野鉄廃止への経緯 5


Posted : 94/03/08 23:15
From : JA3PLB
To : RAIL
Subject: 野上電鉄の廃業認可される

3月末で廃業する、野上電鉄株式会社の法人解散が、運輸大臣に認められました。

利用者の減少から経営不振に陥り、さらに国の補助金打ち切りに追い打ちをかけられた野上電鉄では これ以上会社を存続させることは難しいとして、廃業を決定し、運輸大臣に対して今月31日で 法人解散の認可申請をしていたもので、今日の認可で野鉄の廃業が正式決定されたことになります。

運輸省ではすでに地元の運輸会社「大十株式会社」が野鉄からバス事業を継承することを認可しており、 4月1日から「大十」が海南市の日方(ひかた)―野上町の登山口駅間の11.4Kmで、 1日に28往復のバスを走らせることになっています。

一方、和歌山県では廃業後の線路敷地を買収して道をつくり、従来の道路を拡幅してバスがスム―ズに 通れるようにすることにしており、新年度予算では11.4Kmのうち登山口駅寄りの4.4Kmを 買収する費用10億円を計上しています。

3月8日 テレビ和歌山ニュ―スライブ6より)

これでついに野鉄の廃線が正式に決定されてしまいました、最近沿線では多くの鉄道ファンや アマチュアカメラマンが見られますが、残念ながら「構内や車内での写真撮影は厳禁」という貼紙は 消えておりません。

また、野上町長は登山口駅近くの楠公園に野鉄の車両を保存するため、会社に車両を譲渡して くれるよう申請しているそうです。

はたしてどの車両が保存されるのでしょうか、私が思うに24号(もと阪神、5枚窓の明治製菓の広告 電車、但し塗装を戻してから)か、明かり採り窓のすばらしい32号を残して欲しい所です。

94−03−08 JA3PLB


Posted : 94/03/16 03:26
From : JA3PLB
To : RAIL
Subject: 野鉄、さよなら乗車券発行

野上電鉄では今月いっぱいでの廃止を控え、18日から「おわかれ記念乗車券」を発売する ことになりました。

この「おわかれ記念乗車券」は、日方から登山口までと登山口から日方までの写真入り切符2枚で、 1セット920円6千セットの限定販売となります。

発売は今月18日から、日方、重根紀伊野上、登山口の4つの駅と野上電鉄本社定期券発売所で 行われます。

また、下記の野上電鉄・運輸課で通信販売も行っています。
申し込み方法は、切手を貼り、宛名を記入した返信用封筒と現金または郵便定額小為替による代金を 送付する事になっています。

また、今月29日からの3日間は運行する車両の前後左右4面に80年間の別れを告げるプレ―トや 横断幕を付けるということです。

申込先 〒642 海南市日方1011番地
野上電気鉄道株式会社 運輸課


返信用封筒は タテ23cm×ヨコ12cm以上のもの
送料 2セットまで 80円 3〜4セット 90円
5〜8セット130円 9〜20セット270円

尚、記念乗車券の絵柄は表紙が日方駅での24号(広告塗装)
紀伊野上―動木間の柴目川橋りょうを渡る31、32号の2両連結(広告なし)
日方駅構内の24号(昔の緑色塗装)裏面は車両竣工図表となっています。

テレビ和歌山 MEDIA90 ニュ―スライブ9より)

野鉄の写真撮影の件は 某在阪テレビ局さえ車内での撮影は断られたようですので、 かなり難しいようです。

94−03−26 JA3PLB


野鉄さよなら切符32号1 野鉄さよなら切符 旧々塗色24号

おわかれ記念乗車券

 3月29日から「ありがとう81年 さよなら3.31 野上鉄道株式会社」の横断幕をつけ 運転される。

3月31日の「登山口行」最終電車は急遽増結された24号を含み、26−25−24の豪華3両編成で、 別れを惜しむ人々で積み残しも出るほどの超満員でした。

登山口到着後日方まで回送され、翌日24号、32号は古巣の阪神電鉄へ、27号と31号は登山口 から運び出され、それぞれ野上町内に保存されました

26−25は長らくの間、日方駅のホームで発車待ちのような姿で、他の車両で登山口に放置されていた 2両を除き残りの車両はすべて日方駅構内にあったが、残念ながら翌年初頃に駅舎、車庫と共に 解体されてしまいました。


野鉄資料館に戻る