今回のテーマは”一杯の違い”です。喫茶店のコーヒーと、スタバのコーヒーと、家庭で飲むインスタントコーヒーの違いでは
勿論ありません。火室に石炭を投炭する時に使用するショベルについてです。 次は3種類のショベルの写真です。 上は一番大きいショベル(自作) 真ん中は二番目に大きいショベル(自作) 下はOS製のショベル 縦向きにしてアップしたのがこの写真です。 右は一番大きいショベル(自作) 真ん中は二番目に大きいショベル(自作) 左はOS製のショベル OSの5インチゲージのコッペル、フォルテ、ドルテ、3.5インチゲージのクラウス、ブリタニアですと、OS製ショベルが 適当ですが、もっと大きい5インチゲージのS6、C21、シェイですと、OS製では小さく、もっと大きいショベルが欲しくて 作ったのが真ん中のショベルです。スコップの部分と柄の部分をそれぞれ購入して、つなぎ合わせたものです。一番大きいショベルは 5インチゲージの動輪舎のC56、セントラルの8620用に製作したもので、こちらもスコップの部分と柄の部分をそれぞれ購入して、 柄の部分の丸棒を削って差し込んで木ネジで抜けないように固定したものです。スコップの部分の左端と右端は焚口に入るように 折り曲げてあります。 それでは一杯でどのくらい投炭量が違うのでしょうか? OS製ショベルと最も大きいショベルでウェールズ炭のビーンズを使って比較してみます。 左はOS製ショベルで、右は最も大きいショベルで同じ石炭をすくった場合 その量を比較した写真は次です。 左はOS製ショベルすくった量、右は最も大きいショベルですくった量 計量計で重量を測定すると正確なのですが、あいにく手元にないので個数で比較すると、 OS製ショベルすくった量 : 最も大きいショベルですくった量 6個 : 21個 となり、最も大きいショベルではOS製ショベルの約5倍の体積です。つまり、動輪舎のC56において、最も大きいショベルでは 1杯ですむところ、OS製ショベルでは5杯の投炭を要することになります。手間はかかるし、それだけ長時間焚口を開けっ放しすることになり 火室内を冷やすことにもなってしまい、具合いよくありません。 大きいショベルは小さい機関車には使えません。第一焚口から入らないし。逆に小さいショベルは大きい機関車に使えなくはないですが、 適当ではないと思います。 次に同じショベルで異なる大きさの石炭をすくった場合の違いについて考えてみます。OSは大きさの異なる3種類のウェールズ炭を 販売しています。大きい方から、ナッツ→ビーンズ→グレインです。最も小さいグレインをすくった場合と、真ん中のビーンズを すくった場合を比較してみます。使うショベルはOS製です。 グレインをすくった場合 ビーンズをすくった場合 その比較した写真がこれです。 左はグレインをすくった場合、右はビーンズをすくった場合 計量計で重量を測定していないので正確ではないですが、見た感じでは、ビーンズをすくった場合の方が体積が多く、 グレインをすくった場合の約1.5倍ぐらいありそうです。つまり、ビーンズなら2杯のところを グレインだと3杯となるのです。実はこの差がけっこう曲者なのです。 私は以前、ビーンズを買うところを間違えてグレインを買ってしまったことがあります。それまで使っていたビーンズと同じように グレインを焚いていたら蒸気圧がうまく維持できないのです。火室内を見て何杯くべるか、判断しているのですが、頭の中にあるのは 杯数なのです。石炭の大きさの違いによる一杯の体積の差を考えていなかったのです。ですから、ビーンズと同じ感覚で グレインを焚いたのでは投炭量が足りなく、蒸気圧が下がってしまったのです。同じ種類の同じ大きさの石炭を使う場合は いいのですが、違う種類の石炭や、同じ種類でも異なる大きさの石炭を使う場合は、それに応じて投炭杯数を変えなければならないのです。 でも、理屈で分かっていても実際にやってみると、これが難しいのです。機関車が同じであれば、同じ種類の同じ大きさの 石炭を使うのが良いと思います。もし、ビーンズとグレインを混ぜて使うのであれば、同じ比率で混ぜると良いのでしょう。 要は使い慣れた石炭を使うのがやはり一番良いということだと思います。 |