「つきよの もりの ものがたり」(15~20分低中学年)
きょうは、森の音楽会。大人たちがわいわいさわいでいると、まほうつかいがやってきて、「うるさいなあ」と大人たちを石に変えてしまいます。子どもたちは、大人たちを元にもどしてもらおうと、まほうつかいのところに出発します。小鳥たちにもらったまほうのかたなを持って、みどりのもりをこえて、かぜのたにをこえて、子どもたちはぼうけんをつづけます。さいごは、まほうつかいをやっつけて、みんななかよしでおしまいです。
おとなたち
子どもたち
まほうつかい
木のリズム
かぜのリズム
とりたち
みんな さあ、みんな、「はじまりの うた」の はじまりだ。
さあ、みんな
目を さませ
耳を すませ
これから げきが はじまるよ
ぼくらの げきが はじまるよ
わたしの げきが はじまるよ
ぼくらの げきの だいぼうけん
わたしの げきの だいぼうけん
だっ だい だい だい だいぼうけん
だっ だい だい だい だいぼうけん
おだいは 見ての おかえりだい
つまらなかったら いらないよ
おもしろかったら わらっちゃえ
おなかを かかえて わらっちゃえ
ワッハッハ、ワッハッハ、ワッハッハッハッハーッ!
まくがあく。ぶたいには、なにもない。
おとなたち1 あっ、つきが でた。
みんな あっ、つきが でた。
おとなたち2 おかの 上に つきが でた。
みんな おかの 上に つきが でた。
と、つきが するすると あがっていく。あがりきった ところで、おとなたちとうじょうする。
おとなたち3 きょうは、もりの おんがくかい。
おとなみんな きょうは、もりの おんがくかい。
おとなたち4 うたって、
おとなたち5 おどって、
おとなたち6 さわごうよ。
おとなみんな うたって、おどって、さわごうよ。
おとなたち7 わいわいわい。
おとなみんな わいわいわい。
おとなたち8 がやがやがや。
おとなみんな がやがやがや。
かぜは さやさや おかの上
つきは てかてか そらの上
きょうは たのしい おんがくかい
みんなで うたおう
みんなで おどろう
みんなで さわごう
ラン ラ ラン
ポン ポ ポン
ワイ ワイの ワイ
ラン ラ ラン
ポン ポ ポン
ワイ ワイの ワイ
と、おとなたち、うたって、おどって、さわいでいる。そこへ、まほうつかいたち、やってくる。
まほうつかい1 うるさいなあ。
まほうつかい2 うるさいなあ。
まほうみんな うるさいなあ。
まほうつかい3 だれだろう。わいわい さわいでいるやつは。
まほうみんな だれだろう。わいわい さわいでいるやつは。
まほうつかい4 にんげんたちだ。
まほうつかい5 にんげんの おとなたちだ。
まほうみんな にんげんの おとなたちだ。
まほうつかい6 さいきんは もりの中も すみにくくなったものだ。
まほうみんな もりの中も すみにくくなったものだ。
まほうつかい7 こまったなあ。
まほうみんな こまったなあ。
まほうつかい8 そうだ。いいかんがえがある。
まほうみんな なんだ?
まほうつかい8 にんげんたちを いしに かえてしまおう。
まほうみんな にんげんたちを いしにかえる!?
まほうつかい9 そうだ。それがいい。にんげんたちを いしに かえよう。
まほうみんな にんげんたちを いしに かえよう。
わしらは まほうつかい
ほうきに またがり
つきよの そらを とぶ
まほうの じゅもんは ないしょの じゅもん
イカツ イカツ ウホマ
イカツ イカツ ウホマ
レナ ニシイ
レナ ニシイ
ウホッ!
わしらは まほうつかい
かえると いっしょに
もりの なかで ねむる
まほうの じゅもんは ないしょの じゅもん
イカツ イカツ ウホマ
イカツ イカツ ウホマ
レナ ニシイ
レナ ニシイ
ウホッ!
おとなたち9 あっ、からだが、うごかない。
おとなみんな からだが、うごかない。
おとなたち10 た・す・け・て・く・れ。
おとなみんな た・す・け・て・く・れ。
と、おとなたち、うごかなくなる。まほうつかい、おとなたちに、しろいきれを、かぶせてまわる。
まほうつかい10 やっと、しずかになった。
まほうつかい11 うちに かえって、ねるとしよう。
まほうみんな うちに かえって、ねるとしよう。
と、まほうつかい、うちに、かえる。そこへ、子どもたち、とうじょう。
子どもたち1 たいへんだ。たいへんだ。
子どもみんな たいへんだ。たいへんだ。
子どもたち2 みんな いしに されちゃったよう。
子どもたち3 おとうさーんっ!
子どもたち4 おかあさーんっ!
子どもたち5 ぼくたち、ないちゃうよ。わーん!
子どもみんな ないちゃうよ。わーん!
と、子どもたち、いしに なった おとなたちを ゆすりながら、なく。そこへ、とりたち、とうじょう。
とりたち1 ないているよ。ぴっ、ぴっ、ぴっ。
とりみんな ないているよ。ぴっ、ぴっ、ぴっ。
とりたち2 おかしいね。ぴっ、ぴっ、ぴっ。
とりみんな うん、おかしいね。ぴっ、ぴっ、ぴっ。
とりたち3 げんきを だしなーっ!
とりみんな げんきを だしなーっ!
ぴぴぴぴぴっ、ちちちちちっ。
ぴぴぴぴっ ちちちちっ ぼくらは じゆう
ぴぴぴぴっ ちちちちっ いつでも じゆう
おおきな はねで せかいを つなぐ
ぴぴぴぴっ ちちちちっ せかいを つなぐ
ぴぴぴぴっ ちちちちっ ぼくらの ゆめは
ぴぴぴぴっ ちちちちっ おおきな ゆめさ
ぼくらの はねで せかいを つなぐ
ぴぴぴぴっ ちちちちっ せかいを つなぐ
とりみんな おーい、こどもたち。げんきを だしなーっ!
子どもたち6 そうだ。ないていたって、だめなんだ。
子どもみんな ないていたって、だめなんだ。
子どもたち7 まほうつかいの ところへ いこう。
子どもみんな まほうつかいの ところへ いこう。
とりたち4 まほうつかいの うちを おしえてあげるよ。
とりみんな まほうつかいの うちを おしえてあげるよ。
とりたち5 みどりの もりを こえてね。
とりみんな みどりの もりを こえてね。
とりたち6 かぜの たにを わたっていくんだよ。
とりみんな かぜの たにを わたっていくんだよ。
とりたち7 この かたなを もっていってごらん。
とりみんな この かたなは まほうの かたな。
かならず やくに たつからね。
子どもたち8 ありがとう。とりさん。
子どもみんな ありがとう、とりさん。さようなら。
と、子どもたち、いしになった おとなたちを かかえて、もどし、しゅっぱつの よういを する。
子どもたち9 さあ、まほうつかいの うちへ しゅっぱつだ。
子どもたち10 えい、えい、おーっ。
子どもみんな えい、えい、おーっ。
さあ、しゅっぱつだ
げんきな ぼくらの なかまたちが
みどりの もりへと しゅっぱつだ
さあ、しゅっぱつだ
のをこえ やまこえ たにまで こえて
すすめば せかいは 見えてくる
ぼくらの まえに みんなのまえに
どかーん どかーんと
ひらけてくるよ
さあ、しゅっぱつだ
ぼくらは みんな げんきな なかま
手に 手を とって つきすすむ
子どもたち、うたいながら、きゃくせきのほうまで、おりて、あるいていく。そのあいだに、みどりの もりの 木たち、ぶたいに とうじょうする。
ぼくたちは みどりの もりの
みどりの木 みどりの木
月の ひかりも みどりいろ
みんなの かおも みどりいろ
せかいが みどりに そまるころ
ぼくらの もりが みえてくる
ぼくたちは みどりの もりの
みどりの木 みどりの木
あしも あたまも うごきだす
みんなの かおも うごきだす
せかいが みどりに そまるころ
ぼくらの もりが うごきだす
木たち、しずかに うごかなくなる。そこへ、子どもたち、とうじょう。
子どもたち11 しずかだなあ。
子どもみんな しずかだなあ。
子どもたち12 こわいなあ。
子どもみんな こわいなあ。
木たち1 にんげんだ。にんげんの 子どもたちだ。
木みんな にんげんだ。にんげんの 子どもたちだ。
木たち2 にんげんは ぼくたちを ちょんぎる。
木みんな ちょんぎる。
木たち3 ポキンと おる。
木みんな ポキンと おる。
木たち4 火を つけて、もやす。
木みんな もやす。ボウボウ。
木たち5 にんげんが にくい。
木みんな にんげんが にくい。
木たち6 みんな、にんげんを やっつけよう。
木みんな にんげいを やっつけよう。それ!
と、木たち、どしどし どっしんと うごきだし、こどもたちに せまる。
子どもたち、きゃあ、たすけてと、にげまどう。
子どもたち13 みんな、がんばろう。
子どもたち14 ぼくたちには、まほうの かたなが ある。
子どもみんな ぼくたちには、まほうの かたなが ある。
ぼくらの 手には
まほうの かたな
いざなぎ いざなみ
すさのおの
やまたの おろちも
まっぷたつ
きれない ものは
ひとつも ない
びゅん びゅん びゅるるん
まほうのかたな
びゅん びゅん びゅるるん
まほうのかたな
ぼくらの 手には
まほうの かたな
いざなぎ いざなみ
すさのおの
やまたの おろちも
まっぷたつ
木たち7 わあ、たいへんだ。
木みんな たいへんだ。
木たち8 まほうの かたなで きられてしまう。
木みんな まほうの かたなで きられてしまう。
木たち9 ごめんなさい。すみません。ゆるしてください。
木みんな ごめんなさい。すみません。ゆるしてください。
木たち10 おわびに まほうの すずを さしあげます。
木みんな おわびに まほうの すずを さしあげます。
子どもみんな ありがとう。みどりの木さん。
子どもたち15 さあ、しゅっぱつだ。
子どもみんな さあ、しゅっぱつだ。
と、子どもたち、「しゅっぱつのうた」を うたいながら、きゃくせきのほうをまわる。そのあいだに、かぜの たにの リズムたちが、ぶたいの上に あがって、おどりだす。
ぼくらは かぜの子
げんきな なかま
ひととび すれば
あおい ちきゅうを
あっというまに
ほら ひとまわり
どっどどど どどっど どっどどどど
びゅるるん びゅるん びゅるるんるん
どっどどどー どっどどどー
びゅるん、びゅるん、びゅるるんるん
ぼくらは かぜの子
げんきな なかま
ひととび すれば
ひろい うちゅうを
あっというまに
ほら ひとまわり
どっどどど どどっど どっどどどど
びゅるるん びゅるん びゅるるんるん
どっどどどー どっどどどー
びゅるん、びゅるん、びゅるるんるん
かぜの子1 おれたちは、かぜの子だ。
かぜみんな かぜの子だ。
かぜの子2 おい、だれか くるぞ。
かぜみんな だれか、くるぞ。
かぜの子3 ふきとばしてやろう。
かぜみんな うん、ふきとばしてやろう。
かぜの子4 それーっ、いくぞーっ!
かぜみんな おーうっ!
と、かぜの子、子どもたちに、ふきかかる。子どもたち、ふきとばされそうになる。
子どもたち16 そうだ。まほうの すずを つかおう。
子どもみんな まほうの すずを つかおう。
チリリン チリリン
チリリン リン
まほうの すずは
ぼくらの ゆめさ
ぼくらの こころ
はこんで くれる
チリリン チリリン
チリリン リン
まほうの すずは
ぼくらの ちから
ぼくらの ねがい
かなえて くれる
チリリン チリリン
チリリン リン
かぜの子⑤ あっ、なんだか きもちが よくなってきたぞ。
かぜみんな なんだか きもちが よくなってきたぞ。
かぜの子⑥ ちからが でなくなってきた。
かぜみんな ちからが でなくなってきた。
かぜの子⑦ にんげんの 子どもたち、もう、とおってもいいぞ。
かぜみんな もう、とおってもいいぞ。
かぜの子⑧ まほうの うちわを あげよう。
かぜみんな まほうの うちわを あげよう。
子どもみんな ありがとう、かぜさん。さようなら。
と、子どもたち、また、きゃくせきのほうまで、おりていって、もどると、そこは、まほうつかいの うち。ぬきあし、さしあし、しのびあしで、ぶたいに あがると、とつぜん、まほうつかいが、あらわれる。
(ま)だっ、だれだ。おまえたちは。
(子)あっ、まほうつかいだ。
(ま)ふん、おどろいているな。
(子)もう、びっくりしたな。
(ま)よわむしめ。わっは、はっはっはっ
(子)いじわるめ。いーーーだっ。
(ま)なにしにきたのだ。よわむし こどもたち。
(子)いじわるな まほうつかいを やっつけにきたんだぞ。
(ま)子どもなんかに やられるもんか。
イカツ イカツ ウホマ
イカツ イカツ ウホマ
(子)ぼくらの 手には
まほうの かたな
びゅんびゅん びゅんびゅん
びゅるるん るん
(ま)子どもなんかに やられるもんか。
イカツ イカツ ウホマ
イカツ イカツ ウホマ
(子)ぼくらの 手には
まほうの すずだ
チリリン チリリン
チリリン リン
チリリン チリリン
チリリン リン
(ま)子どもなんかに やられるものか。
イカツ イカツ ウホマ
イカツ イカツ ウホマ
レナ ニシイ
レナ ニシイ
ウホッ!
(子)あっ、からだが うごかない。いしに されそうだ。
(ま)イカツ イカツ ウホマ
イカツ イカツ ウホマ
レナ ニシイ
レナ ニシイ
ウホッ!
(子)たすけて、いしに なる。
子どもたち17 そうだ。みんな。まほうの うちわを つかおう。
子どもみんな まほうの うちわを つかおう。
まほうつかいに石にされそうになった子どもたちは、かぜたちにもらった、まほうのうちわをつかいます。こどもたちが「まほううちわ」のうたを歌いながら、大きなうちわをふると、さすがのまほうつかいたちも、空にとばされそうになります。とうとうまほうつかいたちもあやまります。おとなたちは、もとにもどるじゅもんで、石から人間にもどることができました。みんなで「みんななかよしのうた」を歌って、めでたし、めでたしでおしまいです。
まほうの うちわ 大きな うちわ
かぜの かみさま かみなりさまも
ぼくらに ちからを かしとくれ
バタバタバタンバタン
かぜ おこれ!
バタバタバタンバタン
かぜ おこれ!
ひとふき すれば
かばも とぶぞ
まほうの うちわ 大きな うちわ
かぜの かみさま かみなりさまも
ぼくらに ちからを かしとくれ
バタバタバタンバタン
かぜ おこれ!
バタバタバタンバタン
かぜ おこれ!
ふたふき すれば
ぞうも とぶぞ
まほうの うちわ 大きな うちわ
みんな なかよし
ぼくらは なかま
みどりの もりの トムソーヤー
かぜの たにの ナウシカも
みんな ぼくらの
なかまだよ
ぼくらは すすむ
はやてのように
ぼくらの あした
めざして すすむ
みんな なかよし
ぼくらは なかま
まほうつかいの おばさんも
こわい こわい せんせいも
みんな ぼくらの
なかまだよ
ぼくらは つくる
手と 手を あわせ
ぼくらの あした
きずいて すすむ
みんな これで、一年生の「つきよの もりの ものがたり」の げきを お わります。
だれか きをつけ! れい!
「みんな なかよしの うた」をうたいながら、やくを しょうかいしながら、たいじょうする。チョン、チョン!