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表1 ―究極の名勝負・名コンビ―
順位 究極の名勝負 得票率 名コンビ(ベスト・コンビ) 得票率
蔵馬VS鴉 0.17 蔵馬&飛影 0.36
飛影VS武威 0.17 飛影&ムクロ 0.36
浦飯幽助VS戸愚呂(弟) 0.14 浦飯幽助&飛影 0.16
蔵馬VS天沼月人 0.13 *
浦飯幽助VS飛影 0.07 *
幻海VS戸愚呂(弟) 0.04 *
蔵馬VS凍矢 0.04 *
浦飯幽助VS陣 0.04 *
浦飯幽助VS仙水忍 0.03 *
10 蔵馬VS海藤優 0.03 *
次点 浦飯幽助VS朱雀 0.03 *
総数 8595 1 4340 1

表2 
単行本(結果発表) ジャンプ(結果発表) ジャンプ(募集) ジャンプ(募集期間)
名勝負 第17巻P185〜187 1994年13号P113〜115
(1994/3/1(火)発売)
1994年3/4(合併)号
(1993/12/21(火)発売)
1993/12/21(火)
〜1994/1/21(金)消印有効
名コンビ 未収録 1994年43号P431
(1994/9/27(火)発売)
1994年号34号
(1994/7/25(火)発売)
1994/7/25(火)
〜1994/8/22(月)必着

表3 ―人気投票募集項目作品―
募集日数 原作 アニメ 懸賞品(※1)
名勝負 32日 ○1994年2号
【幽☆遊☆全書vol.1】
浦飯チーム徹底分析
●1994年3・4(合併)号
【幽☆遊☆全書vol.2】
浦飯幽助特集
●1994年5号
【幽☆遊☆全書vol.3】
桑原和真特集
●1994年6号
【幽☆遊☆全書vol.4】
暗黒武術会出場チーム分析

単行本未収録
○【第90話】1994/7/23
【友の遺志を継げ!】

●【第91話】1994/7/30
【覚醒の時!バトル再び】

●【第92話】1994/8/6
【究極の戦い!魔族の証】

●【第93話】1994/8/13
【決着!魔界の死闘!】

●【第94話】1994/8/20
【エピローグ!明日へ!】
フィールドパーカー
(15名)

イラスト:
浦飯幽助
桑原和真
南野秀一
飛影
名コンビ 29日 ○1994年33号
【幽☆遊☆全書vol.1】
浦飯チーム徹底分析
●1994年34号
【幽☆遊☆全書vol.2】
浦飯幽助特集
●1994年35号
【幽☆遊☆全書vol.3】
桑原和真特集
●1994年36号
【幽☆遊☆全書vol.4】
暗黒武術会出場チーム分析

単行本未収録
○【第90話】1994/7/23
【友の遺志を継げ!】

●【第91話】1994/7/30
【覚醒の時!バトル再び】

●【第92話】1994/8/6
【究極の戦い!魔族の証】

●【第93話】1994/8/13
【決着!魔界の死闘!】

●【第94話】1994/8/20
【エピローグ!明日へ!】
(※2)

投票期間中に掲載された作品やアニメの回です。
●は募集期間に掲載・放映されたもの。
○は募集期間前に掲載・放送された作品です。
※1 懸賞品とはジャンプで人気投票に応募したら、抽選でもらえたものです。
※2 但し、原作のジャンプオリジナル品に限って記載。

表1は『幽☆遊☆白書』が連載中『週刊少年ジャンプ』本誌で行われた「究極の名勝負」と「ベスト・コンビ」の
結果発表を参考に得票率を算出したものです。

表2は結果発表および募集期間の一覧です。

表3は募集期間中に掲載・放映された作品のリストです。

名勝負は投票者の89%の人が上の順位の人に投票されました。それにしても1位の蔵馬VS鴉と2位の飛影VS武威では50票しか違わなかったのですがこのころ蔵馬は飛影をどんどん追いかけていました。人気投票も4回目があったとすればもしかしたら逆転ということもあったかもしれません。アニメ関連の人気投票では蔵馬は飛影を超えています。原作では飛影は人物そのものに惹かれる人が多いみたいですが、蔵馬は闘い方に惹かれた人が多いのかもしれません。

テレビ朝日に『決定!これが日本のベスト100』という番組でアニメの名場面、登場人物を視聴者から応募してランク付ける番組があるのですが、アニメ放送後10年を経て、蔵馬VS鴉の回の放送が何回もランクインしていました。
興味深いので考察すると、

◆2002年9月29日放送『涙と感動のアニメ最強名場面ベスト100』の回で19位にランクインしています。
(ちなみに1位はフランダースの犬で、39位には幽遊白書最終回の幽助と螢子のキスシーン*も)

◆2003年4月20日放送『史上最強のTV名場面ベスト100(アニメ名場面全50位)』では25位にランクインしています。
(この回のアニメ名場面1位は『さようならドラえもん』の回でしたが、9月29日放送の回では後編となる『帰ってきたドラえもん』が
ランクインしていました。そして前回1位だったフランダースの犬は6位へ。)

◆2003年5月25日放送の『もう一度聞きたい!アニメ名セリフ ベスト50』で37位に、蔵馬VS鴉の回の「そいつからは逃げられんよ!バーン!」という蔵馬のセリフが入賞しています。

この闘いはアニメでは1993年11月13日放送で『決死の蔵馬!最後の手段』の回の番組前半部分で確認できます。
(原作では幽★遊★白書11巻96ページ、初出は1992年11月10日火曜日発売の少年ジャンプ1992年49号の第96話『秘技応酬!!の巻』です。(アニメ視聴率ではこの月の平均視聴率が19.4%で、席次も20作品掲載中常に5位以内をキープしていた時期でした。)

●ベスト・コンビで他に寄せられたコンビ群
[幽助&螢子][飛影&雪菜][幻海&戸愚呂(弟)][仙水&樹][蔵馬&ぼたん][幽助&柳沢][明石&岩本]
[陣&凍矢][快晴&風吹][酎&鈴駒]   


―かよーの私的コメント―

名勝負イチオシは10位の海藤VS蔵馬。これで幽遊カッコイーと思ったんですからねー。
(でも幽助ファン)無血で読後が爽快な試合でした。肉弾戦より頭脳戦のほうが好きなのです。

蔵馬VS鴉の回の名台詞…残念ですが、覚えていませんでした。あのセル画(蔵馬が血を流してバーン)がさるオークションで複製にかかわらず30万円で落札されて行くのも見ました。

でも不思議とこの時期のアニメ情報誌のアニメディア(学研)1994年2月号発表の今月の名場面、(1994年11月の募集分)を見ると2位なんですね。そして選んだ読者のコメントは鴉を圧倒的な力で吹き飛ばしていた蔵馬よりも、なかなか妖狐になれなくても試合を放棄しなかった蔵馬に共感されていたようなのですが。

そしてこの月の名場面入りを見ると1位は53話の「嵐の前! 悲しみを越えて」(幽助が幻海に向けて空に向けて霊丸を放つシーン)で、約50票も突き放していました。

そこのところが今回のベスト100でとても気になったところです。当時見て分からなかった、気持ちが今の投票になったとも言えますが、血を流して相手を転がす蔵馬に名シーンと感じるのはちょっと疑問でした。そしてこのシーンが幽遊白書を代表する名シーンといわれるのも気になりました。

流血しても体が傷ついても美しい魔闘家鈴木からもらった『前世の実』が鴉との闘いに唯一の希望といえた薬がきかないなかで焦りがうかびあがる場面で鴉との戦いをあきらめない蔵馬がかっこよいのではなかったのでしょうか。

この場面からは妖狐蔵馬の表情の美しさから選ばれたとしか思えないのが素直に感心できないのです。また、番組側もあえて妖狐が鴉を転がしているのを特にとりあげていたのにも。本当に名場面は薬が切れて、今まで圧倒的な立場から、南野秀一の人間の体に戻って圧倒的不利な立場になってもあきらめずに戦い、仲間に希望を託して、魔界の植物を魔界から命をかけて召還しようとした場面ですよね。ああ、でもお母さんにりんご剥こうかって言った蔵馬の方が胸をついたのよう。

名勝負で2位の飛影VS武威。こちらはどこにもランクされてはいなかったのですが、飛影ファンと蔵馬ファンの違いをみた気持ちでした。登場人物に関する人気投票にはよく飛影は入っているのですが、彼はランキングなどで募集される名場面にはあまり登場しません。彼の生き方は確かに格好よくみえる場面はあっても作品進行の中で彼を中心として突出した名場面になるシーンがあまりないのです。

雪菜救出編で雪菜を思う兄としての飛影は確かにいい兄貴ですが、飛影はこの回は花を桑原に譲り、人間を嫌いにならないでくれといった桑原にスポットが当たり、名場面とよくうたわれるとのやりとりはアニメはほとんど省略されました。

彼は名場面こそないけれど、ヒーロ的な人物でした。努力家であり、自分の大切な人に一途であること、他は語らないでもわかりますよね、飛影の魅力。

お母さんのために命をかけたり、幽遊白書史上無血で海藤を負かし明晰頭脳さを魅せ、少年誌での闘いの新しい可能性を見せた蔵馬こそ私はかっこいいと思っただけに、不思議な結果でした。

でも、原作では冨樫先生はこの回をほとんど一人で書き上げたそうです。(ヨシりんでポン!P14より)
だから、冨樫先生にとっては相当思い入れのあるシーンだとは思います。その意気をファンの皆さんが感じた上で投票されたなら納得もいくことですね。

それにしてもネロもハイジもドラえもんもすごいんですが、この投票何回もすればするほど安っぽく見えるのですね。まるで刷り込みのよう。直接アニメであのシーンをみたことのない読者が何度も名場面特集で放送されるから名場面と信じてしまうような気持ちになりそうなんです。確かに名場面なんですが。今の本当に毎日毎日アニメを楽しみにしている人たちが一度でも見たのかなあと疑問です。

名前を変えて、たくみに人気があるテーマだから何回もするのでしょうが、コメンテーターのコメントも世代が偏ったり、司会者も
名場面すらも持ち前のお笑い・ブラックな切り口で痛々しい斬られっぷりで、80年代、90年代、現在放送中のアニメなどで分類わけ投票させたら投票自体来ない時代もありそうで。

どうやって放送しても偏りそう。でもあと30年くらい経ったら、どんな結果になるやら。(幽遊白書を支持する人の中心層は小中高校生が中心。なので知名度が落ちた30年後、新たに作品を知る機会を得て若年読者を獲得するか、往年のファンをどれだけひきつけているかが投票ポイントになりそうですね。どの作品にも通じることですが。その頃幽遊白書が大好きで投票できる人が何人いるかも気になります。

ベストコンビ、3位までしか結果が公開されなかったのは残念ですね。


参考文献:ジャンプコミックス『幽★遊★白書』
第7巻P90、P91/第12巻P147、P148
冨樫義博
『週刊少年ジャンプ』(集英社)


第1回キャラクター人気投票
結果発表:1992年11号P44/45より
(1992/2/18(火)発売)

募集:1992年1/2(合併)号
募集期間:(1991/12/10(火)発売
〜1991/12/23(月)消印有効)


第2回キャラクター人気投票
結果発表:1993年号P14/15より
(1993/2/23(火)発売)

募集:1993年2号
募集期間:(1992/12/15(火)発売
〜1993/1/15(金)消印有効)


第3回キャラクター人気投票
結果発表:1994年43号P429より
(1994/9/27(火)発売)

募集:1994年号34号
募集期間:(1994/7/25(火)発売
〜1994/8/22(月)必着)