ESCUDO SPEC

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Power unit

新エンジンは1600cc1カム16バルブ。

その行く手は、平坦な道ばかりではない。乗用車に等しいオンロード性能と、クロスカントリー4x4として通用するオフロー ド性能を同時に求めたエスクードにとって、走破すべきステージはあまりも広い。ハイウェイを含むオンロードでは、あくまでも 機敏に、かつのびやかに。オフローでは、あくまでタフでねばり強く。ひと言でいえば総合性能の高さこそが目標であり、その実 現のために、G16A型エンジンに1カム16バルブ方式を新採用した。まず基本にロングストローク設計があり、中低速域のト ルクを厚くしている。その上で、吸排気バルブを1気筒に2個ずつセットした4バルブ(4気筒で16バルブ)方式でバブル開口 面積をひろげ吸排気の効率をアップした。だから高速域までストレスなく吹き上がる。いわばランナーとしての呼吸機能を強化し たわけだ。ハイパワーと全域フラットトルク、さらに鋭いレスポンスをも手中にして、扱いやすく運転の楽しいエンジンに仕上が っている。燃焼室はクロスフロー方式のベントルーフ型。吸排気効率をより高め、なめらかな加速を生み、高回転まで気持ちよく 伸びる。この気持ちよさを静かに味わえるのも特徴のひとつである。軽く剛性の高いアルミ鍛造シリンダーブロックやクランクシ ャフトの8枚フルバランスウエイトによって振動と騒音を抑え込み、静粛性もハイレベルにしている。

さらに精密、マルチポイントEPI。

電子制御によって燃料噴射をベストにコントロールするEPI(Electronic Petrol Injection:電 子制御燃料噴射)システムについては、すでに評価が高いので、基本情報は不要と思う。新開発ポイントにしぼってご紹介しよう。 まず噴射システムは、4気筒すべてにインジェクターを装備するマルチポイント式が新採用された。各気筒ごとに混合気が最適に 分配され、とにかくレスポンスが良い。しかもエンジンの4バルブ化(吸気X2、排気X2)に対応して、各インジェクターのノ ズルから2方向に噴射する2ジェット式を採用しているので、分配はより精密に行なえる。吸入空気量センサーとして直接計量タ イプのエアフローメーター(マスフロー式)も新採用され、制御をより正確にしている。この新メーターは振動に強いので、4X 4用EPIとして歓迎したい。またEPIに加え、ESA(電子進角)によって点火時期も最適に電子制御されることになった。 さらにコンピューター制御で、アイドリング回転数を安定させるISC(アイドル・スピード・コントロール)も搭載している。 エンジンはかなり電子化されたことになるが、現代の水準として、けしてゆきすぎということはないだろう。基本のロングストロ ークメカニズムをじっくり熟成させた上での採用だから、乗り手はおいしい果実のみを安心して味わえる。果実というのは、むろ んネット100ps/6000rpmのパワー、14.0kg−m/4500rpmのトルク、そして全域のシャープなレスポン ス。軽量コンパクト・ボディとの組み合わせで、絶妙のトータルバランスを発揮する。

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