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    週刊「よりよい生き方」     NO.119       03.09.14
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○ひとこと○

初期対応がうまくいくと、よい結果を導けます。(最初が肝心です)

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こんにちは、発行者の礒ひろしです。

「人のため」を理念として、「よりよい生き方」を企画しました。
人間学をベースに学んだことをご紹介しながら、皆様と共に「人間として」
前進できればと願っています。

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                怒りのむかう方向
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このメルマガにおいて、しばしば「怒りはマイナスの感情」と書いております
が、もともと怒りそのものにはプラスもマイナスもありません。怒りが正しい
とか間違っているということもありません。

本来は正義でも悪でもない怒りがなんらかの刺激によって増幅すると、感情は
マイナスに向かいます。怒りを善に向かわせることは至難の業です。高いとこ
ろから低いところへ水が流れるように、怒りの感情は善よりも悪に向かうほう
が容易いのです。

何もないところに怒りは発生しません。何かがあるから怒りの感情が湧きます。
初期の段階で客観的に自分を見つめると「ああ、今こういうことに対して腹を
立てているんだ」と原因がわかりますから、怒りもそれ以上大きくなりません。

原因がわからずに「どうしてこんなに腹が立つんだろう」と考えていれば、原
因とは関係のないことに対して腹が立ってきます。当初は怒りにも理由はあり
ますが、さまざまな要素が絡み合って新たな怒りを招くうちに、何に腹を立て
いるのかさえわからなくなります。怒りの力が大きくなれば、どうにも制御で
きなくなって、自分自身を苦しめます。

誰かに向かう怒りには、自分なりの正当性があるはずです。しかし怒りをぶつ
けられた相手は、こちらの事情とは無関係に、迷惑を被って不愉快になります。
相手から新たな怒りが生じて自分に跳ね返れば、醜い争いがはじまります。

怒りで解決できる問題など、なにひとつありません。
怒って自分はスッキリしたつもりでも、だれかの怒りを呼び覚ますことがあり
ます。相手の恨みを買うことになるかもしれません。人類の歴史において多く
の争いが繰り返されましたが、怒りで奪った権力ほど、みじめな結末です。

人間である以上、怒りをゼロにすることはできません。生きるためには怒りも
必要な感情です。怒りは、我慢するものではありません。怒りの原因を知って
善悪のないまま終わらせれば、それ以上大きくなることもなく収まるものです。

動物は刺激に対して一定の反応を示しますが、人間は刺激から反応までの間に、
理性的な判断をすることができます。怒りがなんらかの刺激で発生しても、理
性的な反応をすれば、怒りの感情が小さくなります。

刺激を平常心で受け止めると、わずかな時間に最善の対処法を見つけることが
できます。このように対処すれば、怒りの生じる確率も下がりますし、生じた
としても大きくなることがありません。

うまくいかなかったことも、やり方を変えるとうまくいくように、怒りに対す
る反応を変えれば、結果が大きく変わります。

よい反応ができれば、怒りを生むはずの原因を喜びに変えられるのです。
怒りは理性の力を磨く道場なのです。

刺激に対する反応を変えてみよう。

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○先賢のことば○

怒りを遷(うつ)さず過ちをふたたびせず。
(孔子)

甲に向かって発した怒りを乙に対してうつさない。一度おかした過失を二度と
繰り返さない。

弟子の顔回(がんかい)をほめた言葉ですが、孔子は怒りを否定していません。
しかし、それを関係ない人に向けることは、いけないと言っています。
失敗することを批判しませんが、再び繰り返さないように戒めています。

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ご購読ありがとうございました。
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<あとがき>

「暑さ寒さも彼岸まで」のように、この暑さもまもなく終わることと思います。
桜の開花が伝えられる異常気象のため、体調を崩しやすい昨今ですが、どうか
お体を大切にしてください。

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発行しています。 http://www.mag2.com/  (マガジンID:0000068952)
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