(その5の続きです) ボイラーへの給水や摺動部などへの給油が完了し、 逆転機を前進にセットしています。この機関車では、 逆転機の操作は、このタイミングでもかまわないのかもしれませんが、 3.5/5インチゲージの機関車の場合、スチームアップ時はミッドギアに入れておくのが基本です。 万一、シリンダーに蒸気が送られても、動かないようにするためです。 この機関車にはシリンダードレンコック(排水弁)はありませんが、 同じ理由で、シリンダードレンコックがある場合は、開けておいた方が良いかと思います。 この点は電動モデルでも同じだと思います。 前進または後進になっている状態で、コントローラーの電源スイッチを入れた途端に、 走りはじめてしまったら大変です。ミッドギア/中立に入れておくのが基本だと思います。 この機関車の場合、レバーを右または左に倒すことにより、前進または後進になるということは、 もしかしたら、レバーを真ん中にすると、ミッドギアになるのかもしれません。 とにかく、安全第一で、運転操作します。 煙突の上に電動ブロアーをセットします。
電源スイッチを入れて、チャンと回ることを確認しておきます。
着火後、電源スイッチを入れても回らなくて、慌てないために。
確認できましたら、電源スイッチを切っておきます。 次に着火しますが、 加減弁が閉まっていること(この機関車には、ブロアーバルブがありませんが、ある場合は、ブロアーバルブも閉まっていること)、 燃料用アルコールがバーナーから溢れ出ていないことを確認した後に、 着火します。写真ではチャッカマンで着火しています。 燃料用アルコールは無色透明で、溢れ出ていても分かりづらいです。 運転会において、溢れ出た燃料用アルコールに火が着いて、 機関車が火に包まれた光景を何度か見たことがあります。 その場合に備えて、あらかじめヤカンなどに水を入れておくとよいと思います。 着火したら、直ちに電動ブロアーの電源スイッチを入れます。 なお、後方のバーナーに着火すれば、電動ブロアーが作り出した通風により、前方のバーナーにも着火します。 3分程度経つと、安全弁から蒸気が噴き出してきます。
ブロアーバルブがある場合は、電動ブロアーを煙突から取り外し、
同時にブロアーバルブを開いて、通風を効かせます。 加減弁をゆっくり開けて、機関車を手で押し出すと、
走行開始です!!。 はじめはシリンダーが温まっていませんので、
煙突から凝結水が噴き出てきますので、注意します。
煙突に水滴受を付けるといいと思います。 ピンボケの写真ではありません。動輪が回転しているのです。
加減弁を開閉操作して、速度を調整します。 円形線路(直径2.5m?)を快走しています。
5〜6分走行すると、勢いがなくなってきます。それまで、走行を楽しみます。 暴走を防止して、安定的に走行させるため、貨車を連結するといいかもしれません。 蒸気圧が上がらなくなり、勢いがなくなったようです。 空焚き防止のため、直ちにバーナー&燃料タンクを取り外します。
革手袋で火傷しないよう、延焼に注意してバーナー&燃料タンクを置き(芝生の上は厳禁!!)、
火を吹き消します。写真は、給油タンク内のオイルを抜き取っているところです。 蒸気圧がなくなったら、砂箱/給水口と安全弁を外し、機関車を逆さまにして水を抜きます。
この時、車輪を回転させると、水が抜けやすいそうです。
完全に抜けたら、給水口と安全弁を取り付け、砂箱も取り付けます。
車体をウェスで綺麗に拭き取り、摺動部などに軽く注油して、箱や展示ケースなどに入れて保管します。 本テーマの最後に、オーナーさまから寄せていただいた自己紹介文を掲載いたします。 「鉄道趣味は、小学生の頃から50年Nゲージばかりでしたが、 いつかはライブスチームを走らせたいと思って、 故郷の京都に帰省した折は、必ず梅小路蒸気機関車館を訪れて「お勉強」。 いかんせん高額商品に新品は手が出ず、オークションで古いアスターホビーの森林鉄道機関車をゲットしました。 商品は本物の蒸気機関車の質感そのもので目を見張りました!。 操作法をネットで調べて、 おっかなびっくり5回ほど運転を試みましたが鳴かず飛ばず・・。 諦めるのはまだ早いと思っていたところに貴サイトを発見いたしました!。 質問させていただいたところ、 ご親切にも機関車の仕様やオシレーションエンジン ロスコー型オイルタンクの原理などいろいろと教えていただきました。 苦労した点は @ 蒸気が上がらない。 対策:燃料アルコールを無水エタノールから、95パーセントエチルアルコールに変更。 アマゾン https://www.amazon.co.jp/gp/product/B0059REJ38/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o00_s00?ie=UTF8&psc=1 で購入 A 不完全燃焼で目に沁みる。 対策:バーナーの芯を短くして空気が触れるようにした。 B 給水時にエアロックされて入り難い。 対策:安全弁と給水口の両方を開けて給水する。 です。 パッキンを落したり、ビスを紛失したりと、悪戦苦闘の末、とうとう快走するようになりました!。 マシン油や注水器、オイル注入用のシリンジは全て100均で調達できました。 奥の深いアナログ機械に早くものめりこんでしまいました。」 このホームページをご覧いただいた方から、時折メールをいただきます。 Fさまからのメールには、キチンとお名前やご住所などを記載された上、 入手された、森林鉄道B形タンク機関車の運転方法などを教示していただきたいとのことでした。 私はこの機関車を所有しておらず、運転説明書も持っていませんので、 私が所有している、8550やスクールズの運転経験や付随している運転説明書と、 アスターホビーさまのホームページを参照しながら、運転のお手伝いをさせていただきました。 送っていただいた写真を見て、驚きや発見がありました。 あぶり缶型(ポット型)だと思っていたボイラーが、実は湾曲煙管式だったり、 オシレーティングエンジンにおいて、逆転させる/前進も後進もするためのメカニズムなどです。 あらためて、ライブスチームの世界の広さ・深さを実感する機会を得ることができました。 Fさまは、その後、OS製クラウスを入手されました。 今後もライブスチームの世界を一緒に探求し、 楽しめればと思います。 Fさま、ありがとうございました!!!。 |