会議」の会議場である。
おとな12 えーっ、しずかにしてください。これから、おばけ森の木をぜーんぶ、ちょんぎって、公園をつくるための会議をはじめます。はじめに、区長さんから、おねがいします。
おとな13 えーっ、じつは、わたしは、いま、ねぶそくで、とーっても、つかれています。とーっても、ねむいです。
おとな14 はいっ。(と、手をあげて、まるで意見をいうように)わたしも、とーっても ねむいです。
おとな15 はい。わたしは、きのう、とーっても、へんなゆめをみました。
おとな16 わたしも、みました。おばけ森の木を切ると、火事になって、やけどをするんです。あつい、あつい、あつい。たすけてくれーっ。もう、たいへんでした。
おとな17 わたしは、大雨のゆめを見ました。もう、びしょぬれで、ぶるぶるです。あーっ、さむい。さむい。たいへんでした。
おとな18 これは、おばけ森の木を切らないほうがいいということなのだろうか。
おとな全 おばけ森の木は切らないほうがいいのだろうか。
こども27 そうです。
こども全 そうです。おばけ森は、ぼくたちの遊び場です。おばけ森の木を切らないでください。
おばけ21 わしらの森の木をきらないでくだされ。
おばけ全 わしらの森の木をきらないでくだされ。
おとなR うーむ。
おとなS うーむ。
おとな21 うーむ。
おとな22 どうしようかと、かんがえる。
おとな23 どうしようかと、頭をひねる。
おとな24 どうしようかと、首をひねる。
とな25 やっぱり、公園をつくろう。
おとな全 やっぱり、公園をつくろう。むかし、ちきゅうは、ただの原っぱ。ただの森。なにもなかった。人間たちははたらいた。つちをたがやし、はたけをつくり、町をつくった。人間たちは、ちきゅうをつくりなおした。道をつくり、くるまをつくり、ひこうきをつくった。 開発は未来の夢。わしらの夢だ。やっぱり、公園をつくろう。
 
開発は未来の夢
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かいはつは みらいの ゆめ
かいはつは みらいの ゆめ
わしらの わしらの ゆめ
むかし ここは ただの はらっぱ
なにも なかった
つちを  たがやし
はたけを つくり
まちを つくって
がっこうを つくった
こうそくどうろは せかいを かえた
まちを つなげ
せかいを つなげ
みらいを つなげた
ファミコン パソコン レーザーディスク
クーラー エアコン げんしりょく
かいはつは みらいの ゆめ
わしらの ゆめ
そういう みらいに
すすめ すすめ すすめ
 
かいはつは みらいの ゆめ
かいはつは みらいの ゆめ
わしらの わしらの ゆめ
むかし ここは ただの いけ
なにも なかった
みずを  かいだし
たんばを つくり
まちを つくって
ビルディング つくった
こうそくどうろは せかいを かえた
まちを つなげ
せかいを つなげ
みらいを つなげた
ファミコン パソコン レーザーディスク
クーラー エアコン げんしりょく
かいはつは みらいの ゆめ
わしらの ゆめ
そういう みらいに
すすめ すすめ すすめ
かいはつは みらいの ゆめ
かいはつは みらいの ゆめ
わしらの わしらの ゆめ
 
うたいおわると、会議場はいつのまにか工事現場にかわり、おとなたちも工事のおじさんたちにかわっている。
おとな26 さあ、工事をはじめるぞ。
おとな27 オーライ、オーライ、オーライ。
おとな28 おーい、この木をきりたおすぞ。みんな、手をかしてくれーっ。
おとな全 そうれ。よいしょ。よいしょ。
おばけ22 あっ、いたい。あれは、わたしの木だ。ああ、もうだめだ。ばたっ。
おばけ23 あーっ、わたしの木も切られる。ばたっ。
おばけ24 えーいっ、こうなったら、しかたがない。さいごのしゅだんだ。みんな、あかのまほうをつかおう。
おばけ25 あかのまほうを つかうのか。
おばけ26 あかのまほうは せかいをこがす。すべてのものをやきつくす。そんなまほうをつかうのか。
おばけ27 みんな、あかのまほうをつかおう。あーっ、わしの木も切られていく。ばたっ。
おばけ全 あかのまほうをつかおう。
     あかのまほうをつかおう。
     世界が真っ赤にもえるとき、
     ひとのいのちもきえていく。
     もえろ。もえろ。
     真っ赤にもえろ。
 
赤のまほうのうた
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ゆうやけのあか あさやけのあか
おさるのおしりは まっかっか
まっかないつわり うそはっぴゃく
せかいが まっかに もえるとき
みどりの もりが もえるんだ
ひとの いのちも きえていく
もえろ もえろ まっかに もえろ
もえろ もえろ まっかに もえろ
ヒュー ババン ババン ババン
 
ドドン ドドン ドンドンドン
ゆうやけのあか あさやけのあか
おさるのおしりは まっかっか
 
おとな29 うわーぁっ、これは、どうしたことだ。森がもえている。
おとな30 おばけ森がまっかにもえている。あつい。あついよう。
おとな31 たすけてくれーっ。
と、おとなたち、くるしむ。見かねたこどもたち、たちあがり、さけぶ。
こども28 おばけのみなさーん。おとなたちを、たすけてください。ゆるしてください。
こども29 このままでは、おばけ森も、おとなたちも、みんな、もえてなくなってしまう。
こども30 こわいよう。こわいよう。
こども全 こわい。こわい。あかのまほう。すべてのものがもえていく。すべてのものがきえていく。ひろしま、ながさきにおちたげんばくの光とほのお。ばくだんが雨あられとおとされた東京大空襲。火の海になった江東区。水爆実験の死の灰をあびた第五ふくりゅう丸。ぼくらにんげんは、どこまでちきゅうをこわせば、気がすむのか。どこまでちきゅうをよごせば、気がすむのか。
こども31 おばけのみなさん。あかのまほうをとめてください。
 
●これから
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 こどもたちにたのまれたおばけたちは、あかのまほうをとめて、みどりのまほうの時間を作り始めます。森の木々は生き返り、鳥はうたいはじめます。きれいな空気をすって、おとなたちは、森の木を切ろうとしていた自分たちのまちがいに気がつきます。ぼくたちの学校のとなりに、おばけ森は今までどおり残りますが、ちょっとだけ変わったことがあります。それは、もうおばけが出てきても、だれもこわがらなくなってしまったことです。ここで、ぼくらのおばけ大作戦はおわりです。めでたし、めでたし。
 
みどりのまほうのうた
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ゆうやけの あかのむこうは あおいそら
あさやけの あかのむこうは しろいくも
むかし ちきゅうは あおかった
むかし ぼくらは いきていた
みどりの木 みどりの川 みどりの空気
あおいそら あおいうみ ぼくらのいのち
ゆうやけの あかのむこうは あおいそら
あさやけの あかのむこうは しろいくも
 
フィナーレのうた「地球と手をつなごう」
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なんにもない うちゅうの かたすみに
ちっぽけな ちっぽけな
ちきゅうが うまれた
なんにもない ちきゅうの かたすみに
ちっぽけな ちっぽけな
にんげんが うまれた
 
むかし
おばけと にんげんは
ともだちだった
むかし
にんげんと もりは
ともだちだった
もりは 生きていた
おばけも生きていた
ある日
にんげんは
森を こわし
山を くずし
川を せきとめ
海を よごした
にんげんは もう おばけと であえない
にんげんは もう いのちと であえない
ぼくたちは もういちど おばけとともだちに
わたしたちは もういちど ちきゅうと手をつなごう
ぼくたちは もういちど おばけとなかよしに
わたしたちは もういちど ちきゅうと手をつなごう
ラララララ ラララ
ぼくらは みどりの もりと もりと
ともに ともに いきる
アー アー
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