■レベルE_●(第1話)An alien on the planet
No | 掲載号 | 総頁数 | 発売日 | WJ(※1) | コミックス(※2) | 席次(※3) | J(※4) | 5 10 15 20 |
001 | 1995年42号 | 60 | '95/9/19 | 3〜5 11〜30 43〜79 |
5〜65 | 1 | 20 | ******************** |
※1 WJ(週刊少年ジャンプ)に掲載されたページです。
※2 コミックス(単行本)に収録されているページです。
※3 ジャンプ本誌でのの作品掲載順位です。
※4 ジャンプ本誌での総作品掲載数です。
◆1人でやりたく思い,月イチになりました。忘れた頃に載ります。御気軽に読んでください(義博) |
※5 ジャンプ本誌の巻末(単行本未収録)での冨樫先生のコメントです。
■巻頭柱(※6)・あおり(※7)・巻末柱(※8)文句・扉絵(※9)
コメント | 扉絵 | 備考 |
無限の宇宙より水の星へ…危機(クライシス)来訪!? 目を開いても見えないものがある…そして目に映るものが真実の世界とは限らない!! 月明りが照らすのは平穏無事な一日の終わり…だがすでに危機(ソレ)は始まっている!! |
バカ=キ=エル=ドグラ 筒井雪隆 江戸川美歩 |
・表紙 ・カラー(3) ・多色刷(20) |
注:上の図の見方は上側が巻頭柱(※6)、中があおり(※7)、下側が巻末柱(※8)文句です。
※6 柱文句とは作品のタイトルやあおり文句とは別にマンガのコマの端っこに書かれた文句です。
※7 あおりとは作品の最初のページに作品のタイトルとは別の文句です。
※8 (※6)同様に巻末に書かれた文句です。
※9 作品のタイトルが書かれているページの登場人物です。
■次号予告(※10)一覧
Eの領域(エリア)に君も直撃!!次号より、『レベルE PRESS』がスタート!! |
・冨樫義博先生待望新連載!!待たせたな!!宇宙の彼方から未知の知性体飛来!! 冨樫義博先生SF・ホラー新連載!巻頭カラー60P堂々スタート!! 人類襲う知られざる宇宙!! 新連載第2弾 レベルE 冨樫義博(表紙) ----- ・次回『レベルE』は第46号に来訪決定!衝撃のNo.002も絶対目撃!!(P78左端下) ----- ・宇宙サイズのプロジェクト・発進!! レベルE PRESS カット/冨樫義博 『レベルE』の世界を広げる超大型企画がスタート!! 広大な宇宙がキミの部屋とドッキングだ!!(P39/バカ=キ=エル=ドグラ) ----- ・レベルE PRESS 宇宙サイズの大型企画「レベルE」に関するスーパープロジェクト!!(P472) |
注:上の図の見方は上側が作品巻末予告、下側がジャンプの柱及び次号案内の文句です。
※10 次号予告とは作品の最後のページにかかれている次号の予告のことです。
[あらすじ] 主人公バカ=キ=エル=ドグラが織り成すスーパーアクションSFコメディ。ちょっとブラックユーモアちっく含む。 [解説] 冨樫義博先生の復帰作。『レベルE』第1話。 表紙には冨樫義博の文字が3つ大きく並び、前予告も大きく、毎週にわたって作品が載らない週も特集がくまれ、作品名よりも『冨樫義博』先生のことが大変に強調され、人気漫画の作者からカリスマ的存在になった作品と思われます。どれをとっても特別、破格の扱い。幽遊白書終了後同人誌を配って世間をあっと驚かせた彼がついに沈黙を破った作品。 ▼1995年41号の予告紹介文(『レベルE』の予告号)
______________週刊少年ジャンプ読者アンケート ▼週刊少年ジャンプ第42号愛読者アンケート
_____週刊少年ジャンプ1995年42号、愛読者アンケート 一部引用 レベルEの初回アンケートではついに『今後どのような展開を期待しますか?』という項目が 消えました。もう冨樫先生には自由に書いてくださいというジャンプの編集部の姿勢が窺えます。 あなたの書く作品が売れる作品です。と太鼓判を押し、 『今後の展開』をどういう方向にもっていってほしいのかを編集部は読者には聞きませんでした。 今までは編集が用意したいくつか選択肢と、その他の欄で自分の希望を書くこともかないましたが、 もう介入は、読者アンケートによる意見提供は冨樫先生との折り合いを悪くするだけだと悟ったようでも あります。それに読者はアンケートなどなくてもファンレターで希望を書くと思われますので。 アンケートの要望は絶対的多数意見の出資者側からの意見となりますが、ファンレターならば あくまで参考意見にしかならないからです。 かわりに『面白かった、つまらなかった、どちらともいえない』という抽象的で、なおかつわかりやすい表現で 雪隆か王子どっちにより活躍してほしいか、こういう作品が面白いかどうかを質問しているだけです。 もう『冨樫義博』というネームがついていればそれだけで読者は手に取るだろうということを暗示 しているとも思いました。テーマが読者に関心ある、ないにかかわらず、読者が冨樫義博先生の エンターテインメント力についていくと編集側が信じているように感じられるのです。 作品名よりも『冨樫義博』の名前をジャンプの前面に押し出して、テーマに関心をむかせるよりも 冨樫義博の名前がここにあるよ!読んでみないかという意図のほうが強く感じられました。 電車の中吊り広告、前号での執拗なまでの冨樫義博の名前の繰り返し。 発売された連載開始号の表紙にも冨樫義博の名が踊っています。 そしてこの作品はジャンプが作家の実力を試した実験的な作品でもあると思われました。 あえて読者の意見を求めなかった意図がここにあると思います。 HUNTER×HUNTERでも同様に展開に対する要望の項目はありませんでした。 (かよーの独り言) 冨樫先生の知識の広くて深いところがあますところなくでてきたレベルE。登場人物の魅力よりも設定やネームの面白さが窺えました。まさにストーリテラーの名をほしいままにされたように思います。もともと冨樫先生は読切時代からストーリーテラーといわれていた人です。それでも幽遊白書の一時期に見られるバトルの繰り返し(とはいっても一つ一つの闘いに意味と奇想天外性はもたせていたものの)とは大きく異なる展開です。 「さあ、みんなで考えよう」の使用は『クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!』の司会の逸見さんの常套句でした。 1話の草野仁さんも3時ごろワイドショーで司会をされています。 作品サブタイトルも順番に見ていくと映画の名前目立ちます。 野球関連もチェックすればするほどに実在ネームとかぶるので探してみては? ______________冨樫先生と野球 松川商業高校は、1996年夏(第78回大会)の大会優勝の松山商業高校のもじりであり、(実際、この回を発表する前年優勝が松山商業)甲子園チェックも細かいものです。この回に登場する憧れの『松川商業』の『今居選手』は愛媛県立松山商業高等学校第3学年(当時)の背番号3番ファースト、今井選手のことを指していると考えられます。 松山商業は決勝戦で熊本工業高校との対戦で11回の表にして決勝点3点を獲得し、チームワークと個人の技術もあり、この決勝は名試合としてかなり語り継がれています。松山商業は27年ぶり、5度目の優勝を飾った古参の強豪校でした。 ちなみに、この年の春の甲子園のテーマソングは岡本真夜さんのデビュー曲『TOMMOROW』。おなじみカラーレンジャー黛真夜と同じ名前の人です。夏の甲子園になるころにも放送されていました。この曲を聴いて元気になった人多いと思います。今や応援歌の定番であり、無名時代に真夜さんがお友達にあてて作詞作曲したエールの曲が有線放送、ドラマのテーマソングにてミリオンセラーになり、この年の暮れには紅白出場、これまで歌手と作詞作曲側は別と考えられていた時代から、女性シンガソングライターの地位が明確化された記念すべき曲だと思います。1998年には彼女の曲は教育出版と音楽之友社の高校用の教科書に掲載されています。 ラファティが述べたように山形県勢が当時からさかのぼって、過去ベスト4に輝くことがなかったのも事実でした。 ところで『幽遊白書』の桑原和真の名前の由来はPL学園出身の桑田真澄(巨人)と清原和博(巨人)の組み合わせだということは容易に気付くところですが、この二人はKKコンビといわれ、特に清原氏のホームラン記録は未だに破られることもなく、『甲子園は清原のためにあるのか?』という解説者による有名なセリフも生まれました。(この解説者はお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りします) 桑田真澄投手はピッチャーとして有名ですが打者としてもかなり強かったそうです。彼らは第72・73・74回と甲子園出場を果たしています。 冨樫先生はプロ野球選手だけではなく甲子園にも熱い思いがあるのでしょうね。 水島新司先生の作品(水島先生はプロ・甲子園などの野球マンガを主として発表され、冨樫先生が作品の模倣をはじめてしたマンガ家であり、マンガ家としては早くから高額納税者として台頭、活躍していた)やあだち充先生の『タッチ』を読まれていたようです。 レベルEでは山形県を舞台にされていますが、山形県は冨樫義博先生の故郷です。正確には山形県新庄市なのですが、漫画家としてデビューするまでに冨樫先生が生まれ育った場所です。また冨樫義博先生の小学生時代の夢は『プロ野球選手』であり、幽遊白書でも生まれ変わったらシリーズで巻頭コメントに『阪神を逆指名』するなど野球に対する思いはかなり熱いと思われます。中学校時代は野球部に所属し、幽遊白書連載当時にお住まいのお部屋にある水槽のマーブル(熱帯魚)やグッピー(熱帯魚)の名前に阪神の選手の名前をつけ、そのことを後に担当らが語られるぐらいなのですから。 また、故郷に対する気持ちもかなり熱く、プライベートで一番感じる音楽も地元の祭囃子(毎年8月下旬に開催の250年前から伝承されてきた由緒ある祭のお囃子)である『カッコ(羯鼓)』『スクワタリ(宿渡)』をあげられていますし、地元のインタビューにも答え、イメージキャラクター『かむてん』をデザインされています。 鞨鼓というのはもと中国に鞨(つけ)より伝来した、雅楽の左方楽に用いる打楽器の一つ。 実際のお囃子はとてもテンポの速い曲です。 2000年2月8日付けの山形新聞によると新庄市はイメージキャラクター『かむてん』を題材にした創作民話を公募したところ、669作品の応募があり、なんと都道府県別で応募していないのは3県、海外からも応募という大々的な反響があったようです。 これは民話の里として募集して得られた結果という見方が正しいのかもしれませんが、冨樫先生がキャラクターデザインに携わったことがこれだけの反響を得られた結果ではないのでしょうか。冨樫先生がデザインしたということは明確に報じられたことでしょう。新庄市のゴミ袋は冨樫先生のデザインの『かむてん』が印刷され、商店街のカードなどにも採用されているので、市に行けば『かむてん』はとても身近に感じられるはずです。 |
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参考文献:ジャンプ・コミックス『レベルE』
冨樫義博(集英社)
『週刊少年ジャンプ』(集英社)
1995年41・42号