小さな小さなまほうつかいたちの大きな大きなぼうけんの話」(15分〜20分低中学年向き)

●あらすじ
まほうつかいの子どもたちが、ほんもののまほうつかいになるために「ブロッケン山」のてっぺんにある「月の石」をとりに行く話です。
小さな小さなまほうつかいたちは、それぞれ「ぼうし」「つえ」「マント」を先生からもらって、ぼうけんの旅に出ます。
とちゅう、さんぞくや火のりゅうに出会いますが、それぞれ、まほうのぼうしとつえをつかって、きりぬけます。
さあ、最後の難関は、ぶくぶくです。水におぼれて助けを呼んでいるぶくぶく。
助けるためにまほうのマントを使ってしまったら、ブロッケン山のてっぺんにある月の石はとれません。
 さあ、どうしましょう。
  ●出てくる歌のリスト




 
1.小さな小さなまほうつかいのうた 6.まほうのつえのうた
2.すすめ、ブロッケンへ 7.ぶくぶくのうた
3.さんぞくのうた 8.まほうのマントのうた
4.まほうんぼうしのうた 9.おしまいのうた
5.りゅうのリズム  
 
●出る人
まほうつかいの先生
ぼうしのまほうつかい
つえのまほうつかい
マントのまほうつかい
さんぞく
りゅう
ぶくぶく

※それぞれの役は一〜十人ぐらいのはんいでてきとうにきめる。
ひとりならば「ぼうしのまほうつかい」、ふえたらば「ぼうしのまほうつかいグループ」といったぐあいにかんがえればいい。
 せりふは、とおしばんごうになっているので、にんずうがふえたら、わけあえばいい。つまり、5人〜100人ぐらいでやれる、たのしいげきなのだ。
 さて、げきのはじまり。まほうつかい(といっても、まだみならいのこどもたち)がとうじょうして、おどり、うたい、さわいでいる。
ここは、まほうつかいの学校のきょうしつ(といっても、つくえもいすもない、ただの森の中のあきち)。

小さな小さなまほうつかいのうた 冒頭へ戻る
ぼくらは、小さなまほうつかい
小さな小さなまほうつかい
ぼくらのとしはまだわかい
たったのたったの五百さい
でも、まだ、たまごだぞ
まほうつかいのたまごだぞ
まほうのじゅもんはまだおぼえたて
エロイム、エロイム、エッサッサ
エロイム、エロイム、エッサッサ
アシ、バリ、ビリ、スト、エーホ
アシ、バリ、ビリ、スト、エーホ
ムームー、フガフガフッ

まほうつかい1 わーい、わーい。空をとぶぞーっ、空をとぶぞーっ。
 と、ほうきにまたがりながら、はしる。
まほうつかい2 ぜんぜん、空、とんでないよ。
まほうつかい3 エロイム エロイム エッサッサ、エロイム エロイム エッサッサ。
 と、そこへ、まほうつかいの先生、とうじょうする。
まほうの先生 まあ、なんです。みなさん、しずかにしなさい。
まほうつかい全 わあっ、先生だ。
 と、みんな、せんせいのまわりにあつまって、すわる。
まほうの先生 みなさん、とうとう、まほうつかいのがっこうの、べんきょうも、きょうで、さいごになりました。
まほうつかい全 わあーい!
まほうの先生 しっ、しずかにしなさい。ほんとに、あなたたちは、うるさいんだから。
こんど、おしゃべりをした人は、かあかあからすのエサにしてしまいますよ。わかりましたか。
まほうつかい全 はーい!
まほうの先生 さて、まほうつかいがっこうの、さいごのべんきょうは、ブロッケン山のてっぺんにある《月の石》をもってくることです。
まほうつかい4 えーっ! ブロッケン山だって。
まほうつかい全 えーっ! ブロッケン山だって。
まほうつかい5 こわいなあ。
まほうつかい全 こわいなあ。
まほうつかい6 ブロッケン山って、さんぞくがいるんだよ。
まほうつかい全 さんぞくがいるんだよ。
まほうつかい7 大きな大きなりゅうも、いるんだよ。
まほうつかい全 りゅうも、いるんだよ。
まほうつかい8 いくの、やめようか。
まほうつかい全 いくの、やめようか。
まほうつかいの先生 えへんっ、えへんっ。
 と、せきばらいをしてから、
まほうつかいの先生 みなさん、先生が、みなさんに、いいものをあげます。
   ひとつ、まほうのぼうし。おどりだしたらとまらない。(と、かぶって、おどってみる)
  ふたつ、まほうのつえ。なんでも、はんたいになる。
まほうつかい9 おなかがすいたなあ。もうぺこぺこだ。
 先生が、つえを、くるっとまわす。
まほうつかい9 あーっ、おなかいっぱいだ。もう、たべたくないよ。
まほうつかいの先生 みっつ、まほうのマント。空をとべます。
と、空をとんでみせる。
まほうつかい全 わあっ、すごいなあ。
まほうつかいの先生 しーっ、しずかに。みなさん、ここにあるものを、ひとつだけ、みなさんにあげます。
ただし、みなさんが、まほうを、つかえるのは、いちどだけです。いいですか。いちどだけですよ。
さあ、みなさん、じぶんのほしいものを、ひとつだけとりにきてください。
まほうつかい全 わあーっ!
まほうつかい10 ぼくは、まほうのぼうしがいいや。
まほうのぼうし、おどれよ、おどれ。
まほうつかい11 そんなものより、まほうのつえのほうが、ずーっといいよ。
はらぺこ、はらいっぱい。はらぺこ、はらいっぱい。わーい!
まほうつかい12 ぼくなんか、まほうのマントだぞ。ふーわ、ふーわ、わーい!
まほうつかい13 さあ、みんな、ブロッケン山へ、しゅっぱつだ。
まほうつかい全 ブロッケン山へ、しゅっぱつだ。
 と、まほうつかいたち、それぞれ、まほうのぼうし、つえ、マントをもって、うたい、おどり、あるきはじめる。

すすめ、ブロッケンへ  冒頭へ戻る
すすめ、ブロッケンへ、ぼくらのゆめさ
青い空、白い雲、緑の森をこえて、すすむ
ぼくらはすすむ、みんなとすすむ
ぼくらはみんな、手と手をつなぎ
頭をつなぎ、足をつなぎ、心をつなぎ
力を合わせて、未来をつなぐ
すすむ、すすむ、未来へ、すすむ
すすめ、ブロッケンへ、ぼくらのゆめさ
青い空、白い雲、緑の森をこえて、すすむ

さんぞく1 おい。
さんぞく2 おい、おい。
さんぞく3 ここは、とおさないぞ。
さんぞく全 ここは、とおさないぞ。
さんぞく全 みぐるみ、ぬいで、おいていけ
 と、みえをきってから、うたい、おどる。

さんぞくのうた  冒頭へ戻る
いち、にい、さん、しい、さんぞく
ごお、ろく、しち、はち、さんぞく
いっそく、にそく、さんぞく
いっそく、にそく、さんぞく
おいらはさんぞく、いっそく、にそく
おいらの心はかぜまかせ
おまかせ、ごまかせ、かねをだせ
いのちも、ついでに、もらおうか
いち、にい、さん、しい、さんぞく
ごお、ろく、しち、はち、さんぞく
いっそく、にそく、さんぞく
おいらはさんぞく、いっそく、にそく

さんぞく全 やい、かねを出せ。
おい、かねを出せ。
まほうつかい14 きゃーっ! さんぞくだ。
まほうつかい15 たすけてーっ!
まほうつかい全 たすけてーっ!
さんぞく全 やい、かねを出せ。おい、かねを出せ。
 と、さらに、せまる。そこへ、ぼうしのまほうつかい、すすみ出る。
まほうつかい16 まて、さんぞく。ぼうしのまほうをみせてやる。
さんぞく全 ぼうしのまほうだと。わっ、はっ、はっ! わっ、はっ、はっ!

まほうのぼうしのうた 冒頭へ戻る
まほうのぼうしよ、出ておいで
まほうのぼうしよ、出ておいで
くるり、くるり、おどりだせ
とんぱら、ぴんぱら、おどりだせ
おどる、あほうに、見るあほう
おなじあほなら、おどらにゃ、そんそん
とんぱら、ぴんぱら、とんぱらぴん
とんぱら、ぴんぱら、とんぱらぴん
エロイム、エロイム、エッラッサ
エロイム、エロイム、エッラッサ

さんぞく4 あっ、これは、なんだ。足が、かってに、うごきだすぞ。
さんぞく5 手も、ひとりでに、うごいてしまう。
 さんぞくたち、とんぱら、ぴんぱら、とんぱらりんと、おどりだす。
さんぞく全 たすけてくれーっ! とんぱり ん。とめてくれーっ! とんぱらりん。
まほうつかい17 さあ、このまに、先にすすもう。
 と、まほうつかいのこどもたち、きゃくせきへおりて、一しゅうして、ぶたいへもどる。
と、そこには、こんどは、大きな大きなりゅうがいる。りゅうは、さけび、おどる。
りゅう全  やい、まほうつかいの子どもたち、どこへいく。ここは、とおさないぞ

りゅうのリズム  冒頭へ戻る
火のりゅうは、どろどろぱちぱち
火のりゅうは、ぐるぐる、こがす
北のオオクマ 南のサソリ
りゅうに力を あたえたまえ
東のまんげつ 西の三日月
りゅうに心を あたえたまえ
ドドロ、ドドロンド、ドドロンブ、ドンバ
ドドロ、ドドロンド、ドドロンブ、ドンバ
あーあーあー

りゅう  やい、まほうつかいの子どもたち、
おれさまは、いま、はらぺこのぺこぺこだ。
おまえを、たべちゃうぞーっ!
 と、りゅうはまほうつかいの子どもたちにおそいかかる。
つえのまほうつかい、まえにでてきて、うたい、おどる。
まほうつかい18 大きな大きな、はらぺこりんのはらぺこりゅうさん。
まほうのつえをしらないかい。それーっ!

まほうのつえのうた  冒頭へ戻る
はらぺこりゅうは はらがいっぱい
雨は下から上にふり
西にのぼった、お日さまが
東の空に、しずんでく
夏はさむくて、冬あたたかい
世の中、へいわで、
せんそうなんか どこにもない
まほうのつえを、ひとふりすれば
ぼくらはいつも、しあわせさ
クルリ、リルク、クルリ、リルク

りゅう  わおーっ、たべちゃうぞーっ。はらいっぱいだ。
わおーっ、たべちゃうぞーっ。はらいっぱいだ。
へんだなあ。なんにもたべていないのに、はらいっぱいだ。
まほうつかい全 大きなりゅうさん、さようなら
りゅう  ああ、さようなら。
まほうつかいの子どもたち。
 と、子どもたち、また、うたい、おどりながら、きゃくせきをまわる。
ぶたいにもどってくると、そこは、大きな川。ぶくぶくが、おぼれている。
ぶくぶく たすけてくれ。ぶくぶく。
たすけてくれ。ぶくぶく。
まほうつかい19 あっ、人がおぼれている。
まほうつかい全 人がおぼれている。

ぶくぶくのうた  冒頭へ戻る
おいらは ぶくぶく、いつでも ぶくぶく
およげないのに水の中
百年たっても千年たっても
つめたい つめたい つめたい つめたい
水の中
ひとりぼっちの、ぶくぶくを
だれかだれか、たすけてくれないか
ぶっくぶく、たすけてくれ
ぶっくぶく、たすけてくれ
ぶくぶくぶくぶく
ぶくぶくぶくぶく
ぶくぶくぶくぶく、ぶっくぶく

ぶくぶく たすけてくれ。ぶくぶく。たすけてくれ。ぶくぶく。
まほうつかい20 どうしよう。
まほうつかい全 どうしよう。

●このあと  冒頭へ戻る
 けっきょく、小さな小さなまほうつかいのたまごたちは、ぶくぶくを助けます。
 まほうのマントを使ってしまった小さな小さなまほうつかいたち。
 ブロッケン山のてっぺんにある月の石を手に入れることはできません。
 みんなで泣いているところへ、まほうつかいの先生があらわれます。
 「みなさん、あれをごらんなさい」
 見ると、ぶくぶくが月の石に変わっているではありませんか。
 めでたし、めでたし。おしまいです。
 最後に、「まほうのマント」と「おしまいの歌」もおききください。

まほうのマントのうた 冒頭へ戻る
かぜよ、ぼくらを、はこんでおくれ
くもよ、ぼくらを、つつんでおくれ
ぼくらのゆめは、空を走り、星をめぐる
めぐりゆく
イカロスよ、ペガサスよ
七つの星のなかまたち
まほうのマントに、力をおくれ
ふわり、ふわり、空をとぶ
まほうのマント、空をとぶ

おしまいのうた 冒頭へ戻る
月のかがやく しずかな夜は
ひとりで しずかに 空を見てみよう
メロンのような まるい月
バナナのような 三日月も
みんなみんな 
まほうつかいの ともだちなのさ
こころのまどを ひらいてごらん
まほうつかいを しんじてごらん
ほら、ぼくらの すがたが見えてくる
 
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