Errand of Mercy / クリンゴン帝国の侵略

STAFF
脚 本 ジーン・L・クーン 監 督 ジョン・ニューランド
GUEST
コール ジョン・コリアス
(滝口順平)
エイルボーン ジョン・アボット
(高塔正康)
クレイメア ピーター・ブロッコ
(峰 恵研)
トレファイン デビット・ヒラリー・ヒューズ
(谷津 勲)
少尉 ビクター・ランディン
(矢田耕司)
   
STORY
 銀河連邦に隣接する、強大な軍事国家クリンゴン帝国。その和平交渉は決裂し、いま両者は全面戦争の火蓋を開こうとしていた。エンタープライズ号は、戦略的に重要な惑星オルガニアに派遣された。
 上陸し、牧歌的な生活を営むオルガニア人の長老エイルポーンに対して、連邦に加わるよう訴えるカークとスポック。しかし彼らはふたりの来訪は歓迎するものの、連邦に加わることは柔和に拒否する。戦争が始まれば自分たちの惑星が戦場になってしまうことなど気にもしていない様子なのだ。
 クリンゴン帝国のコール提督の艦隊によって、たちまち占領されてしまうオルガニア。カークとスポックは商人に化けてスパイ活動を続けるが、エイルボーンは、クリンゴンの圧制に対してもまったく抵抗せず、いとも簡単に彼らに隷属することを認めてしまう。捕まってしまったカークとスポックは死刑を宣告されるが、すぐにエイルボーンにより救出される。
 彼らの行動に困惑する両軍の指令官、カークとコール。そんな彼らの目の前に、そして遠く離れた地球とクリンゴンの母星に、突如オルガニア人が出現した。彼らの正体は、遷か過去に物質の限界を越えてしまった、高度な精神生命体だったのだIそれと同時に高熟を発して使用不能になる、両軍のすべての惑星と艦艇上の武器。エイルボーンは、クリンゴンと連邦のどちらにも工義はないと諭し、平和こそが何物にも優先されると語る。かくして銀河系の覇権を賭けた一大決戦は回避され、あとにはいつの日か理解しあうことになるであろう、ふたつの国家が残されていた。
NOTE
 クリンゴン帝国がスタートレックに初めて登場したエピソードが本作である。本作以降、クリンゴンと連邦の間にはオルガニア条約が施行され、中立地帯(ニュートラルゾーン)の設置や、不可優条約の締結などが行われている。余談だが、劇場版「スター・トレックVI 未知の世界」のノヴェライズ版(J・M・ディラード著)では、オルガニア星人が突然消えてしまったため、連邦とクリンゴンの関係が悪化しているという件がある。
 クリンゴンの司令官コールを演じるジョン・コリコスは「宇宙空母ギャラクティカ」('77)の敵役など、悪役を数多く演じている。