ライブスチームの運転


2.私のOSコッペルの運転方法  (H27.11.8掲載)

1.運転準備
 ・運搬してきた車より機関車を降ろして、線路上に載せます。乗用台車も降ろして、上下を引っくり返して、 車輪類の点検、必要により注油し、ブレーキがかかることをテストして、線路に載せ、コッペルと連結します。
 ・機関車の下に潜り込み(線路が整備用に高架になっている場合)、 軸動ポンプや軸箱などのネジの緩みはないかチェックし、軸動ポンプのエキセン部にスプレーオイルを吹きかけます。
 ・走り装置類のネジの緩みなどがないことを点検し、駆動部分にマシンオイルを注油します。
 ・ルプリケーターのオイルタンクと、ドンキーポンプの給油タンクにスチ−ムオイルを給油します。
 ・ドレンコック(シリンダー排水弁)を操作し、コックが開閉することを確認します。 なお、コックの駆動部にスプレーオイルを吹きかけると動きが軽くなります。
 ・ブロアバルブを回転させ開けます(ボイラーへの注水時、ボイラー内の空気を抜くため)。
 ・ボトムタンクの排水弁が閉まっていることを確認の上、サイドタンクに注水します。
 ・軸動ポンプの動作確認のため、軸動ポンプの戻り弁を全閉し、ボイラーのブローダウンバルブ(水抜き)を 開けて、機関車を手で前後に押して、ブローダウン口から水が出てくることを確認します。
 ・次にハンドポンプを操作し、ボイラーのブローダウン口から水が出てくることを確認します。 ハンドポンプが正常動作しない場合は火を入れられません。 軸動ポンプとハンドポンプの正常性確認後、ブローダウンバルブを閉めます。
 ・ボイラー上部の注水口を開け、水面計の真ん中より少し上まで、注水します。
 ・ブロアバルブ、インジェクタ用蒸気バルブ、ドンキーポンプ用蒸気バルブ、レギュレーターバルブの すべてが閉まっていることを確認します。
 ・この後、着火しますが、その前にトイレに行っておきます。一旦火を入れたら、機関車から目を放すことができないからです。 (心がけ:有火状態の機関車から目を離さない)


2.スチームアップ
 ・着火剤、太平洋炭、ウェールズ炭(ビーンズが最適)を用意します。着火剤はオガ屑を固めて、オイルが染み込ませたもので 5〜6片ぐらい用意します。
 ・電動ブロアのスイッチを入れ、回ることを確認すると共に、 やや緩めの回転速度になるよう乾電池ボックスのクリップ位置、すなわち接続する乾電池の数を調整しておきます。 一旦スイッチを切って、煙突上にセットしておきます。
 ・着火剤を焚口に載せ、ライタ−で火を付け、すぐに火かき棒で火室内に押し込み、電動ブロアのスイッチを入れます。 着火剤すべてを火室内に入れ、続いて太平洋炭を入れます。大きさによりますが6〜10個ぐらい。
 ・電動ブロアのクリップの位置を変え、パワーを強くします。以後、適宜、太平洋炭を投炭します。
 ・圧力が3Kg/cmを超えたら、電動ブロアを煙突から外し、すぐに機関車のブロアバルブを少し開き、 電動ブロアのスイッチを切ります。安全弁が噴くまで、電動ブロアを使って昇圧してもかまいません。
 ・安全弁が噴いたら(コッペルは約5kg/cm)、ウェールズ炭を投炭します。

OSコッペル
OSコッペル
スチームアップが完了し、これから走り出します。

3.走行
 ・水面計を見て、水位が充分(できれば水面計の半分以上)であることを確認します。
 ・逆転機(リバーシングレバー)を前進にセットし、ドレンコック(シリンダー排水弁)を開け、加減弁を ゆっくり開けます。発車しないときは、手で押すなどして補助します。 ドレンコックはできるだけ早く閉めます(圧力低下の原因になるため)。走り出したら、ブロアバルブを閉めます。
 ・この間でも石炭はどんどん燃えているので、適宜、ウェールズ炭を投炭します。 この時点では火床の厚さは薄いので多く給炭します。安全弁が噴いてから発車まで速やかにおこなうのがコツです。もたもたしない。 石炭が盛んに燃え勢いづいているのに乗じたいです。
 ・走行中は、圧力計、水面計を監視し、軸動ポンプの戻り弁を調整します。水位は最低でも水面計に見えて いるよう給水します。
 ・駅などで止まる時は、止まる少し前にブロアバルブを開けてから、加減弁を閉めていきます。 停車中もブロアバルブは開けたままとし、次に加減弁を開けて走り出したらブロアバルブを閉めます。
 ・適宜、ウェールズ炭を投炭します。走行開始直後は火床の厚さは薄いので、多めに給炭します。 火床の最適な厚さは、この機関車の場合は焚口の最下点が上限かと思われます。
 ・しばらく(数十分)走行したら、ルブリケータのオイルタンクのスチームオイルが減っていることを確認します。 また、黄色っぽく変色していないことを確認します。もし、変色していたら蒸気が逆流している可能性がありますので。
 ・以後、給炭と、オイルタンクへのスチームオイルの補充と、サイドタンクへの水の補給を行い、 ”安全第一”で快適な運転を楽しみます。


4.運転終了
 ・加減弁を閉じて、機関車を停止します。逆転機はミッドギア(中立)にし、ドレンコックは開けます。
 ・機関車から乗用台車を切り離します。
 ・焚口戸を開け、ショベルで石炭を取り出します。取り出せるだけ取り出した後、灰箱のレバーを操作し、 残っていた灰をすべて落とします。
 ・次に、一般的には火格子を取り出しますが、コッペルの場合は構造上、付けたままです。
 ・火をすべて取り除いたら、ボイラーのブローダウンバルブを開き、ボイラーの水を抜きます。 蒸気圧があるときは蒸気が噴き出すので注意します。なお、蒸気圧があると早く抜けます。
 ・ボトムタンクの水を抜きます。
 ・煙室扉を開けて、煙管、煙突、煙突と煙室との接続部分、煙室内をブラシなどで掃除します。 このとき、ブラストノズルとブロアノズルに灰が入らないよう、注意します。
 ・ブローダウンバルブから水が出てこなくなったら、完全に抜くために、ドレンコックを開けたまま、 逆転機を前進または後進にセットし、機関車を手押しで前後動します。
 ・機関車をウエスで拭き清掃します。このあと、サビ防止のためオイルスプレーなどを吹きかけておきます。
 ・保管時は、加減弁やブロアバルブなどは開けておきます。ドレンコックも開けておきます。 ボイラーのブローダウンバルブは閉めておきます。軸動ポンプの戻り弁も開けておきます。 ルブリケーター(オイルタンク)内のスチ−ムオイルは抜かなくてもよいです。



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 <映像の解説>
  スチームアップし、安全弁が噴いたところで、ウェールズ炭をくべて、 出発したところから映像がはじまっています。 この時点では先に投炭した太平洋炭が燃えていますので煙突から煙が出ています。ブロアバルブは開いたままです。 ガーターで移動し出発線に向かっています。途中でくべているのはウェールズ炭です。 まだ太平洋炭が燃えていますので煙が出ています。 そして、本線に向かって発車します。ブロアバルブは開いたままです。 ドレンコックはシリンダの前後から数回排出したところで直ぐに閉めています。長時間開けると圧力が低下してしまいますので。 出発線から本線までは急な上り坂で、途中で止まるかもしれませんし、 本線上を列車が走行してきたら止まらないといけませんので、本線に出るまでブロアバルブは開いたままです。本線に出る直前で映像は終了しています。


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