クロックアップについて

機器のメーカー保証外の動作につきましては、全て自己責任となります

●クロックアップって何?
CPUを定格より高い速度で使用する事です。自作機の場合、簡単にクロックアップ出来るので、PC自作の楽しみの一つでもあります。なおビデオカードやメモリもクロックアップできる物もありますが更に知識を要する様です。

●どうやるの?
CPUの速度と言うのは周波数(FSB)と倍率で決まります。

例えば・・・
2000MHz(FSB200)の物で200×10で動いていると仮定します。これをマザーボードの設定で周波数をあげ、仮にFSB210に設定した場合は、210*10で2100MHz(実際の表示は2100とは違くなる場合もあります)となる訳です。

倍率は固定のCPUが多いので大抵はFSBを上げる事でクロックアップします。

●どの位まで上げられるの?
普通、安定して動かしたい場合は定格で動かした場合の一割増程度以下、つまり2000の物なら2200以下にとどめる事をお勧めします。この程度なら大抵問題なく動きます。

但し、CPUの種類によってやたらとクロックアップ耐性が高い物があり、そう言った物は例外的にもっと上げても安定動作する物もあります。また個体差によって「ハズレ」と言われる物があり全くクロックアップできない物も存在します。

●放熱対策は?
少し上げるだけなら普通の純正ファンで平気です。オーバークロック用の大きなヒートシンク&ファンもありますが特別買いかえる必要もないでしょうが新規に買う機会があればお勧めです。

最近はシリコングリスを使う事は必須になっていますが、高級品を利用すると言う方法もあります。

その他に、ケース内部を簡素化し空気の流れを出来るだけ良くしたり、熱を発する部品(HDD等)を最小限に留める等の工夫も良いと思います。

マザーボードのメーカーで提供するシステムを監視するソフト(ハードウェアモニターやシステムモニター)があれば、利用した方が良いと思います。これでCPUやチップセットの温度を見る事が出来ます。定格の時とクロックアップした時の温度差を見ておくのも参考になると思います。

●クロックアップしたら動かない
CPUには個体差がありますので全くクロックアップできない物も存在しますが定格で動けば不良品ではありません。

動かない・・・には幾つかありますが
1.電源入れても何も反応しない、バイオスすら起動しない
2.OSが立ち上がる前に止まる
3.OSは立ち上がるけどまともに動かない

これは上げ過ぎた場合に起こる事がほとんどですが(特に1の現象)、CPU電圧を上げる事(電圧可変のCPUやMBも多いので、この必要は無い場合もあります)で回避できる場合もあります。マザーボードで電圧を細かく設定できる場合は取り合えず0.5ボルト程上げてみましょう、1.65Vが定格なら1.70Vにします。付け加えますと電圧を上げれば当然CPUの温度も負担も更に上がります、安定して使いたい場合は1ボルトまでに止めた方が良いと思います、2ボルト上げると安定するか不明です。

●トラブルについて
クロックアップすれば当然CPUの寿命は縮まるでしょうし、最悪の例では他の機器も破壊してしまったり、HDDも壊してデータを無くしてしまうなんて事もあります。大事なPCでは行わない方が無難です。

なお、メーカー保障やショップの保障なんかも当然無くなりますので全て自己の責任においてやる事になります。

●その他
CPUのメーカーが保障する定格の動作と言うのはあくまでも保障された物なので、本来少しくらいあげても平気なのが普通と考えられています。また発売されたばかりの初期ロットと呼ばれる物より販売されて多少時間がたって改良された物の方がクロックアップ耐性が高いと言うのもよくあります。温度などに気を使わなければならないなどありますので気にせず安定して使えたほうが良いと言う方はクロックアップはしない方が良いと思います。

●簡潔な構成に
クロックアップしてFSB(ベースクロック、倍率では無い)を上げるとPCI等のバスなどの周波数も連動して上がりますので、バスにさしているカードも、クロックアップに応じて高い周波数に耐えられなければなりません。クロックアップをするPCで一番良いのはビデオカードのみという状態になります。


パワーストリップ ビデオカードのメモリクロックを操作できます

●ペルチェ素子
クロックアップマニアにはお馴染みの物ですが、電圧をかけると片面が冷たくなり片面が熱くなり放熱すると言う物、きちんとした知識の無い方は使わない方が無難だと思います。

●シリコングリス
経年でCPUの発熱により変質し粉上となり、かえって熱の伝わりを疎外する品物もあるらしい。

●ケースの蓋をしない
頻繁にケース内部をいじる人は蓋をしないという方は意外といます。これもかなりの冷却対策になります、でもあんまりお勧めできない方法です。

●ケースにセカンドファンを取付ける
最近のケースは、殆ど初めから付いていますが、冷却対策としてはお勧めできる方法。CPUのファンを大きくしたり強力な物にすると取り扱い上困難になったり音がうるさくなったりする事が多いんですが、こちらでしたら簡単で効果も大きいです。排気だけで満足行く効果が得られなければ、吸気用のファンも付ける等、いろいろ試す余地はあると思います。

●クロックアップ向けマザーボードとは
周波数・電圧の設定が細かく出来て、倍率の設定が幅広い物です。また電流・電圧系の保護機能の付いてる物も良いです、これらの機能他を備えた最初からクロックアップする事を目的とした様なマザーボードもかなり売られています。


前に戻る