げき「したきりすずめ」(15分低中学年)
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●あらすじ
 昔話なので、あらすじをいうこともないのですが、おじいさんが、したきりすずめのおやどをたずねていくときに、うまあらいどん、うしあらいどんと、かけあいの歌をやって進んでいくところが、おもしろいところでしょうか。さいごに、おばけも出てくるのですが、むりやりに、みんな、なかよしにして、おわりにしてしまいました。
 
●劇に出てくる歌
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 むかしばなしのはじまりのうた
 のりのうた
 したきりすずめをさがすうた
 うまあらいどんのテーマ
 うまあらいどんとおじいのかけあいのうた
 うしあらいどんのテーマ
 うしあらいどんとおじいのかけあいのうた
 おばけのテーマ
 フィナーレのうた
 
●出る人
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おじいさんグループ
おばあさんグループ
したきられすずめグループ
うまあらいどんグループ
うしあらいどんグループ
おばけ・たからグループ
子どもグループ
 
むかしばなしのはじまりのうた
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ぼうや
よいこか わるいこか
いまは むかしの つづきだけれど
むかしは いまの つづきではない
つづいているのは むかしのはなし
ずっと ずっと むかしのはなし
さて!
むかし むかし あるところに
じんじと ばんばと おったとさ
じんじは やまへ しばかりに
ばんばは かわへ せんたくに
まいど おなじみ ごくろうさん
むかしばなしの はじまりだ
おもしろかったら わらっておくれ
つまらなかったら ねておくれ
わっはは わっはは ぐーぐーぐー
わっはは わっはは ぐーぐーぐー
 
こどもたち、くるくる、きりきりと、まるで たつまきに まきこまれたみたいに、あらわれる。
こども1 わーーあっ
こども2 わあっ。(と、たおれる)
こども全 わあっ。(と、たおれる)
こども3 あーっ、いたかった。ここは、どこだろう。
こども4 しーっ、だれかくるぞ。
こどもたち、ぶたいのはじっこに、小さくなって、かくれて、ようすを見る。と、そこへ、おじいグループと おばあグループが、あらわれる。
おじい1 おばあさん、おばあさん。わしは、これから、山へ しばかりに
いってくるよ。
おばあ1 あいよ、おじいさん。いっておいで。わたしは、かわへ せんたくに いかないで、のりを つくっているよ。
おじい全 じゃあ、いってくるよ。(と、おじい、いく)
おばあ全 はいよ。いってらっしゃいな。
おばあ2 さて、のりでも、つくろうか。
 
のりのうた
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ごはんを たべたら、ごはんが のこった。
のこり ごはんは、すてたら、そん、そん。
いっぱいめの ごはんは、
つぶして、まるめて、
おいしい、おいしい、おだんごさん。
おだんご、ころころ。あなのなか
にはいめの ごはんは、
ぐっちゃら、ぐちょぐちょ
ぐっちゃら、ぐちょぐちょ のりづくり
ぐっちゃら、ぐちょぐちょ、ぐっちゃらこ。
ぐつぐつ ぐつぐつ ぐつぐつぐつぐつ
のりっこ、にえろ。のりっこ、にえろ。
できた。
 
おばあ3 さあ、のりが、できた。
おばあ4 あっちに いって、すこしやすもう。
と、おばあが、いく。そこへ、すずめ、あらわれる。
すずめ1 わあ、おいしそうな のりが あるぞ。ちゅん、ちゅん。
すずめ2 みんなで、たべようよ。ちゅん、ちゅん。
すずめ3 ぺろぺろ、ぺろり。これは、おいしい。ちゅん、ちゅん。
すずめ4 むしゃ、むしゃ、むしゃ。これは、おいしい。ちゅん、ちゅん。
こども全 あーっ、せっかく、おばあさんが、つくったのに、みんな、なめちゃった。いけないんだー。
と、そこへ、おばあさんが、もどってくる。
おばあ5 わっ、すずめのやつ。せっかく、つくったのりを みんな、なめてしまったな。
おばあ6 したを きってやる。
すずめ5 いてて。いてて。ちゅん、ちゅん。
おばあ7 はねを おってやる。
すずめ6 いてて、いてて。ちゅん、ちゅん。
おばあ8 あしを おってやる。
すずめ7 いてて、いてて。ちゅん、ちゅん。
おばあ9 くびを おってやる。
すずめ8 いてて、いてて。ちゅん、ちゅん。
すずめ9 いたいよう。いたいよう。
すずめ10 ぼくたち、ないちゃうよーっ。えーん、えーん。
すずめ全 いたいよう。いたいよう。えーん、えーん。
と、すずめたち、なきながら、かえっていく。
そこへ、おじいさん、あらわれる。
おじい2 おばあさん、いったい、どうしたのだね。
おばあ全 すずめが、のりを たべたから、したをきって、はねをおって、あしをおって、くびをおって やったのさ。
おじい3 わあ、それは、かわいそうだ。
おじい4 わたしが、すずめのところに、あやまりに、いってこよう。
こども5 そうか。ぼくたち、「したきりすずめ」のおはなしのせかいに きているんだ。
こども6 おじいさんの あとを ついていこう。
おじい5 おーい、したきりすずめ、おうちは、どこだ。
 
したきりすずめをさがすうた
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したきりすずめ どっちゃ いった。
こいこいこい。
したを きられて いたかろな
こいこいこい。
たんぼを こえて
たけやぶ こえて
じんじの ところへ
やってこい
したきりすずめ どっちゃ いった。
こいこいこい
 
と、うまあらいどん、あらわれる。うたいながら、うまをあらう。
 
うまあらいどんのテーマ
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おいらは うまあらい
 ごっしごしごっしごし
うまく あらうよ
 ごっしごしごっしごし
まいにち あらうよ
 ごっしごしごっしごし
いつでも あらうよ
 ごっしごしごっしごし
もう やめたいよ
 ごっしごしごっしごし
おいらは うまあらい
 ごっしごしごっしごし
 
うまあらいどんとおじいのかけあいのうた
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おじ うまあらいどん、うまあらいどん。
   すずめの おうちを おしえておくれ。
うま ほいきた。おしえて、あげようか。
   ごっしごし ごっしごし。
おじ それは うれしい。ありがたい。
うま うまのあらいじるを、三ばい のんだら、
   おしあてあげるよ。
   ごっしごし ごっしごし
おじ のみましょう。のみましょう。
   それっ。
   ごっくんこ。
うま おつぎは 2はいめだ。
   ごっしごし。ごっしごし
おじ のみましょう。のみましょう。
   それっ、
   ごっくん、ごっくんこ
うま さいごの 3ばい のめるかな
おじ のみましょう。のみましょう。
   それっ、
   ごっくん、ごっくん、ごっくんこ。
   ふう、やっと、のめた。
 
こども7 うまのあらいじるなんて、きたないな。ぼくだったら、ぜったいにのまないな。
こども8 なんで、おじいさんは、うまのあらいじるなんかを のんだんだろう。ふしぎだなっ。
こども9 きっと、それだけ、すずめに、あやまりたいという きもちが つよかったんだよ。
うまあらい1 それでは、おしあてあげるよ。ごっしごし。
うまあらい2 あっちにいくと、うしあらいどんがいる。ごっしごし。
うまあらい3 そのさきは、うしあらいどんに きいておくれ。
こども全 ありがとう、うまあらいどん。さようなら。
 
じかんがあったら「したきりすずめをさがすテーマ」を、また、うたう。
と、うしあらいどん、あらわれる。うたいながら、うしをあらう。
 
うしあらいどんのテーマ
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おいらは うしあらい
 うっしうしうっしうし
わらって あらうよ
 うっしうしうっしうし
まいにち あらうよ
 うっしうしうっしうし
いつでも あらうよ
 うっしうしうっしうし
もう やめたいよ
 うっしうしうっしうし
おいらは うしあらい
 うっしうしうっしうし
 
おじい7 うしあらいどん、うしあらいどん。すずめの うちを おしえてお     くれ。
うしあらい1 すずめの うちかい。おしえてあげても、いいけど、めんどう       くさいなあ。うっしうし。
うしあらい2 うしのあらいじるを、三ばい のんだら、おしえてあげるよ。       うっしうし。
おじい8 のみましょう。のみましょう。
こども10 ちょっと、まってよ。そんなに のんだら、おなかを こわしちゃうよ。
おじい9 あいたたたっ。あいたたたっ。おなかが、きゅうに、いたくなってきたぞ。
こども11 ちょっと、まってね。おじいさん。いま、くすりを あげるからね。えーっと、ビオフェルミンと、せいろがんと、ゴホンといったら、りゅうかくさんは、かぜぐすり。
うしあらい3 しかたがない。それならば、なぞなぞだ。
 
うしあらいどんとおじいのかけあいのうた
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うし なぞなぞ、だすぞ。よういは、いいか。
   いいか。わるいか。いるかは、いるか。
   うっしし、うっしし。うっしうし。
おじ よういは、いいぞ。さっさと、だしな。
   つのだせ。やりだせ。なぞなぞ、だしな。
うし なぞなぞ、だすぞ。よういは、いいか。
   いいか。わるいか。いるかは、いるか。
  「せんにんの こどもが おてて つないで
   つなひきを しているよ」
   なーんだ。
おじ これは、こまった。わからない。
   わからないから、こたえがない。
うし うっしし、うっしし。うっしうし。
おじ つなひき、あせかき、いとをひき
   わかった。こたえは「なっとう」だ。
 
こども12 ぼくは、なっとう、だいすきだよ。きみは、どうだい。
こども13 ぼくは、ちょっと、あのねばねばが、にがてだな。
こども14 あなたたち、なにを はなしているの。おじいさんが、いっちゃうわよ。
うしあらい4 すずめの うちは、むこうの たけやぶの中にあるよ。
おじい全 ありがとう、うしあらいどん。さようなら。
うしあらい全 おじいさん、さようなら。うっしうし。
 
と、おじいさん、あるいていく。じかんがあったら「したきりすずめをさがすテーマ」を、また、うたう。すずめのうちがある。
 
おじい9 やっと、すずめのうちに ついたぞ。
おじい10 おーい、したきりすずめ。でておいで。
すずめ11 はーい。おじいさん、よく、いらっしゃいました。
すずめ全 よく、いらっしゃいました。
おじい11 おばあさんが、したを きったりして、ごめんなさい。
おじい全 ごめんなさい。すみません。ゆるしてください。
すずめ12 もう、なおったから、へいきです。ごちそうを いっぱい たべてください。
おじい全 むしゃむしゃむしゃ、ぱくぱくぱく。むしゃむしゃむしゃ、ぱくぱくぱく。あーっ、もう、はらいっぱいだ。
すずめ13 おじいさん、おみやげに、つづらを あげます。
すずめ14 大きいつづらと、小さいつづらと、どっちがいいですか。
と、すずめが、つづらを もってくる。
おじい12 わしは、おとこで、ちからもちだから、大きいつづらにしよう。
こども15 ちょっと、まって。ちょっと、まって。
こども16 おじいさんは、小さいつづらだよ。
おじい13 だれだい。おまえたちは。まあ、いいか。小さいつづらを もらっ     ていこう。
おじい全 さようなら、すずめさん。
すずめ全 さようなら、おじいさん。
おじい14 おばあさん、おばあさん、すずめに おみやげを もらったよ。
おばあ10 あけてみましょう。
 
と、中から、たからものが,いっぱいでてくる。ものでもいいし、人がたからをやって、たからみたいに、うごいてもいい。そのばあいは、「おいらは、こばんだぞ」とか「わたしは、くびかざりよ」なんていうせりふを入れても、おもしろい。
おじい・あばあ全 わあ、たからものだ。たからものだ。ばんざーい。ばんざーい。
おばあ11 わたしも、たからを もらってこよう。
と、おばあさん、でかける。もしじかんがあったら、フィルムのはやおくりみたいに、うまあらいどんと、うしあらいどんを やってもいい。とにかく、あっと いうまに、すずめのいえに つく。
おばあ12 やっと、すずめのうちに ついたぞ。
おばあ13 おーい、したきりすずめ。でておいで。
すずめ15 おばあさん、よく、いらっしゃいました。
おばあ14したを きったりして、ごめんなさい。
おばあ全 ごめんなさい。すみません。ゆるしてください。
すずめ16 もう、なおったから、へいきです。ごちそうを いっぱい たべてください。
おばあ全 むしゃむしゃむしゃ、ぱくぱくぱく。むしゃむしゃむしゃ、ぱくぱくぱく。あーっ、もう、はらいっぱいだ。
すずめ17 おばあさん、おみやげに、つづらを あげます。大きいつづらと、小さいつづらと、どっちがいいですか。
と、すずめが、つづらを もってくる。
おばあ15 わたしは、おんなで、ちからがないから、小さいつづらにしよう。こども17 ちょっと、まって。ちょっと、まって。
こども18 おばあさんは、大きいつづらだよ。
おばあ15 だれだい。おまえたちは。まあ、いいか。大きいつづらを もらっていこう。
 
●これから
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 さて、このあと、おおきなつづらをもらったおばあさんは、帰るとちゅうで、つづらの中から出てきたおばけにおそわれます。昔話では、ここで、おばあさんは殺されて、はいおしまいですが、ここでは、現代から来た子どもたちがおばけたちに、おばあさんを殺さないようにたのみます。おばけも、ほんとうは人間となかよくなりたかったんだといって、おばあさんにたからものをたくさんあげます。みんななかよしで、めでたしめでたしのおしまいです。
 
おばけのテーマ
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へーい、おばっけい
やーい、おばっけい
おばけの たたりは でたらめだ
ひとつめ ふたつめ みつめに がちゃめ
よつめに よりめに よわりめ たたりめ
おばけの たたりは こわいぞう
 
へーい、おばっけい
やーい、おばっけい
おばけの たたりは でたらめだ
おおぞう こぞうに うぞうに むぞう
ぞうきん かぶせて どろんぱっ きえるぞう
おばけの たたりは こわいぞう
 
へーい おばっけい
やーい おばっけい
おばけの たたりで
しんじゃうぞ
 
フィナーレのうた
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むかしばなしの したきりすずめ
ほんとは ばあさん よくばりで
大きな 大きな つづらを あけて
でてきた おばけに ころされる
だけど、ぼくらは
そんな おはなし へのかっぱ
ぼくらの つくる したきりすずめ
じいさん ばあさん いい人で
したきりすずめも しんせつで
でてきた おばけは やさしいぞ
ひとつめこぞうと あくしゅを すれば
せかいが ひとつに みえてくる
のっぺらぼうと にらめっこ すれば
いつまでたっても おわらない
ぼくらは つくる みらいの はなし
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