V・E・フランクルのことば       もどる



V・E・フランクルは本を通した師であり、生きる意味を学びました。
辛苦の中で出会った、『宿命を超えて、自己を超えて』は衝撃でした。
メルマガ・エッセイにも、フランクルから学んだエッセンスを私なりに綴っています。
他にも強く影響を受けた先生はみえますが、どこかでフランクルをご紹介したいと思い、人間学ロードに掲載いたしました。

 ヴィクトール・エミール・フランクル
(1905〜1997) 精神医学・心理学者

意味の心理学=ロゴセラピーの創始者

ウイーン生まれのオーストリア人。ドイツの強制収容所生活を体験。
逆境の中で、生きる意味を見つめ、希望を捨てずに苦難を克服した人です。
その体験を基に、世界的ベストセラー『夜と霧』を発表しました。

ロゴセラピーの骨子=勇気・希望・信頼・愛

 

自己の存在価値を明確に持っている人間は
どんな困難にも耐え抜くことができる

どんな人生にも意味がある


あなたの存在、あなたの人生には、すばらしい意味がある。
いかなる絶望にも希望がある。人生はうまくいくようになっている。
ただ、そのことに気づきさえすればいいのだ。


自分の成功や楽しみに目もくれぬ人・・・自分を忘れ、ある事やある人に・・・
仕事や人間に愛を傾ける人・・・そんな人にはすべてがひとりでにやってくる。
成功も楽しみもである。


待っている人 あるいは持っている仕事への責任を自覚した人間は、生命を
放棄することは決してできない。
また、ほとんどいかなる困難にも耐えられるのである。

人間は悲しみを通して物事の本質を見抜く力、世界を透視する力が養われ、
高い次元の存在を感じ取れるようになる。苦悩を受け入れることで清らかな
幸福が流れ出してくる。

どんな状況でも人生にイエスと言う意味があります。
そればかりか、どんな状況でも人生にイエスと言うことができるのです。

人の心が充たされるのは、自分や自分の幸福のことを忘れ去り自分にとって意味のある何かに取り組んでいるとき、または自分のことを必要としてくれる「何か」や「誰か」のために何かができるとき・・・人間の心はそのようにできている。

苦悩とは、人間を成熟させて真実の自分を呼び覚まし、生きる意味を成就させるチャンスそのものである。

幸福は結果であり目的とするものではない。

人生に期待するのは間違っている。人生の方が私たちに期待しているのだ。

人間は遺伝や環境によってのみ つくられるのではない。

未来には自分によって生まれる何かが待っている。

人生は結果の責任まで人間に要求したりしない。

人間存在とは「小さな神」であり、絶対者である「神への通路」である。
人間の本質は神性であり、自分の内なる神への絶対的信頼感が自己を超越
させる。(神性:ロゴス)=人生の究極の意味は超越である

苦しみを自己処罰として捉えない。愛である神が人間が苦しむのを望まない。

「脱反省」意識を自分自身にではなく、行為そのものに向ける。

 

        自己超越のための3つの意味(価値)

1・創造価値: 創造行為を通して得られる意味=仕事・子育て・学問・芸術

2・体験価値: 体験を通して得られる価値・意味=自然・芸術・愛

3・態度価値: 運命に対し模範的な態度を取ることで得られる価値・意味

ロゴスの覚醒=対象との一体化
※自身が何らかの喜びに満たされていること

意味ある行為=自分を忘れて没頭できる何か
無我の境地→自己超越=人間の実存的本質 (無条件・無私の行為)

      本来の自分に生まれ変わる

 人生には発見されるべき価値や意味がある

1・意志への自由 (いかなる境遇でも自由意志を持つことができる)

2・意味への意志 (意味と目的を発見し充足するのは人間の努力である)

3・人生の意味   (創造・体験・態度生きる姿勢の中に意味を見出す)

生きることは価値判断(学習)と選択の連続である

 

              参考図書

夜と霧:ドイツ強制収容所の体験記録 V・E・フランクル 霜山徳爾(訳)   みすず書房  1985年

それでも人生にイエスと言う V・E・フランクル 山田邦男・松田美佳(訳)     春秋社      1993年

宿命を超えて、自己を超えて V・E・フランクル 山田邦男・松田美佳(訳)     春秋社      1997年

<生きる意味>を求めて    V・E・フランクル  諸富祥彦(監訳)
                           上嶋洋一・松岡世利子(訳)                春秋社      1999年

フランクル回想録:20世紀を生きて V・E・フランクル  山田邦男(訳)     春秋社      1998年

フランクルに学ぶ       斉藤啓一                          日本教文社  2000年


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