良くあるトラブル

組み立てが終わって電源を入れた時に正常に動かないと言う事が昔は多かったのですが、組立時の設定等が要らない今の自作PCでは殆どなくなりました。それでもおかしい場合は以下の事を確認してみて下さい。

今の自作パソコンは、ATX仕様・設定の要らないSATAドライブが普通ですので昔に比べると簡単に組み立てられる様になっています。どこのショップでもオリジナルの組立キットを販売していますし、こう言った物を選ぶのも良いでしょう、気に入らないパーツは変更を受付けてくれる場所が多いです。

●パワースイッチケーブルの繋ぎ忘れ、繋ぐ場所の間違え

ケースのケーブルでマザーボード(以後、MB)に正確に繋がってないと電源が入らない物としてパワースイッチケーブルがあります。これはケース電源部のHDD用電源等とたばなっている物ではなく、ケースの全面に繋がっている細いねじられている数本のコードの事です。ちなみにパワーLEDランプはまた別のコードになります。細かい作業なのでさす場所を間違える事もあります。

HDDのアクセスランプが正常に動作しない場合等も繋ぐ場所の間違えか、逆にさしている場合があります。

(この作業が現在の機器で使えるかは確認していません) MBにCPUとファンを付けた状態で電源とパワースイッチケーブルを繋ぎコンセントを入れて電源ONしてファンが回り出せば正常です。

●CPUがMBに対応していない

ソケットの規格が同じでも、若干時間の経過したMBと最新のCPUを組合せたりすると、MBがCPUに対応していなかったり、対応していてもBIOSを更新しなければならない場合があります。

大抵はソケットが合っていれば動くのですが、CPUの認識がおかしかったり(例えばFSBが本来266のCPUなのに200になっていたりすると、クロックも下がった状態で動作する訳です)する事はあります。この場合、MBのCPU対応表(メーカーサイトで確認する)などで確認し、BIOS更新で対応できる物もあれば、最悪対応不可と言う場合もあります。

●MBとメモリの相性、メモリの不良

PCが高速化する中でメモリの相性問題は以前より神経質になっています。複数枚さす場合にメーカーの違う物や容量の違う物を一緒に使っていると高い確立で不安定になったり、動かない場合もあります。メモリは必ず同じ容量やメーカーの物を同時に使ます。

メモリを規格上の速度の上限で使うより、下げる事で安定して動作する場合があります。
(DDR800の物を667で使う等、BIOSの設定で変更します)

状況によってはメモリの不良も考えられます、但し、他のPCで使用して正常に動作するか等の検証を行わなければ、不良と判断する事は出来ません。

なお、古いメモリが残っているからと、使うとかえって良くない場合があります。

●CPUクーラーの取付ミス

CPUクーラーの取付が正しくされていなくCPUとクーラーのヒートシンクが密着していないと、電源を入れるとCPUの温度が一気に上がってしまう為、PCが起動すらしない事があります。この場合は一回外してみて、とにかくきちんとした取り付け方を覚えるしかありません。

●カードがきちんとささってない

基本構成ではLAN・サウンドはオンボードで、グラフィックだけがカードスロットに使用すると思いますが、奥までささっておらずに動作しないと言う事はあります。

※きちんと組立た電源も入るのに、ディスプレイに何も映らない・・・と言うような場合は大抵、グラフィックカードが少し外れている事を疑うと良いでしょう、郵送や移動による振動ですこし外れかかってしまうだけでもこの様な現象は起きます

●ケーブルの向きが逆 (SATA構成、FDDナシの場合はこの問題は無し)

通常は、FDDとIDEの二本だと思いますが、逆では正常に動作しません。ケーブルの片側に赤いラインがあるはずですが、それが1ピンと見てください、取りつけるコネクタには「1」と言う数字が普通書いてあると思いますので、それを合わせれば良いだけです、間違えたとしても逆にするだけです。

●IDE機器の割当 (SATA構成の場合はこの問題は無し)

普通はHDDと光学ドライブを繋ぐと思います。マザーボードのIDEポートは2つあり、1つ目をプライマリー、2つ目をセカンダリーと言います。また1つのポートには2台まで繋ぐ事が出来、1代目をマスター、2代目をスレーブと言います。

このマスター・スレーブの設定をそれぞれの機器のジャンパスイッチで設定をしてないと駄目なのです。設定方法は通常機器自体に書いてありますし、無かったとしても説明書などを見てください。通常はHDDをマスターに光学ドライブをセカンダリーのマスターに接続します。

図解
IDEポート 1台目の機器 2台目の機器
プライマリー(1つ目) マスター スレーブ
セカンダリー(2つ目) マスター スレーブ

その他、メモリの付け忘れや電源の繋ぎ忘れなどもあります。

●OSのインストールの際に (XP以降のOSでは、この問題は起こらないはず)
通常組みあがったら新品の場合はOSをインストールすると思います。その際にケースの蓋はせずに、ビデオカードのみ取りつけた状態で行いましょう。プラグ&プレイとはOSの持つ機能なのでカードを取りつけた状態でインストールすると設定がうまくいかない事が良くあります。

バイオスの細かい設定などは、使いながら覚えていきましょう。

※バイオス設定でこれだけは憶えておきましょう:Enable=有効・Disable=無効

●割り込み(IRQ)の重複 (USBが主流の最近では、この問題は殆どありません)
カードを沢山使う人にありがちなトラブルなのですが、パソコンの周辺機器とは1つの物が1つの割込み(IRQ)を使用する仕組みになっています。この割込みが重なってしまっている機器は正常に動かなくなります。通常グラフィックとサウンドの2枚と言う構成なら何の問題も発生しないのですが、SCSIカード・ビデオキャプチャー・LANカードなどと付けていくと、大抵足りなくなってしまいます。その場合は何かしら割り込みを使用しているが実際にその機器は使用していない物、例えばシリアルポートやUSBポートを使っていなければバイオスで無効にして、空き割込みを作ったりする事で回避します。

●AGPバスを使うときは (現在、PCI-E主流で、この問題があるのかは分かりません)
ビデオカードでAGPバスを使用するときは、PCIバスの一番上(AGPバスの真下)の物は同じ割り込みを使うので使えません、2番目の物から使用します。

●CMOSのクリア (昔のPCは、これで治る事があったのですが、今は関係が無い事が多い)
MBの設定を全てクリアする方法です。色々やっても動かない場合や不具合が出る場合は1つの手段としてやって見ると治る場合があります。マザーボードにあるジャンパスイッチで行いますので、やり方は各マザーボードのマニュアルを参照して下さい。注意点としてはマザーボードの電源コネクタを外して行います。

●ビープ音で判断する
パソコンに電源を入れる時「ピッ」となると思いますが、この「ピッ」は正常の意味です、どこかにエラーがあって起動しない際は、いくつか鳴り方があるのですが「ピーーーッ、ピーーーッ」の場合はメモリエラー、「ピーーー、ピピピ」の場合はビデオカードがおかしいというメッセージで、これはモールス信号になっているそうです。


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