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　　　　週刊「よりよい生き方」　　　　 NO.263 　　 　 06.07.02
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○今週のことば○


鍛えれば、心も体も強くなります。


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こんにちは、発行者の礒ひろしです。

「人のため」を理念として、「よりよい生き方」を企画しました。
人間学をベースに学んだことをご紹介しながら、皆様と共に「人間として」
前進できればと願っています。

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○心のままに○


顔が違うように、人それぞれに性格が違います。性質と申しましょうか、持っ
て生まれた本質的な部分は、変えようとしてもなかなか変えられません。努力
して変えたつもりでも、なにかの拍子にイヤな自分が飛び出して、自己嫌悪に
陥ることもあるのでは、と思います。

僕の場合、怒りの出やすい性質を持っています。「短気は損気」と、言葉では
理解していても、怒りの感情が表に出てしまい、多くの人に迷惑をかけました。

年を重ねるごとに自分の欠点を改善しましたので、若い頃に比べれば、怒りに
到達する導火線が長くなって、「ああ、怒りを出さなくて良かった」と、思う
機会が多くなりました。もちろん、それがゼロになったとは思っていません。

僕も人間ですから、今でも、怒りの感情が起きることはあります。以前はそう
いう感情に対して嫌悪感を持っていたのですが、今は、まず素直に、その感情
を自分の中で受け入れるようにしています。初期段階で否定するなどの刺激を
与えなければ、感情はそれ以上、大きくなりません。


パソコンの頭脳とも呼ばれるCPUには、１次キャッシュや２次キャッシュとい
うキャッシュメモリー（内部）があります。高速処理する演算を、チップセッ
トを介してそれよりも遅いメモリーに伝達する際、特定の（プールのような）
場所に情報を一時的にとどめておいて、まとめてメモリーに伝達することによ
って、全体の処理を速くするための機能です。

（５年ほど前のCPUですと、２次キャッシュが２５６KBあれば大容量でしたが、
今では２MBと、約１０倍の容量を持つようになりました。ナノ・テクノロジー
の進歩による技術ですが、まもなくこれが４MBになると言われていますから、
まさに日進月歩ですね）


人の心にも、このような働きをする部分があると思います。心に怒りなどイヤ
な感情が発生しても、それを次の場所（表情や態度）へ移す前に、一時的にと
どめておくキャッシュメモリーのような場所があります。

年々進化するパソコンのCPUと同様に、人の心も、心がけ次第で、キャッシュ
メモリーの容量を大きくすることが可能です。怒りの感情を一時的に留める容
量が大きくなれば、次の場所に移すまでの時間を長くすることもできますから、
その間に感情を消滅させることも可能です。

心は機械よりも柔軟性があります。機械ですと故障が起こらない限り、自動的
に情報を次の場所に送りますが、人の心は、次の場所に送らないで抑制するこ
ともできます。

許容量が大きくなればなるほど、心の中で処理できることも多くなります。
心の器を大きくすれば理性的な判断もできて、自己嫌悪にさいなまれる回数も
減るのではないでしょうか。心の器を大きくすれば、いやな感情に支配される
ことも少なくなります。

心の器を大きくすることが、人間としての大きさにつながるように思います。
心は鍛（きた）えることによって、大きくなります。
心を鍛えて、人間として、大きくなりたいものですね。


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ご購読ありがとうございました。
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＜あとがき＞

「夏に向けて鍛える」という、シェイプアップの雑誌記事を、以前は興味深く
読みました。しかし、この時期になると「来年こそは・・・」と、何もしなか
ったことを悔やんだものでした。

こういう記事は春頃、特集されました。しかしどうせなら秋に載せて、付け焼
き刃ではなくじっくり鍛えましょう、という趣旨にした方がいいのではなかろ
うかと、最近ふと思いました。

なにかを変えるために鍛える、ということは、時間をかけてコツコツとやるも
のだと思います。いっそのこと、今から来年の夏を目指して、なにかを初めて
みるのもいいのでは、と思いました。

僕は今年の正月から、数は少ないですが腕立て伏せとスクワットを、毎日続け
ています。首と腰の慢性的な痛みを軽減させる目的でありますから、半年間続
けても、こんなに変わった・・・という実感はありません。

年齢的なものもありますが、やはりコツコツと１年は続けることが大切だと思
います。外見だけではなく、内面を鍛えることも大切だと思います。

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