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■幽☆遊☆白書_●(第1話)さよなら現世!!の巻

No 掲載号 総頁数 発売日 WJ(※1) コミックス(※2) 席次(※3) J(※4)    5   10  15  20
001 1990年51号 45 '90/11/20
(火)
9〜12
17〜40
49〜65
5〜49 1 20 ********************

※1 WJ(週刊少年ジャンプ)に掲載されたページです。
※2 コミックス(単行本)に収録されているページです。
※3 ジャンプ本誌でのの作品掲載順位です。
※4 ジャンプ本誌での総作品掲載数です。

■作者コメント(※5)

◆初心に戻ってかきました。自分自身が,納得できる話作りを目ざします。応援してね。(義博)

※5 ジャンプ本誌の巻末(単行本未収録)での冨樫先生のコメントです。

■巻頭柱(※6)・あおり(※7)・巻末柱(※8)文句・扉絵(※9)

コメント 扉絵 備考
◆いきなりの交通事故!!倒れているのは、もしかして、ひょっとして主人公・・・!?

あっという間のあの世行き!死にきれないぜ このままじゃ!!

◆みんなの涙が、哀しみが、幽助の気持ちを揺さぶった・・・!!生き返りたい!!
浦飯幽助
ぼたん
群衆
・表紙
・カラー(4)
・多色刷(24)

注:上の図の見方は上側が巻頭柱(※6)、中があおり(※7)、下側が巻末柱(※8)文句です。

※6 柱文句とは作品のタイトルやあおり文句とは別にマンガのコマの端っこに書かれた文句です。
※7 あおりとは作品の最初のページに作品のタイトルとは別の文句です。
※8 (※6)同様に巻末に書かれた文句です。
※9 作品のタイトルが書かれているページの登場人物です。


■次号予告(※10)一覧

第52号、幽助に与えられた試練とは!?『コエンマ大王!!』の巻。
・あっけなく死んじまった俺だけど・・・!物語はそこから始った!!
45P巻頭カラー3 究極感動新連載 幽☆遊☆白書 冨樫義博(表紙)
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・生き返ることを決意した幽助は螢子のもとへ!!『幽☆遊☆白書』(P59左端柱)
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・新連載第2回!! 幽☆遊☆白書 冨樫義博
幽助が生き返ることをついに決意!!そのことを伝えたくて螢子のもとへ!!(P43/幽助・螢子)
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・好評連載第2回目 幽☆遊☆白書 冨樫義博
生き返ることを決意した幽助!!螢子の前に出現、しかし螢子は・・・!?(P440/幽助・螢子)

注:上の図の見方は上側が作品巻末予告、下側がジャンプの柱及び次号案内の文句です。

※10 次号予告とは作品の最後のページにかかれている次号の予告のことです。


[あらすじ]

不良中学生浦飯幽助は幼児を助け、交通事故死。それは人間の魂の行く末を決める死後の世界、霊界にとって予定外の死であったため、水先案内人ぼたんに霊界に案内され、霊界裁判官代理のコエンマによって生き返るチャンスを受けるかどうかを尋ねられる。しかし幽助はなかなかその返事に素直になれない。しかし、自分の通夜で幼馴染雪村螢子、喧嘩相手桑原和真、担任教師竹中、母親温子、事故で助けたはずの子ども、マサルとその母親の行動を見て・・・

登場人物相関図(幽遊白書第1巻第1話より推測)


[解説]


いわずとしれた冨樫義博先生の代出世作。『幽★遊★白書』第1話。この作品が週刊少年ジャンプに掲載されたのは1990年11月20日火曜日発売の週刊少年ジャンプ1990年51号に究極感動新連載の第3弾としてでした。

表紙を飾り、前号予告、1990年11月13日火曜日に発売された1990年50号で初めてその作品の予告が掲載されました。すでに予告のページには主人公の浦飯幽助と幼馴染雪村螢子の姿があります。当時からすでに確立されていた新連載に対するジャンプの期待がこめられているのか4ページもの予告、そして特報の印、それらをしょった出発でした。当時はすでにアニメ化した作品を何本もかかえ、500万部以上の売り上げを持ち、ジャンプが黄金期といわれたころでした。


▼1990年50号の予告紹介文(『幽☆遊☆白書』の予告号)

感動いっぱい!ハートも震える!!
J(ジャンプ)に、心あったか、優しいゴースト現れる!!
冨樫義博先生入魂のハートウォーム新連載!!

新連載第3弾!!巻頭カラー45P
幽☆遊☆白書 冨樫義博

子供の命を救うため、自らの命を落とした不良、
浦飯幽助!天国にも地獄にも行けない幽助は
幽霊になって、人間界に舞い戻ってきた!

(『週刊少年ジャンプ』1990年50号P42/43より)
○秋に話題の新連載第3弾!!
幽☆遊☆白書

巻頭カラー45P冨樫義博
寒さ吹き飛ぶ感動ウォームコミック!!


とびきりの悪が人助け・・・!?
死ぬはずのない奴が死んで起こる胸キュン物語!!
冨樫義博先生が送る感動読物!!

(『週刊少年ジャンプ』1990年50号P433/434より)

 特報 次号より、冨樫義博先生、入魂の心温まる新連載『幽☆遊☆白書』開始!!
巻頭カラー45ページでキミの心を揺さぶる!!
(『週刊少年ジャンプ』1990年50号P381左端柱より)

______________週刊少年ジャンプ読者アンケート


さまざまな賛否が繰り広げられたアンケートがもれなく新連載掲載号にもついていました。
主にこの号のアンケートは幽遊白書についてのみを書かれていますので引用します。



▼週刊少年ジャンプ第51号愛読者アンケート
☆今週号から始まった新連載『幽☆遊☆白書』について、質問します。

●主人公・幽助のキャラクターについてどう思いましたか?(いくつでも可)

親しみがもてる 親しみがもてない 男らしい ひょうきん
カッコイイ カッコ悪い 新鮮 古くさい 強い 弱い
明るい 暗い 平凡 その他(     )

●キミは、この漫画にこれからどんな展開を期待していますか?

おっちょこちょいの幽助が、失敗をくりかえすギャグ的展開。
幽助と螢子がくりひろげる、ラブコメ的展開。
神出鬼没の幽助が、日本中の困った人を助けていく展開。
死後の世界を幽助が冒険していく展開。
生と死とのはざまにいる幽助の心情をえぐる、シリアスな展開。
その他(     )

●一番印象に残ったコマはどこですか?

(   )ページの(   )コマ目

_____週刊少年ジャンプ1990年51号、愛読者アンケート 一部引用



どんな展開を望みますか?という質問。LUNE管理人ならを選ぶだろうなと想像した皆様はいかがですか?
キャラクターについてはひねくれものの管理人はあっさりその他を選びました。

当時のジャンプにはこれからの展開にちゃんとラブコメ展開も用意されていたことが今ではむなしい限りです。



(こぼれ話)


______________幻のイラスト

初連載の表紙には幽助、螢子、ぼたんの姿がありますがこのイラストに関しては単行本では未収録で後に全員応募サービスのテレホンカードの図案にも使用されています。(全員応募サービスのテレホンカードは全部で3枚ありました。うち1枚は書下ろしの螢子でした。螢子の書き下ろしのカードは幽遊白書のカードの中では少年漫画系テレホンカードを扱う金券ショップなどでは比較的で回っていて、価格を含めて手に入りやすいものです。)他1枚のカードのみ単独幽助なのですが、イラストが単行本1巻、画集に収録されています。

この表紙は幽遊白書連載後に発売された大特集『jumpnovels Vol.7(集英社)』で多色刷で再見することができました。全員応募サービスのテレホンカードのイラストと比較するとぼたんの位置がより近くなっています。また、テレホンカードにはぼたんの着物の裾、オールの柄の部分がしっかり見られることから、表紙用のものは切り貼りしたことが分かります。特に幽助のカットのみ1998年の週刊少年ジャンプ創刊30周年記念原画集(発売は神戸開催のみ)冨樫氏の30周年によせたコメントとこの原画集のみの限定公開イラストと一緒に再録されています。

______________幻の登場人物

単行本1巻22ページの温子が見ているテレビ番組のアイドルらしき女性。見覚えある方もいらっしゃるのでは。少し管理人の推測も入りますが『黒木マヤ』幽遊白書の前作、『てんで性悪キューピッド』で登場した主人公のライバルです。彼女はTV界進出を計画と『てんで性悪キューピッド』単行本4巻、特別書下ろしその後のてんで性悪キューピッドで紹介されています。本当に彼女なら芸能界に進出して男の人をとりこにできるよう頑張っているようです。他にも単行本1巻には『てんで〜』の紀藤辰男が登場しています。彼が制服を着用していて、女の子にだれ〜だと触れていることから工業高校在学中(1年か2年次)であることが推察されます。

______________皿屋敷中学の校則と制服


アニメで幽助の制服の色は『緑色』とほぼ定着された方も多いと思われます。が、第1話の幽助の制服の色は他皿屋敷中学の生徒と同じ紺色でした。

緑色で着色された箇所は幽助が自分の横たわっている姿を上から見下ろすシーンとギャグで救急隊員を追いかける時の制服の色のみが緑色。きっと主人公を強調させるために変色させたんですよね。と言いたいところですが

これは光の加減のせいとかなんとでも言い訳できそうですが、幽助の制服の色はとりあえずみんなと同じ色でした。制服生地はおそらく同じなのです。単行本第1巻の表紙の制服の色は緑色で背表紙は紺色幽助の制服の違いの理由は変色加工なのです。きっと。

皿屋敷中学女子生徒の制服、螢子の制服の襟は3本の白線のセーラー服でした。表紙以外ではすぐに線は省略されてしまったようです。しかし夏服は腕章が2本線であったりします。たいていは腕章と襟の白線は同じ本数なのですが、皿屋敷中学の場合、夏服の襟に白線はありません。市町村立などの公立の中学校の制服というのは校区で区切られ、基本の制服に白線で区別をつける場合が多いのですが、白線の本数がコロコロ変わるのでは、複数の校区の制服を取り扱う仕立て屋さんは非常に苦労していると思われます。すぐ近所に累ヶ淵中学もありますしね。(男子は金ボタンにたいてい校章の彫りこみで区別をつけているようです)

セーラー服で白線のないものというのは一般的にアダルト関連の衣装です。アダルトの世界できちんと法を守っているなら白線は一切使われないそうです。(幽遊白書の世界はフィクションの世界なのでなんともいえないですが、他にもアダルトの世界では『○子『校』生』は法に触れませんが『○子『高』生』は明らかに法に触れます。)

次に制服の次に気になる頭髪ですが、幽助や桑原らのリーゼントは例外としても、螢子はカラーゴムを使用していて(連載第1回の表紙のゴムはオレンジ、単行本1巻のゴムは赤。他にも飾りゴムの使用)、螢子の友人も飾りゴムを使用しています。頭髪に関してはさほど厳しい様子もありません。

学生鞄は黒の普通の鞄のほかは指定バックもないようですし、ジャージも一般的な皿屋敷中学です。
ただ、女子が体育時にブルマ使用なのがまだ90年代はじめをよく表しています。現在は幼稚園〜ほとんどが短パンですからね。

気になるところは、女子のネクタイはオレンジのかかった黄色でこの色はとても珍しいですね。紺、白、エンジ、紫、黄緑はよく見かけられますが黄色、橙はきわめて珍しいと思います。

ところで幽助・桑原愛用のリーゼントの由来。リーゼントスタイルとは『前髪をひさしのように盛り上げ、両横の髪は後方へなでつける』という頭髪のスタイルです。1930年代エルビス・プレスリー、ジェームズ・ディーンが流行させ、『リーゼント』の由来はロンドン市のストリートの名前で、通りの形が緩やかなカーブでその形が良く似ていたことに由来します、またこの地の若者の間で生まれたスタイルです。日本のリーゼントの有名人は矢沢栄吉。桑原の愛猫の名前とも同じです。

幽助と桑原の制服はボンタンでいわゆる特攻服といわれるものですね。あそこまで改造するのは至難の業のはず。
カーラーを外し、襟とウエストを詰めて、ズボンを膨らまし、内側に刺繍を施すのは並たいていの業ではございません。

幽助の使用するポマードは80年代終わり〜90年代初期を色濃くにおわせる一品です。
原材料ににウグイスのふんが含まれるものもあり、独特の香りを放つ液体です。便利で安価なムースやスプレーなどの整髪剤が登場し始めのころなのに、あえてポマードを使うあたりがこだわりなのかもしれません。

朝シャンしてサラサラーヘアにドライヤーで念入りブローしてムースで毛先をかためるのが当時のおしゃれでした。
その少し前は女の子は聖子ちゃんカットが基本で単行本第2巻の髪の毛が燃えてしまった螢子が『ケンカばかりしてちゃダメよ』と作中でグラビアってるあのワンカットの髪型です。あだち充先生のタッチ(小学館)のヒロイン浅倉南の南ちゃんカットとも言うような。

まだ、ワックスやジェルなどの整髪剤、カットもシャギーやレイヤーなどの梳く技術や、ソバージュはあってもカーブの緩やかなパーマ、カラーリングもなく、毛染めもほとんど白髪染めが中心で、茶髪や金髪がとても珍しい時代です。(ブリーチも一般的ではなく、頭髪を直接染め粉で染めている時代でした)

アニメの靴下はネクタイとおそろいで薄い黄色というのはドッキリ事実でしたね。う〜ん皿屋敷中学特殊な学校。

最後に校則です。


労働基準法 第56条(1) 満15才に満たない児童は労働者として使用してはならない。

という法律がありますが、大久保くんは特例としてアルバイトを許可されていました。

中学生である大久保くん(桑原の舎弟であり同級生である事実から、彼の年齢は15歳未満だと推察されます)、特例の法律もあって13歳からの賃金を伴う労働も可能ではあるのですが、とても見つけるのは困難だと思われます。

現在の法律では、実はこの連載当時が1992年だったのですが、2000年4月1日以降は満15歳になったその年度の3月31日を過ぎるまでは労働者は児童を使用してはならないと改められています。

実際問題としては中学校就学生徒に関してはアルバイトが許可されないのが一般的なようです。

補足として、映画などの子役や満13才以上の児童に許可される健康及び福祉に有害でなく、かつ、その労働が軽易なものについては、行政官庁の許可を受けて児童をその者の修学時間外に使用することができるともあります。職種も労働内容も基準法の別表第1第1号から第5号に掲げられています。

いずれにしても労働の対価を賃金として得るならば学校に許可を求める必要があり、大久保君は実際にその許可をとっています。不良と呼ばれてもズルはしないところが桑原組(勝手に命名)の正当な手段を持って立ち向かう一途さ、実直さあふれるところです。

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参考文献:ジャンプ・コミックス『幽☆遊☆白書』
冨樫義博(集英社)

『週刊少年ジャンプ』(集英社)
1990年50・51号