脚本「地球ＳＯＳ！　コンピューターウィルスをやっつけろ」

人間たちがコンピューターの便利な生活になれて、考えるのを止めて、ぐうたらとしているところに、ウィルスじじいとそのちょっけいのいちぞくがやってくる。かれらは、コンピューターの中に入り込んで、地球が２４時間以内にばくはつするウィルスをしかける。さあ、たいへんだ。あかはかせ、あおはかせも役に立たない。ただのはかせがやってきて、「まつたけのうすいもん」がワクチンになるという。こどもたちは「まつたけのうすいもん」をとりに、まつたけやまにむかいます。さて、地球はどうなるのでしょうか。

まくがあくと、おとなたちがコンピューターにむかってすわって、キーボードをたたいている。いちめんキーボードをたたく音や何やらコンピューターめいたきっかいな機械音が聞こえている、というような始まり方を、まあ無理にする必要はない。はじめは、おとな①とおとな②が上手と下手にいればいい。

おとな１　カチャカチャカチャ、カチャカチャカチャ。こちら、日本のかさいのやまだたろうです。アメリカのクリキントンさん、おげんきですか。

おとな２　はーい、こちら、アメリカのクリキントンです。げんきですよ。いま、アメリカは雨がふっています。日本はどうですか。

おとな４　あーあっ、べんりな世の中になったものだ。コンピューターがあれば、すわったままで何でもできる。

おとな全　コンピューターがあれば、すわったままで、何でもできる。かいもの、カラオケ、ゲームもできる。世の中、平和で、ぼくらはしあわせ。コンピューターさん、ありがとう。ばんざーい、ばんざーい、ばんざーい！

　おとなたち、うたって、おどって、よろこんでいるところへ、黒マントに黒いぼうしの（でなくてもよいが、まあ、それらしいかっこうをした）ウィルスじじい出てくる。

ウィじじい　にんげんたちは、すわったままで、なんにもしなくなった。みんなみんな、なまけものになってしまった。はっはっはっはっはっ、ひっひっひっひっひっ、にんげんが、なまけて、ゆだんをしているすきに、コンピューターの中に、ウイルスを入れてやろう。はっはっはっはっはっ、ひっひっひっひっひっ。おーいっ、ウイルスちょっけいの一族たち、全員集合だ。はっはっはっはっはっ、ひっひっひっひっひっ。

ウイじじい　さあ、ウイルスちょっけいのいちぞくたち、コンピューターの中に入りこんで、世界中をめちゃくちゃにしてしまえ。はっはっはっはっはっ、ひっひっひっひっひっ。

と、ウイルスちょっけいの（ひとりだけはんけいの）いちぞくたち、コンピューターに入りこんで、おとなたちをしはいする。

ウイルス全　２４時間たったら、地球は大ばくはつするぞ。はっはっはっ、ひっ　ひっひっ、ふっふっふっ、へっへっへっ、ほっほっほっ。

と、わらいながら、ウイルスちょっけいのいちぞくたちはたいじょうする。かわって、こどもたち、とうじょうする。

あかはかせ５　ウイルスというものは、ぜんたい熱に弱いものです。火で燃やせ　ば、アッというまにぜんめつです。

と、あかはかせたち、火をもやしはじめる。人数がいっぱいいるときは「火のグループ」をつくってはでにやるといい。いないときは、はかせが火を出せばいいのだ。

ウイじじい　ばあさん、ばあさん。なんだか、あったかくなったから、あじのひ　らきでも、やいて食べようか。

あおはかせ５　ウイルスというものは、ぜんたい水に弱いものです。水でおぼれさせれば、アッというまにぜんめつです。

と、あおはかせたち、水をかけはじめる。人数がいっぱいいるときは「水のグループ」をつくってはでにやるといい。いないときは、はかせが水を出せばいいのだ。

ウイばばあ　はいはい、じいさん、わたしがよびましょう。おーい、こどもまご、やーい。プールがあるから、およぎましょうよ。

ただのはかせ４　そうです。わたしたちは、ただの、ただのはかせです。わたしたちは、ウイルスをアーッというまに、やっつけることはできません。

こども16　ウイルスをやっつけることができないんじゃあ、ここに出てきても、しょうがないじゃありませんか。

ただのはかせ９　そうです。たかいたかいまつたけを、もったいないから、できるだけうすく切って作った「まつたけのうすいもん」を使えば、ウイルスなんか、いちころです。

ただのはかせ10　さあ、こどもたち、「まつたけのうすいもん」を作るために、まつたけ山のまつたけをとりにいきなさい。

こども21　まつたけさん、まつたけさん、おねがいです。わたしたちを助けてください。地球を助けるために、わたしたちに「まつたけのうすいもん」をください。

　さて、「まつたけのうすいもん」というおかしな名前のアイテムを手に入れた子どもたちは、さっそく、ウィルスたちの来そうなところにおいて様子をみます。ウィルスたちが、「まつたけのうすいもん」食べると、ふしぎなことに

ウィルスたちの心がきれいになってしまいます。地球をばくはつさせようなんて、とんでもないことだと考えたウィルスじじいとそのちょっけいのいちぞくたちは、かえっていきます。さいごは、めでたしめでたし。「２１世紀を生きるきみとぼく」を元気に歌って、おしまいです。