ライブスチームの運転


34. 3 1/2 inch gauge RobRoy steam locomotive(その3)  (H28.1.17掲載)

 (その2の続き)

 引き続き、3.5インチゲージ ”RobRoy”を見ていきます。

”RobRoy”のボイラー(後 運転室側)
”RobRoy”のボイラー(後 運転室側)
加減弁はここ(←)に付きます。 ブロアーバルブはここ(→)に付きます。 水面計を取り付ける下側はここ(↑)に付きます。焚口戸から煙管が見えます。


”RobRoy”のボイラー 火室の下側から煙管を見る
”RobRoy”のボイラー 火室の下側から煙管を見る
写真の左側が後で、右側が前です。火室の下から見ています。大煙管2本(外径約19.1mm 内径約17mm)、 小煙管7本(外径約9.5mm 内径約8mm)が見えます。機関車が完成したら、この角度からは見るのは難しいでしょう。


”RobRoy”のボイラー 火室側からの煙管を見る
加減弁を取り付ける穴から前方向(煙室方向)を見ると煙管が見えます。


”RobRoy” 運転室側のブロアーに蒸気を送る穴からボイラー内部(煙室方向)を見る
”RobRoy” 運転室側のブロアーに蒸気を送る穴からボイラー内部(煙室方向)を見る
 手前の左右2つの縦板が火室上部のステイです(←)。下に煙管が見えます。 向こう側の丸い穴の上側(↓)が、加減弁を開けた時、蒸気ドーム内の蒸気がここを通ります。 その左下の穴(→)がブロアバルブを開けたとき、 マニホールドから蒸気が送られ、 ここを通ってブロアーに送られます。


”RobRoy” 煙室側からボイラー内部を見る
”RobRoy” 煙室側からボイラー内部を見る
 手前の下側に煙管が見えます。向こう側に火室上部のステイ(縦板)が見え、中央の丸い穴が加減弁を取り付ける穴です。


 さて、この機関車はどうしたら上手く走らせることができるのでしょうか? いかにしたら蒸気圧とボイラー水位を維持することができるのでしょうか? そのための一つの要素として、適切な火床の厚さについて考えてみます。火床の厚さは厚くても薄くても芳しくありません。 この機関車の適切な火床の厚さを考えてみます。

”RobRoy” 最下点の煙管までの高さ
最も下の煙管の下点までの高さを測定すると78.5mmです。


”RobRoy” 焚口戸の下点までの高さ
一方、焚口戸の下点までの高さを測定すると74.5mmです。


 ということは、最も下の煙管の下点は、焚口戸の下点より4mm下ということです。更に製作本のボイラーの図面を見ると、 煙管は前方向(煙室方向)が若干高く傾斜していますので、火室側の煙管は4mmより低く、5〜6mmかもしれません。 焚口戸の下点まで厚くすると、 最も下の煙管を塞ぐことになります。たぶん、煙管を塞ぐようでは厚すぎるでしょうから、この機関車の火床の厚さの上限は、 焚口戸の下点より5〜6mm程度下だと思います。上限ですので、適切な厚さはこの高さか、 あるいはここより少し下になるのではないかと思われます。
 そして、石炭は火室面積が狭いので、高カロリーの石炭が必要と思われます。例えば、英国ウェールズ炭(OSが販売しているウェールズ炭は7700call/kg)です。 ではサイズは? OSが販売しているウェールズ炭でしたら、最も小さいグレインか、少し大きいビーンズ、あるいは両者の混炭でしょうか。 また、ブロアバルブは常に開けておく、走行中も開けておいた方が良さそうな感じです。


”RobRoy”を快走させるポイント(推定)
  ・火床の厚さ(投炭量)を焚口戸の下点より最高で5〜6mm程度下までにする。
  ・高カロリーの石炭を焚く。
  ・ブロアバルブは停車中はもとより、走行中も開けておく。


この機関車を上手に運転するには、 運転操作技術レベルを上級、中級、初級の3段階だとすると、上級レベルと思われます。 はじめて石炭焚きのライブスチームを扱う方にとってはキツい機関車だと思われます。

 購入してから三十数年経ちますが、ご覧のとおりの状態です。このボイラーにはいつ、水が入るのでしょうか? この文章を書きつつ、いつかはこの機関車を完成させなければとあらためて思った次第です。


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7 1/4 inch gauge Caledonian Tank "Rob Roy"


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