ときは江戸時代の中頃、上州(今の群馬県)利根川のほとりに向かい合って二つの村があった。悪い殿様が穫れたお米をみんな持っていってしまうので、お米のとれるひなた村も、とれないひかげ村も、お互いににくみあっていた。殿様は、お互いの村人は会ってはいけないというきまりまで作っていた。そんな中で、ひかげ村の娘さよと、ひなた村の若者与吉は、愛し合うようになる。与吉は、ひなた村のみんなに一揆を呼びかける。さよは自分の命をかけて、ひかげ村も一揆に立つという。与吉は、命をかけるさよを村に残し、ひかげ村までひた走る。与吉に与えられた時間は、夜明けの太陽が東の空に昇るまで。与吉の行く手は、川のリズム、剣のリズム、火のリズムにさえぎられる。
太宰治の「走れメロス」とシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」と斉藤隆介の「べろ出しチョンマ」の三つを合わせたような話です。
ナレーター
与吉
さよ
日なた村グループ
日かげ村グループ
殿様と家来グループ
稲穂のリズム
川のリズム
剣のリズム
火のリズム
ナレーター1 むかしむかし、あるところに、ひとりの殿様が住んでいました。その殿様は、たいへんわがままで、ひとのいうことをきかない悪い殿様でした。
ナレーター2 ちょっと待って!
「むかしむかし」じゃ、わからないよ。ねえっ、みなさん!
ナレーター3 それは、だいたい何年ごろの話なんだい。鎌倉時代に、室町時代。戦国時代にー、えーと、それから、江戸時代。いったい、いつの話なんだい。
ナレーター4 それに、「あるところ」だけじゃ、わからないよ。ねえっ、みなさん!
ナレーター5 北海道? それとも、九州? 北極かしら? 南極かしら?
ナレーター6 でもね、おはなしは、だいたい「むかしむかし、あるところに」で始まるようになっているのさ。それがしきたりというものさ。
ナレーター7 ーでも……。(と、強く)
ナレーター8 でも……?
ナレーター9 きょうは、ちょっと、気分を変えてみよう。
ときは、江戸時代の中ごろ、ところは上州。利根川のほとりに、向かいあってふたつの村があった。
ナレーター10 村の名前は、日なた村と日かげ村といった。
(ナレーターが話しているあいだに、日なた村、村人10人、気づかれないように、観客席の後方に出てくる。)
日なた村全 (大きな声で)さあ、いくぞ。日なた村の収穫だ。
日なた村男 収穫だ!
日なた村女 収穫だ!
日なた村全 収穫だ! それーっ!
(と、舞台の上ーーといっても幕の前ーーに、かけあがる。大だいこの音、ドドドドーーン!)
日なた村1 やれ、うれし。ことしも豊作、万々才。
(舞台の幕が上がると、黄金の稲穂がゆれている。稲穂のリズムをおどる。)
ひとつぶが 千つぶに なったよ
ざっざっざっ
千つぶが 万つぶに なったよ
ざっざっざっ
たねをまきまき 水をやり、
ぎんぎらぎぃーんの おてんとさまを
たっぷりあびて 稲穂がみのる
日なた村2 さあ、稲かりだ。
日なた村全 おうっ!
《収穫のうた》で、穂なみ、かられ、稲穂たばねられていく。
ひとつぶが せんつぶに
せんつぶが まんつぶに
なりました
(全部かりとって、日なた村人去る。と、同時に暗転。だれもいない舞台に《日かげ村のテーマが流れてくる。歌の途中に、日かげ村人が登場する。)
昼でも 夜でも 心は暗い
いつでも 日かげの 山の中
暗くて 冷たい 山の中
ひとつぶ 死んだ
ふたつぶ 死んだ
いなほは ならぬ
日も ささぬ
エー、エー、エー
エー、エー、エー
日かげ村1 あ〜〜あっ、今年もだめだったか。
日かげ村2 河の向こう岸の日なた村では、あんなに稲穂がみのっているというのに。
日かげ村3 日かげ村には日がささない。ほんのちょっぴりも日がささない。
日かげ村4 だから、ひとつぶの米もとれない。ひとつぶもとれない。
日かげ村5 あ〜〜だめだ、もう、だめだ。
(と、いって、すわりこむ。全員力なくすわりこむ。)
さよ みんな! なんで、そんなにがっかりしているだ!
おとう!(と、おとうのところへいく)
おかあ!(と、おかあのところへいく)
米がだめなら、ひえをつくろうよ。あわをつくろうよ。がんばろう。ねえ、みんな。
おかあ わしは、日なた村がにくい!
日かげ村全 日なた村がにくい!
おとう 日なた村のやつらがにくい。
日かげ村全 日なた村のやつらがにくい。
にくい にくい 日なた村
こがね みのる 日なた村
いつも あかるい 日なた村
にくい にくい おまえが にくい
(さよひとりを残して、日かげ村人去る。さよ、ひとりで、ぽつんと立ってい る。そこに、なぜか与吉があらわれる。)
与吉 だれだ? そこにいるのは。
さよ えっ(と、あとずさり)
さよ おら、さよだ。おまえこそ、どこのもんだ。
与吉 おれは与吉だ。川向こうの日なた村の者だ。ふねにのって、魚を追っているうちに、つい来ちまっただ。
(間)
与吉 おまえ、元気ないな。どうしてだ。
さよ んーーっ、はらがへって、たまらん。
(と、いって、おおげさによろける)
与吉 (びっくりして)ほな、この魚、もってけ。あんまり、よろけるな。びっくりしてしまう。
さよ ほんとか? いいのか? おまえさんは?
与吉 おれは平気だ。まだふねにたんとある。じゃっ、元気でな。(と、去る)さよ あっ、待って……(と、とおく見送る)
さよ ありがとーーっ。ありがとーーっ、与吉さーーん。
(さよも去る)
《殿様のテーマ》で、殿様と家来10人登場。
おれは とのさま
えらい とのさま
このおれさまに もんくをいうやつは
いち じゅう ひゃく せん まんたたき
みんな まとめて
ろうやに いれて
くびを ちょんぎって ちょんちょん ちょんぎって
ころり ころがる 木のねっこ
殿様 わしは殿様である。な?
家来 はっ。
殿様 えらいのである。な?
家来 はっ。
さんだゆう との、おそれながら、申し上げます。
殿様 なんじゃ。さんだゆう。
さんだゆう ようやく、日なた村の稲穂がみのり、収穫が終わったようでございます。
殿様 なにっ、今年もみのったか。めでたい。めでたい。よしっ、これからいって、全部とってまいれっ!
さんだゆう はっ、全部でございますか。(と、おどろく。)
家来全 全部でございますか。
殿様 そうじゃ、そうじゃ。わしのものはわしのもの、ひとのものも、わしのものじゃ。はやく行け。
家来全 はーっ。
(いったん退場。再び登場すると、家来たちみな、日なた村の米俵をとって、かついでいる。あとを、日なた村人たち、おいかけ、すがり、なげく。それを尻目に家来たち退場する。あとに村人たち残る。)
日なた村3 あーっ、せっかくとれたのに、みんな、もっていかれてしまった。日なた村4 殿様のばかやろう……(と、いってから、あわてて口をおさえる)日なた村全 殿様の(と大声)
ばかやろう(と、元気なく)
日なた村5 これも川向こうの日かげ村で何にもとれないからだ。
日なた村6 そうだ。日かげ村で米をつくれば、おれたちのとられる米も半分になるはずだ。
日なた村7 日かげ村はなまけもの。
日なた村全 日かげ村はなまけもの。
日なた村8 日かげ村のやつらがにくい。
日なた村全 日かげ村のやつらがにくい。
にくい にくい 日かげ村
なにも できぬ 日かげ村
いつも なまける 日かげ村
にくい にくい おまえが にくい
与吉 みんな、何をいっているんだ。ほんとうに悪いのは日かげ村じゃない。殿様だ。悪殿様だ。なあ、みんな、そうだろう?(と、観客にきく)
日なた村9 いや、ちがう。日かげ村のやつらが悪い。
日なた村10 そうだ。やつらが悪いのだ。
日なた村11 与吉、何で日かげ村の連中の味方をするのだ。
日なた村12 おまえ、このごろ、日かげ村のむすめと会っているといううわさがあるけど、それは本当か。(与吉、かぶりをふる)
日なた村13 日なた村のものは日かげ村のものとは会ってはならぬ。これはきまりだ。殿様が決めたきまりだ。
日なた村全 日なた村のものは日かげ村のものとは会ってはならぬ。
日なた村14 そうだ。日かげ村では米がつくれない。
日なた村15 日かげ村はなまけ村だ。
日なた村全 日かげ村はなまけ村だ。なまけものの集まりだ。
さよ ちがう!(と、さけびながら登場)
おらたちは、なまけものじゃない。
ちがう! ちがう! あんまりだ。(と、舞台中央にうずくまる)
日なた村16 おまえはだれだ。
日なた村17 おまえー、日かげ村のものだな。
(さよ、びっくりして、あとずさり)
日なた村18 おい、与吉。おまえ、やっぱりー。
きまりをやぶったな。
(与吉、さよをかばう)
日なた村全 与吉、決まりをやぶったな。
与吉 そうだ。おれは確かにきまりをやぶった。でも、みんな、どうして、そんなに日かげ村をにくむんだ。どうして、会ったり、話をしたらいけないんだ。おれには、わからない。
日なた村19 それは、日かげ村のやつらがなまけものだからだ。そんなやつらとつきあったら、おれたちにまで、なまけものの病気がうつってしまう。おそろしいことだ。
日なた村20 それにな、与吉。日なた村のものと日かげ村のものとは会ってはいけない。これは殿様が決めたことだ。だから、まもらなければいけないのだ。
きまり きまり きまりを守ろう
なんでもきまり どこでもきまり
正しいきまり おかしいきまり
みんなきまり これできまり
きまりを守ろう きまりを守ろう
きまりをー 守れ。
与吉 いやだ! おれは、いやだ! そんなきまりは守らないぞ。
日なた村21 与吉、何をいう。
日なた村22 殿様がおきめになったことだぞ。それでも守らぬか。
(暗転、与吉にスポット)
ナレーター11 与吉は考えた。日なた村の者と日かげ村の者は会ってはならぬ。これは、殿様がおきめになったことだ。でも、どうして会ってはいけないのか。話してはいけないのか。同じ人間と人間なのに、なぜ、にくしみあわなければならないのか。人間の心を鬼に心のようにする。こんなきまりがあるのだろうか。与吉は考えた。
(明るくなる)
与吉 みんな、殿様のところへ行こう。
日なた村全 えーっ!?
与吉 殿様のところへ行こう。行って、お米を返してもらうんだ。おかしなきまりをなくしてもらうのだ。
日なた村23 だめだ。そんなこと、できるはずがない。いったらみんな死刑だ。日なた村24 はりつけでグサッだ。
与吉 一揆だ。一揆をおこして殿様にたのむんだ。
日なた村男 一揆?
日なた村女 一揆?
日なた村全 一揆?
日なた村25 だめだ。一揆はぜったいにだめだ。
与吉 どうしてだ。どうして、だめなんだ。
日なた村26 人数が少なすぎる。
日なた村27 こんな、ちっとんばいでおしかけたって、だめだ。
日なた村28 おっぱらわれるかー、みなごろしだ。
日なた村29 せめて、このばいの人数がいればなあ。
さよ います! 日かげ村の者がいます。日かげ村の者もみんな困っています。みんな、いっしょに行きます。いっしょに一揆に立ちます。
日なた村30 日かげ村の者がいっしょに立つだと。
日なた村31 そんな話は信用できないな。
日なた村全 うそだ!
うそだ!
うそだ!
さよ ほんとうです! 日かげ村の者はかならず立ちます。わたしは、わたしの村の人たちを信じています。わたしは、このことに命をかけます。
与吉 よしっ! おれが、さよの手紙をもって、日かげ村に行く。行って、みんなに頼んでみる。いっしょに一揆に立ってくれって。みんな待っていてくれ。
日なた村32 よし、待とう。ただし、夜明けまでだ。それ以上は待てない。
日なた村全 夜明けの太陽が東の空に昇って、真っ赤な日がギラギラてりつけても、おまえが帰って来なかったら、さよの命はないと思え。
村人「与吉のテーマT」をうたう。できたら、これはソロのボーイソプラノ南下でやれると、効果的だ。
夜明けの 太陽が
空に昇っても
与吉が帰って来ないなら
さよの命はないと思え
さよは与吉を
かたく信じてる
さよは与吉に
命をかける
走れ与吉 ゆけ与吉
与吉 したらば、まんつ。さよ、待ってろよ。
さよ 与吉さーんっ!
(舞台暗転。与吉、観客席の中を《走れ与吉U》をバックに走る。スポット与吉を追う。)
ゆけ ゆけ とんとん走れ
ゆけ ゆけ とんとん走れ
野こえ 山こえ 荒波こえて
走れ与吉 ゆけ与吉
ジョヤサ ジョヤサ ジョヤサと走れ
(与吉、舞台に戻ると、舞台にはすでに川のリズムがいる)
与吉 あっ、ふねがない。
川のリズム全 ふねは流した。殿様の命令で、わたしたちが流した。
川のリズム全 与吉、ここは通さない。
与吉 おれは、行くぞーっ、えーいっ(と、川にとびこむ)
(川と与吉のたたかい、川たち《川のリズム》をバックに与吉にかかる。与吉、川にもまれながら泳ぐ)
ざんざ ざざざざ ざざざんざん
川はながれーる
ざんざ ざざざざ ざざざんざん
川はながれーる
どっど どどどど ぐーるぐるぐる
どっど まきこーめー
どっど どどどど ぐーるぐるぐる
どっど ひきこーめー
えーい えーい えーい
えーい えーい えーい
川の代表 与吉、おまえはたいしたやつだ。
わたしたちの負けだ。
川のリズム全 わたしたちの負けだ。さあ、行け。
与吉 ありがとう! 川たち。
舞台暗転、与吉、再び《走れ与吉U》をバックに走りはじめる。客席を走る与吉にスポット。ひとまわりして舞台に戻ると、そこにはすでに剣たちがいる)
剣のリズム全 とまれ! 与吉。ここは通さない。
与吉 だれだ、おまえたちは。
剣のリズム全 わたしたちは、おきての剣。日なた村の者と日かげ村の者は会ってはいけない。それが、おきてだ。おきての剣がここは通さん。
(与吉と剣のたたかい。おきての剣、《剣のリズム》をバックに側転でくるくるまわる。)
くるり くるり おきての剣
くるり くるり ここは通さん
くるり くるり おきての剣
くるり くるり ここは通さん
つきさし はりさし つきさし はりさし
えい えい えい えい おーっ
つきさし はりさし つきさし はりさし
えい えい えい えい おーっ
剣の代表 与吉、おまえはたいしたやつだ。
わたしたちの負けだ。
剣のリズム全 わたしたちの負けだ。さあ、行け!
与吉 ありがとう。剣たち。
(舞台暗転、与吉、再び《走れ与吉U》をバックに走りはじめる。客席を走る与吉にスポット。ひとまわりして舞台に戻ると、そこにはすでに火たちがいる)
火のリズム全 まて、与吉。ここは通さんぞ。
与吉 だれだ、おまえたちは。
火のリズム全 わたしたちは、にくしみの火だ。
日なた村と日かげ村はにくみあっている。人間たちの心の中は、今、にくしみの火でいっぱいだ。にくしみの火が、ここは通さない。
(与吉と火のたたかい。火たち《火のリズム》をバックに与吉におそいかかる。)
火ははしる 火ははしる
めらめらめらめらめらめらとーっ
火はこがす 火はこがす
めきめきめきめきめきめきとーっ
もえろ もえろ もえろ もえろ もえろ もえろーっ
まきこめ ひきこめ まきこめ ひきこめ てんまで こがせーっ
火ははしる 火ははしる
ごうごうごうごうごうごうとーっ
火はこがす 火はこがす
ぼうぼうぼうぼうぼうぼうとーっ
もえろ もえろ もえろ もえろ もえろ もえろーっ
まきこめ ひきこめ まきこめ ひきこめ てんまで こがせーっ
与吉 さよーーっ!(と、大声でさけぶ)
(与吉、火のリズムにまかれ、舞台中央で、苦しみもがきながら、さけび、たおれこむ。火のリズム、なおも与吉をつつみこみ、おそいかかる中で幕が閉まる。与吉は、果たしてどうなるか)
(幕あくと、そこは日なた村。さよ、柱にしばられて、もうすぐ殺されそうだ。)
日なた村33 東の空が明るくなってきた。
日なた村全 東の空が明るくなってきた。
日なた村34 もうじき、夜が明ける。でも、与吉は帰ってこない。
日なた村全 与吉は、やっぱり帰ってこない。
ナレーター12 東の空が明るくなっても、与吉は帰ってこなかった。村人たちは、さよをしばった。柱にかたくしばりつけた。でも、さよは、与吉の帰りを待った。さよは与吉を信じていた。日かげ村のみんなを信じていた。
さよ ああ、東の空に、日がのぼっていく
だんだん空が明るくなっていく
あの太陽がのぼりきったら
わたしの命も、もう終わりだ。
でも、わたしは与吉を信じている。
与吉はわたしのために命をかけて走っている。
だから、わたしは与吉を待っている。
日なた村35 おいっ、見ろ。東の空を太陽がのぼっていく。(と、手と目でおいながらいう)
日なた村36 真っ赤な太陽がのぼっていく。
日なた村全 夜明けの太陽が東の空にのぼっても、与吉は帰ってこなかった。
日なた村37 さよを殺すのか。
日なた村38 さよを殺す(と、やや戸惑いつつ)
日なた村全 さよを殺す(と、やや戸惑いつつ、しかし力強く)
(日なた村人、さよにせまる。)
さよ 与吉さーーんっ!
(と、さよ、風前のともしび。と、そのとき、与吉、観客席のうしろから日かげ村人たちとともに、さけび、あらわれる)
与吉 さよーーっ!
さよ あっ、与吉さーん。おとう、おかあ。村のしゅう。
(与吉、舞台中央まで一気にかけあがって、うたう)
さあ みんな
手をとり 助け合い
かたを くんで
あるいていこう
にんげんは みな ともだち
ぼくらは なかま
かたを くんで
あるいていこう
さあ みんな
手をとり 助け合い
ちからを あわせて
あるいていこう
にんげんは みな ともだち
ぼくらは なかま
ちからを あわせて
あるいていこう
与吉は、戻ってきました。ひなた村の者とひかげ村の者は、「かえしてもらう歌」をうたいながら、いっしょになって、殿様の所へむかいます。はじめは、さむらいたちのいきおいにおされていた村人たちも、力を合わせて、さむらいたちを押し返します。最後は、殿様も反省して、ひとりで「ゆるしてもらううた」をうたいます。めでたし、めでたし。みんなで「与吉のテーマ」をうたって、幕です。
お米をかえせ ねんぐをかえせ
お米は おいらのものだ
力を合わせて はたらいた
みんなのものだーっ
ほんとのことを いおう
ほんとのことを はなそう
お米はおいらのものだ
「お米をかえせ! ねんぐをかえせ!」
「お米をかえせ! ねんぐをかえせ!」
えー、えー、えーっ
ゆるしてください みなさん
わたしは まちがいをしてました
わたしの からだは にんげんだけど
わたしの こころは つめたかった
でも みんなのこえを きいたとき
ほんとうのことが わかりました