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STAFF | |||
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脚 本 | オリバー・クロフォード | 監 督 | ジャド・テイラー |
GUEST | |||
ベレ | フランク・ゴーシン (中田浩二) |
ロカイ | ルー・アントニオ (仲村秀生) |
コンピュータの声 | (中村美智子) |
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STORY | |||
病原菌に汚染された惑星アリアナスの滅菌を命じられたエンター
プライズは惑星に向かう途中、宇宙艦隊第4基地から盗まれた宇宙
艇を発見、収容した。乗っていたのは顔の右半分が白、左半分が黒
というまったく未知の黒星人であった。惑星セロンのロカイと名の
るその男は、艦の中に匿ってもらいたいと頼んできたが、アリアナス
での任務終了後に第4基地へ引き渡されることになった。 ところがさらに未知の宇宙船が猛烈なスピードでエンタープライズ に接近してきた。しかし宇宙船は分解してしまい、乗っていた男が エンタープライズに転送されてきた。 彼はセロンの反政府活動取締局長ベレと名乗り、破壊分子のロカイを 5000年も追い続け、ついに宇宙船の寿命が尽きてしまったのだ。 ベレはロカイの引き渡しを迫るが、カークは正規の手続きを踏まなければ、 引き渡しには応じられないと言って拒否した。 要求を拒否されたベレはエンタープライズの制御を思考力で乗 っ取り、進路をむりやりセロンヘと変更した。しかしアリアナスの 任務は急を要する。カークは自爆装置を作動させ指揮権を取り返し た。セロン人の争いの原因が顔のどちら側が白か黒かという偏見に よると知ったスポックは種族間の感情的な対立が惑星の滅亡を招 きかねないことを警告する。 アリアナスでの任務は無事完了したが、基地に帰還する途中ベレ は自爆装置を破壊し再び船をセロンに向かわせる。しかし彼らの母 星はすでに両種族の争いで滅亡してしまっていた!無意味な争い だというカークの説得も虚しく、憎しみにかられたふたりは最後の 闘争を続けるべくセロンヘ降りていった。 |
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NOTE | |||
STAR TREKの中で、最も多く扱われている人種偏見による種族間の争いを描いたエピソードである。「顔のどちら側が黒いか白いか」とは、まさに「白人と黒人」という問題に置き換えることができる。しかし、このエピソードではこの問題に直に取り組まず、偏見の問題として検討されている。 脚本のリー・クローニンは第1、第2シーズンでプロデューサーを務めたジーン・L・クーンの別名であり、STAR TREKに深く関わっている彼ならではの物語といえる。 尚、クローニン名義での脚本は、本作の他に「Spock's Brain / 盗まれたスポックの頭脳」、「Spectre of the Gun / 危機一髪!OK牧場の決闘」、「Wink of an Eye / 惑星スカロスの高速人間」と、いずれも第3シーズンでは人気の高い作品ばかりで、クーンのSTAR TREK作家としての特性を高く評価できる。尚、本件でのつき放すような絶望的ラストはSTAR TREKにしては少々珍らしいテイストがある。 カークがエンタープライズの自爆装置を作動させるという場面は、後の映画「スター・トレック3/ミスター・スポックを探せ!」でも見られる。 |