STAFF | |||
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プロデューサー | ジーン・ロッデンベリー | 脚 本 | サミュエル・A・ピープルズ |
監 督 | ジェイムズ・ゴールドストーン | アソシエート・プロデューサー & A.D. | ロバート・H・ジャストマン |
作曲・指揮 | アレキサンダー・カレッジ | 撮影ディレクター | アーネスト・ホーラー、ASC |
製作デザイナー | ウォルター・M・ジェフリーズ | アート・ディレクター | ローランド・M・ブルックス |
撮影エディター | ジョン・フォーリー | セット装飾 | ロス・ダウド |
衣 装 | ウィリアム・ウェア・シース | サウンド・ミキサー | キャメロン・マッカロッシュ |
ポストプロダクション ・エグゼクティブ |
ビル・ヒース | 音楽編集 | ジャック・ハンサカー |
サウンド・エディター | ジョセフ・G・ソロキン | プロダクション・スーパーバイザー | ジェームズ・ペイズリー. |
衣 装 | ポール・マッカードル | 特殊効果 | ボブ・オーヴァーベック |
音楽コンサルタント | ウィルバー・ハッチ | 音楽コーディネーター | ジュリアン・ダヴィッドソン |
メーキャップ・アーチスト | ロバート・ドーン | ヘアースタイル | ハーゼル・キーツ |
音 響 | グレン・グレン・サウンド社 | フォトグラフィック効果 | ハワード・A・アンダーソン社 |
製作責任者 | ハーバート・F・ソーロー社 | 協 力 | ノーウェイ社 |
GUEST | |||
ゲイリー・ミッチェル | ゲイリー・ロックウッド (納谷悟朗) |
エリザベス・ディナー | サリー・ケラーマン (北浜晴子) |
Dr.マーク・パイパー | ポール・フィックス (寄山 弘) |
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STORY | |||
銀河系の辺境へとやってきたエンタープライズは、そこで約200年前の地球の宇宙船SSバリアント号の遭難信号レコーダーを発見した。搭載されている記憶バンクを解読したところ、磁気嵐に遭遇し航行不能に陥り、乗員数名が死亡し1名が重傷から回復していた。このあたりからよく聞き取れなくなり、繰り返し超能力(ESP)に関するデータの要請があり、それからほどなくして船長が船を自爆させたことが判明した。 カークはこのテープに驚いたが、断固として銀河バリアーの突破を決意する。やがてエンタープライズの前方に出現する巨大なエネルギー体。全ての計測器に反応を示さないそのエネルギー体は艦を包み込む。からくもエネルギー体を脱出するエンタープライズだったが、その衝撃により2名が気絶し9名の死亡者が出ていた。その2名とはカークの士官時代からの友人ゲーリー・ミッチェル少佐と精神科医リズ・ディナー博士だった。 意識の戻った二人には何処にも異常は見られなかった。ただ、目が銀色に輝いていたことを除いては……。しかし、驚いたことにミッチェルは、今まで一度も見たことのない資料を完全に理解しながら脅威的なスピードで読んだり、身体の全機能を停止させ、死んだふりをすることができた。 死亡した9名の乗員と、ミッチエル少佐らの共通点を調べるカークとスポックは、それら被害にあった者が全員、高いESP指数の持ち主であったことを突き止める。ミスター・カトーはミッチェルの超能力が驚くべき速さで強くなっていることを指摘し、早く殺さなければバリアント号の二の舞になってしまうとカークに警告するが、かつて一番の親友だった男を殺すことはできないでいた。 目が光り、周囲の人間の心さえたやすく読んでしまう超能力に目覚めたミッチェルは、自分が神に近づいたとうそぶき、エンタープライズを支配しようとする。カークはそんなミッチェルを辺境の惑星デルタ・ベガへ置き去りにしようする。しかし絶大な力をふるい始めたミッチェルの前に、カークは成す術をもたなかった。同じように変化し始めたディナー博士を連れて逃亡しようとするミッチェルを、カークはフェイザー・ライフルを持って追跡するが、超能力により殺されそうになる。 ディナー博士はミッチェルが発狂し、自分を神だと信じ込んでいるのに気づき、カークを助ける。こうしてカークはかろうじてミッチェルを倒すことに成功するのだった。 無事、エンタープライズ号に戻ったカークは、航海日誌にミッチェルとディナーを謀反ではなく、航海中に死亡と記録するのだった。 |
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NOTE | |||
63万ドルを費やした1本目のパイロット・フィルム「THE CAGE」はボツになったが、NBCはシリーズの企画を眺めてもう一度チャンスを与えても良さそうだと判断し、TV史上初の第2パイロット版製作が行われたのである。 しかし、NBCは企画を多少手直しするように要求し、ナンバー・ワン、航宙士タイラー、ドクター・ボイスら多くのキャストが不必要とされた。この時、NBCがキャストから外すことを要求した人物の中にミスター・スポックもいた!彼の悪魔的な容姿は人々に気に入られるはずはない。と判断したのだった。 ロッデンベリーはバルカン人こそスタートレックの未知の探検を象徴すると考えていたので、スポックははずすべきではないと強く主張した。(この時、もしスポックがはずされていたなら、TNG, DS9, VOYAGERと続く今のスタートレックは存在しただろうか?) ゴーサインが出され、3つのスクリプト台本の依頼が来た。このうち1本が承認を受けて、第2パイロット版として製作されることになる。ロッデンベリーは「The Omega Glory(細菌戦争の果て)」、「Mudd's Women(恐怖のビーナス)」の既にあるセットや衣装を再利用できる2本の台本を書いたが、NBCが要求してきたのはギリシャ悲劇のあらゆる要素、豊富なアクションシーン、彩り鮮やかなオプティカル効果などを備えた良質のSF作品だった。この要請に従いサミュエル・A・ピープルズが書いたのが「Where No Man Has Gone Before(光るめだま)」だった。 NBCは3つの中でもっとも難しく金のかかりそうな「光るめだま」を選び、製作が開始された。ジェフリー・ハンターがカーク船長役を断った為、ウイリアム・シャトナーがこの大役についた。今作より後にレギュラーとなるチャーリーとミスター・カトーが登場するが、Dr.マイク・パイパー、スミス下士官、アルデン通信士官は「光るめだま」が最初で最後の出演となった。 このエピソードは、ほとんどゲーリー・ミッチェルを中心に話が進んでいる。ある任務の中でカークの命を救ったことや、カークに恋を取り持ち結婚寸前までいったことなど、ミッチェルとカークの関係が盛り込まれている。 全体的には全員の服装や、スポックのメイクなど、シリーズとは微妙に異なる点がいくつかあるが、単なるSFアドベンチャー物ではなく、人間ドラマとしての要素や、SFマインドあふれる設定が明確に打ちだされており、この時点でスタートレックらしさが、すでに確立していたことがよくわかる。 神の力を得た男と、万能の力を得ても人間の欠点はすぐには克服できないとさとすカーク。このふたりのやりとりこそ、ロッデンベリーが本作で一番語りたかった部分ではないだろうか。 ここで登場する「フェイザー・ライフル」は、このエピソードだけにしか登場しない。もっと活躍の場があったなら、プレイメイツ社あたりが玩具化したに違いない。 因みに、この「光るめだま」には2ヴァージョンあり、ジーン・ロッデンベリーがNBCに提出した方は放映されなかった。 |