(その2の続き) OS製3.5インチゲージの”クラウス”。その詳細を見てみます。 OS製クラウス 火格子(グレート)
クラウスの火格子は2個です。火室は縦75mm×横72mmぐらいです。
この面積でいかにして石炭を活発に燃焼させるか? かなり難しいです。
クリンカー(熱焼結)ができてしまったら面積小さいため、かなりのダメージになるでしょう。 OS製クラウス 火格子(グレート)
クラウスの火格子には上下があります。写真の左側の火格子は下側の隙間が広くなっています。
一方、右側の火格子は上側の隙間が広くなっています。正しいのは左側です。右側のように置くと、
隙間に石炭・灰が挟まってしまい、灰がスムーズに落下しません。
クラウスははじめて入手した石炭焚きのライブスチームでしたので、あまり考えずに当初は上下反対に置いていました。
あらためて組立説明書を見ると、上下正しく図で表記されていました。初心者には図だけではなく、
文字もあれば分かりやすいですね(例.上下注意)。 OS製クラウス ルブリケーター(機械式給油器)
クラウスのルブリケーターは煙室の下にあります。カバーをとって写真を撮りました。
機械式でラチェットは34山あります。軸動ポンプを駆動するエキセントリックタンブラーより前後動を受け、
ラチェット1山ずつ回します。 OS製クラウス 下側 全景
クラウスの重量は18Kgですので、容易に横倒しできます。しかし、
ルブリケーター内のスチームオイルが流れ出てしまいます。
この写真の撮影中もタラタラと流れ出てきて、椅子や床を汚してしまい、撮影後、掃除するはめになりました。
スチームオイルが付いたところを綺麗にするのは難儀です。 OS製クラウス 下側 前
右の↑はエキセントリックタンブラーとの接続点です。
左の↑はラチェット側の接続点です。
左の↓からスチームオイルが出てきて、
右の↓の銅パイプを通って、スチームパイプボディに接続しています。
スチームパイプボディから左右の蒸気室に蒸気と一緒に入ります。
スチームパイプボディとの接続箇所にはオイルチャックバルブ(油用の逆止弁)があり、
蒸気のルブリケーターへの進入を防止しています。オイルチャックバルブの中には給水用の逆止弁同様に
ステンレスボールが入っています。ステンレスボールが蒸気に押されて座に密着し進入を防止します。
何らかの原因で座に密着していないと蒸気が進入し、ルブリケーター内のスチームオイルが黄色っぽく変色します。
もし、ルブリケーター内のスチームオイルが黄色っぽくなっていたら、蒸気が進入しているかもしれません。 ルブリケーターの下側からのアップの写真です。 OS製クラウス 下側 中
左の↓はエキセントリックタンブラーです。
右の↓は軸動ポンプ本体(フィードポンプボディ)です。
エキセントリックタンブラーは車軸に偏芯して取り付けられていますので、車軸が回転すると
フィードポンプラムが前後動します。車軸の回転によりフィードポンプラムが引いた時、ボディ下側より水を吸い込み、押し込んだ時、
ボディ上側より水を排出し、ボイラーに送られます。
↑の銅パイプの右上から左下に水が通り、フィードポンプボディの下側に接続され、
ボディ内に吸い込まれます。銅パイプの反対側は右側のサイドタンクに接続されています。 OS製クラウス 下側 後ろ
右側のサイドタンク(↓)から、
フィードポンプボディ下側(↑)へ水が通ります。
←により左右のサイドタンクが接続されています。
パイプの径が細いので、導通には時間がかかります。フレームの内側に灰箱が見えます。 OS製クラウス 下側 後ろ右側
←は汽笛です。
↑は右側のサイドタンクのプラグです。圧力はかかりませんので、
手でねじ込んだだけです。運転終了後、プラグを外して水を排出します。 OS製クラウスは、小さくてヒョイと簡単に持ち上げられ持ち運びが容易で、 自動車での運搬も容易です。価格もライブスチームとしては手頃でしたので購入しました。 しかし、運転するとなると・・・。大変難しいです。私と同様に、 石炭焚きライブスチームとして最初に購入された方もいらっしゃるかと思います。 でも、うまく走らすことができなかったのではないでしょうか? 運転操作するレベルを初級・中級・上級とすると、クラウスは上級レベルでしょう。 はじめて石炭焚きライブスチームを扱う方にはキツい機関車です。 でも、とても可愛らしく、私の大好きな機関車です。 |