3月末で廃業する、野上電鉄株式会社の法人解散が、運輸大臣に認められました。
利用者の減少から経営不振に陥り、さらに国の補助金打ち切りに追い打ちをかけられた野上電鉄では
これ以上会社を存続させることは難しいとして、廃業を決定し、運輸大臣に対して今月31日で
法人解散の認可申請をしていたもので、今日の認可で野鉄の廃業が正式決定されたことになります。
運輸省ではすでに地元の運輸会社「大十株式会社」が野鉄からバス事業を継承することを認可しており、
4月1日から「大十」が海南市の日方(ひかた)―野上町の登山口駅間の11.4Kmで、
1日に28往復のバスを走らせることになっています。
一方、和歌山県では廃業後の線路敷地を買収して道をつくり、従来の道路を拡幅してバスがスム―ズに
通れるようにすることにしており、新年度予算では11.4Kmのうち登山口駅寄りの4.4Kmを
買収する費用10億円を計上しています。
3月8日 テレビ和歌山ニュ―スライブ6より) |
これでついに野鉄の廃線が正式に決定されてしまいました、最近沿線では多くの鉄道ファンや
アマチュアカメラマンが見られますが、残念ながら「構内や車内での写真撮影は厳禁」という貼紙は
消えておりません。
また、野上町長は登山口駅近くの楠公園に野鉄の車両を保存するため、会社に車両を譲渡して
くれるよう申請しているそうです。
はたしてどの車両が保存されるのでしょうか、私が思うに24号(もと阪神、5枚窓の明治製菓の広告
電車、但し塗装を戻してから)か、明かり採り窓のすばらしい32号を残して欲しい所です。
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野上電鉄では今月いっぱいでの廃止を控え、18日から「おわかれ記念乗車券」を発売する
ことになりました。
この「おわかれ記念乗車券」は、日方から登山口までと登山口から日方までの写真入り切符2枚で、 1セット920円6千セットの限定販売となります。 |
野鉄の写真撮影の件は 某在阪テレビ局さえ車内での撮影は断られたようですので、
かなり難しいようです。
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3月31日の「登山口行」最終電車は急遽増結された24号を含み、26−25−24の豪華3両編成で、
別れを惜しむ人々で積み残しも出るほどの超満員でした。
登山口到着後日方まで回送され、翌日24号、32号は古巣の阪神電鉄へ、27号と31号は登山口
から運び出され、それぞれ野上町内に保存されました
26−25は長らくの間、日方駅のホームで発車待ちのような姿で、他の車両で登山口に放置されていた
2両を除き残りの車両はすべて日方駅構内にあったが、残念ながら翌年初頃に駅舎、車庫と共に
解体されてしまいました。