国鉄の営業線上から蒸気機関車が全廃された翌年の昭和51年に鉄道ジャーナル社が制作した名作 ”くろがねの馬”。
何度も見たのですが、「どうして蒸気機関車のことを”馬”に譬えるのか?」、疑問でした。そういえば、
小海線のC56を”高原のポニー”とファンは呼んでいたそうですし、
米国ではインディアンは”アイアン・ホース”と呼んだそうですが。 どうして、蒸気機関車を馬に譬えるのか? 蒸気機関車に興味をもってから30年以上経っても、その疑問は解けていませんでした。でも、最近、 ライブスチームを動かしているとき、 「あっ! このことか」と、思うときが時折あります。 スチームアップし、蒸気圧が上がり安全弁からプシューと音がして蒸気を噴き出す様は、 荒い鼻息のごとく「さー、これから走るゾ!」という、走る気満々な感じがします。まるで、 競馬で競走馬がゲートに入り、ゲートが開くのを今か今かと走る気満々で待っているようです。 パーパス製 5インチゲージ C57
スチームアップが完了し、まもなく発車します。安全弁から蒸気を噴き出しています。 先日(平成27年9月)、はじめて参加させていただいた、おやべミニSLフェスタのレイアウトにおいて、 常設線路は8の字形の走行で、半分を走行し、駅に戻ると後半は駅通過後、ポイントを左方向に向かいますが、 ここからは急な上り坂で、しかもカーブ。OS S6のテコ式逆転機を2段目から前進フルギアに入れると、 ドラフト音が明らかに大きくなり、武者震いのごとく車体を震わせ、全力・全馬力を振り絞り、 上り坂に挑む様を目の当たりにすると、「なるほど、これが”くろがねの馬”かっ!」と、感じた次第です。 蒸気機関車が”馬”ならば、さすれば、名機関士(ライブSLでは兼機関助士ですが)は、 ”名騎士”あるいは”名騎手”ということになるのだろうか? |