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大人の勉強法…       (01.10.08)           


最近、書店に行くと「大人の勉強法…」をよく見かけます。
私も何冊か読みましたが、その中で、参考になったことをご紹介します。

◎野口悠紀雄氏によると…
(1)面白いことを勉強する
(2)全体から勉強する
(3)8割原則(80%理解したら他の分野)

やはり楽しんで取り組まなくては身につかないと思います。

◎丸谷才一氏による読書の効用…
(1)情報を得る
(2)考え方を学ぶ
(3)書き方を学ぶ
※人生は問いかけであり、よい問いはよい答えに勝る。

私の場合、本を読みましたが、ある一定量を読むと考えながら読むようになります。
そして今では、「この本には、こういうことが書かれているのではなかろうか」と、
仮説を立てて読むようにしています。つまり著者との対話のみならず、自分の考え方
との違いを探すようにもなりました。

知識が増えると人間は慢心します。自分とは違うものを排除しようとします。
あげくのはてに、「自分が正義であり、それ以外の考え方は悪だ!」
と、いった思想に陥りがちです。これはとても危険ですよね!

大切なことは多様性を認めることです。
人間は不完全な存在であり、自分が絶対正しいと思っても、それを違うと考える人
はいます。そうした違いも受け止めることで、「ああ、そういう考え方もできるのか」
と、新しい発見もできます。ひとつの問題の正解が10個あってもいいわけです。

自分とは意見が合わないからと相手を排他的に見ることは、そこから学べる
なにかを拒否してしまうことです。これは、学ぶ姿勢として、
大きな損失です

◎6000時間の法則(将棋の米永邦雄氏…)
お兄さんに東大に入るための勉強時間を尋ねたところ、6000時間勉強して合格
したとのこと。つまり、6000時間を目安に勉強すれば、一人前になれる。

1日2時間で、3000日(約8年3ヶ月)
1日5時間で、1200日(約3年3ヶ月)
1日8時間で、 750日(約2年1ヶ月)
焦らずにがんばりましょう。(^_^メ)  人生は長い!

◎最後に、江戸時代の教育者、細井平洲語録より、
「学問は、いま生きている私たちに役立たなければならない」

何のために学ぶのか、その原点はよりよく生きるためであります。
どうかご自身のために役立つ勉強を…

まとまっていないため、人間学ロードではなく裏通りに掲載します(^_^;)


大人の勉強法 2      (01.10.14)           


勉強は、新しい知識を知る→おぼえる→整理する→活用する
といった流れですが、やはり何かの役に立つものであることが大切です。

私は休日よく図書館に出かけますが、「社会人コーナー」はいつもにぎわっています。
資格試験の勉強をされている方が多いようです。こういう時代だからこそ、何かの
資格をとって仕事として役立てようとされていらっしゃると思います。
また会社を退職されて、自分の興味のある分野を研究されている方もみえます。

人生80年といわれる現代、頭を鍛える必然性は学生だけではないようです。
私のまわりにも「一生が勉強」と、60歳を過ぎてからでも、勉強されてる人がみえます。
中学の恩師は、シャンソンを趣味にされ、50歳を過ぎてからフランス語を勉強されました。
今では、自宅をコンサートホールに改築して、シャンソン教室を開いていらっしゃいます。

人それぞれに、なんらかの興味のある分野があると思います。
自分の好きなことを勉強として、より深く学んでみることも大切ではなかろうかと思います。
あくまでも、人生のために役立つ学びであってほしいものです

私の勉強法

1998年6月から2000年8月にかけて、1000冊の本を読みました。
心理学・哲学・宗教学(仏教)・社会学・心身医学に関しては、初めてのジャンルでした。
人生訓に関しては、もともと自己啓発として成功哲学や中国の古典を読んでおりました
ので、好きな分野でありました。

本を読み終えたあと、重要と思ったところをノートにまとめました。
ちなみに、この中から整理して、システム手帳に書き込み、いつも持ち歩いています。
時間の空いたときに適当なページを開くと、「あっ、そうか!」と新たな発見ができます。
常に学ぶ姿勢を絶やさないようにしています。

集中的に本を読み出してから、約1年間、友人のN君と毎週1回、勉強会のようなものを
おこないました。…正確には、私が本で読んだ「いいな」と思ったことを、彼に話して聞か
せる…というスタイルでありました。彼も熱心に「それはすごい!」と聴いてくれましたので、
とても効率よく学ぶことができました。

つまり、覚える方法にはそれぞれの人にあったやり方があります。
読んですぐに覚えられる人・書いておぼえる人・聴いておぼえる人…
私の場合、話しながら覚える方法が、一番あっていたようです。

もちろん人に話すからには、整理されていなくてはなりません。
自分でわかってからでないと、人にうまく伝えることはできませんから、真剣に覚えることが
できたのでしょう。N君も「ここの所はどうなっているの?」と、質問してくれましたからより
深い理解ができたと思います。N君にはとても感謝しております。

人間には、五感があります。
学ぶということは、人間の体をフルに使うことであるように思います。
話すことは、自分の耳で聞くわけですから、目で読み、手で書き、口と耳で覚える作業です。
「体で覚える」と言いますが、まさにこのことではないでしょうか。
体でおぼえるのはスポーツだけではないようです。

そして今、メールマガジンやホームページを作成しながら学び続けています。


大人の勉強法 3       (01.10.27)           


読書について、ある人の体験談から、

「本をたくさん読んでみたが、間違ったことはひとつも書いていなかった。
しかし、迷っている私に役立つことは一言半句もない」

(『理科系発想力』 伴 五紀 :オーエス出版社より)

ただ・・・「本を読めば勉強になる」わけではないようです。
実際、上記のようなことを感じてみえる人も、多いのではないでしょうか。
私の知人にも、「年間400冊の本を読んでいたのに何の役にも立たなかった」
という人がいました。

私のように読書から多くのことを学んだ人間もいます。
もちろんいかなる良書であろうとも、そこで得られた知識を何かに役立てなければ
意味がありません。

学ぶことは大切ですが、それをもとに自分で考えなくてはいけません。
自分で考えてみて、足りないところをさらに深く学ぶ必要があります。
また、自分で考えるのみでは独善に陥りますから、やはり学ばなくてはいけません。
論語には次のように書かれています。

学んで思わざれば則(すなわ)ち罔(くら)し。思うて学ばざれば則ち殆(まど)う。
(『論語』為政第ニ 15)

学ぶことと思索(自分で考えてみる)することは両立しなくてはいけません。
論語には中庸の精神があり、極端に走ることを否定しています。
何事においてもバランスが大切です。

自分で考える力は、16歳くらいにできあがるようです。
個人差はありますが、自分自身振り返ってみると、たしかにこのくらいの年齢の時に
いろいろと考えました。しかし物事がうまくいきませんでした。
結局、この当時は何も学ぼうとしていなかったのです。知識がないためバランスが悪く、
自分の考え方だけが一人歩きをしていました。

今でもバランスが良いとは思っていません。
一生が勉強です。いくつになっても完成することはないでしょう。それでも、学ぶことが
大切であると思います。不完全な人間だからこそ、あくなき追及ができるのです。
不完全であることが、可能性のある証拠です。


師走に思う                 (01.12.02)           


師走になりました。
今年はホームページを立ち上げ、メールマガジンをはじめることを年頭に決めましたので、
その意味では充実したよい1年であります。まだ1ヶ月ありますが、少し今年を振り返ろうと
思います。あくまでも私の個人的なひとりごとであることを、あらかじめお断りいたします。

読書も順調にこなし、384冊の本を読みました。今年は「量よりも質を」と考えていましたが、
夏以降ペースが上がり、「今年も400冊読もう」と8月に決めました。これで3年連続400冊以
上の読書ができそうです。ただし、今年読んだものは軽い本が多く、質的には過去2年間
に比べて「いまひとつ」ではありますが、その中でよかった本を5冊選んでみました。

『光に向かって100の花束』  高森顕徹 1万年堂出版   (2000年)
『十二番目の天使』       オグ・マンディーノ  求龍堂 (2001年)
『タオ 老子』           加島祥造  筑摩書房     (2000年)
『失敗学のすすめ』       畑村洋太郎  講談社     (2001年)
『上杉鷹山と細井平洲』     童門冬二  PHP文庫     (1997年)

特にランク付けしているわけではなく、思いつくままにピックアップしました。
この他、著者では和田秀樹氏の本をたくさん読みました。
夏休みにシェークスピアをまとめて読み、人間に対する洞察力のすばらしさに感動しました。

昔から「師・友・書」と言われ、よい師につき、よい友がいて、よい書を読むことが、人の成長
に大きな力添えをします。よい出会いが、より豊かな人生をつくります。
良書との出会いは、数をあたることだと思います。たくさん読むことで自分にあったよい本に
出会えるのではないでしょうか。

出会いを大切にしたいものです

ビデオもたくさん見ました。良い作品は、たいてい2回見るのですが、今年はそういう作品が
少なかったように思いました。
「グラディエーター」「エリン・ブロコビッチ」「ボーン・コレクター」「グリーン・マイル」
「ペイ・フォワード」は2回見ました。(ずいぶんミーハーな見方かもしれませんが…)

私は、デンゼル・ワシントンとトム・クルーズが大好きな役者です。どこか人間的な味わいを
感じられる俳優はいいですね。(ちなみに「Mi-2」は劇場で見ました)
ベテランでは、ダスティン・ホフマンがお気に入りです。

今年も残り1ヶ月ですが、よい出会いがあるといいですね!


大人の勉強法 4           (01.12.09)           


能などの伝統芸能を学ぶ心得として、「守(しゅ)・破(は)・離(り)」があります。
守とは、まず師匠のまねをしながら学び、基本を守り身につけること。
破とは、基本にのっとりながら、自分なりの形をつくり上げること。
離とは、師匠から離れて独立すること。・・・です。
もう少しひらたく言えば、「基本を学んだら自分なりに味付けをして一人前になる」
となります。つまり、学ぶことは目的ではなく過程です。学んだことを、自分なりに
どういう味付けをして活用するのかが大切です。

陽明学者でもあった安岡正篤先生によれば、人間を磨く三段階として、
知識・見識・胆識(たんしき)」という言葉を使われました。

知識は本を読んだり辞書を引けば容易に得られます。それを覚えている必要はな
いし、無理に詰め込んでも物知りに終わります。
知識を、一本筋の通った信念でもある見識まで高めることが大切です。
見識があっても、実行できなければどうにもなりません。見識をさらに胆識にする
必要があります。この胆識とは、胆力を伴った見識です。
それは苦難を克服することで培われるもので、「肝っ玉が据わっている」とか、「胆力
ができている」といわれるような状態です。
言葉を変えれば、知識や見識を備えた度胸や勇気ともいえます。
胆識にたどりつくのは困難ですが、大きな目的として意識したいものです。

心理学を学んで詐欺師になるようなことがあってはいけません。
学んだことをどれだけ社会の中で、役に立てられるかが重要です。
昨今の経営には、心理学や物理学といった、一見関係なさそうな学問が活用されて
います。つまり、学問とは人間をつくるものであります。
どんな領域であっても、役に立たない学問は存在しないと思います。
ある意味で学問は、人間を幸せにする道具なのです。

勉強という形にとらわれず、興味のあることを追求し、探求することが真の学習で
はないでしょうか。机に向かうだけでなく、生きていることそのものが、全て勉強と
もいえます。大切なことは向上心であり、昨日よりも今日を、よりよくすることです。
すぐに結果が出ることも、時間のかかることもありますが、前進する気持ちが人生
を好転させます。
すぐに答えが出せなくても、あせらずじっくり取り組みたいものです

さまざまな勉強のスタイルがありますが、大人の勉強法は、好きなことを無理なく
続けることです。「継続は力なり」と昔から言われていますが、続けることで知識が
つき、日常に役立てることで、人間性が高まるのではないでしょうか。

知識よりも、実践を伴った智恵をつけたいものです。


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