ライブスチームの運転


8.給水機能について  (H27.11.12掲載)

 蒸気機関車のボイラーへの給水方法として、実物では、”インジェクター(注水器)”と、”蒸気駆動の給水ポンプ”によっています。
一般には、
  インジェクター2基
   又は
  インジェクター1基+給水ポンプ1基

を装備し、また、ボイラーに送り込む前に給水温め器であらかじめ水を温めるようです。


 一方、ライブスチームでは、ハンドポンプ(手動ポンプ)、軸動ポンプ、ドンキーポンプ(蒸気駆動の給水ポンプ)、 インジェクターがあり、
一般には、
  ハンドポンプ1基+軸動ポンプ1基
大形機では軸動ポンプを2基装着することがあります。

OS製SUPER−6
OS製SUPER−6
軸動ポンプを2基装着しています。


 更に追加で、ドンキーポンプやインジェクターを装備することがあります。
  ・ハンドポンプ1基+軸動ポンプ1〜2基+ドンキーポンプ
  ・ハンドポンプ1基+軸動ポンプ1〜2基+インジェクター
  ・ハンドポンプ1基+軸動ポンプ1〜2基+ドンキーポンプ+インジェクター


 ハンドポンプと軸動ポンプは実物には存在しなく、ライブスチーム独自のものです。 また、ハンドポンプはエマージェンシーポンプとも言われ、緊急事態に備え必須であり、 正常に動作しない場合は、原則として、ボイラーに火を入れない方が良いです。 軸動ポンプは当該車輪が回転しないと動作しないし、ドンキーポンプとインジェクターは蒸気圧が無いと動作しません。 ハンドポンプは停車中でも蒸気が無くても、給水できることが最大の利点であり、 それゆえ、エマージェンシーポンプと呼ばれるのであろうと思われます。

 一般的に常時使用するのは軸動ポンプで、補完的にハンドポンプ、ドンキーポンプ、インジェクターを使用します。
 ハンドポンプと軸動ポンプにはステンレスボールの固着などのトラブルがつきまといます。 たとえ1週間前に正常に動作したからといって、当日も正常である保証はなく、 また、一度修理したからといっても何度も何度も再発します。

 ステンレスボールが固着した場合の対処として、
 「熱湯を入れる」(なまぬるではなく、熱湯が良いそうです)
 と良いと聞きます。

 ハンドポンプも軸動ポンプも走行による振動で固着が直ることがあり、最近、私は横着して、この方法をまず試みています。 でも、300〜400m走行したところで直ったことがある一方、午前中1.5時間+午後1時間 計2.5時間 距離にして、 4〜5Km走行してようやく直ったこともあり、まちまちです。
 また、固着したステンレスボールの下から圧力をかけて直す方法もあると聞きます。水タンク内にあるハンドポンプの場合において、 タンクの上部などの穴を塞ぎ、パイプを使ってタンクに勢いよく息を吹き込み、タンク内に圧力をかけて、 タンク内の水が下からハンドポンプの吸水口のステンレスボールを下から持ち上げるのです。
 私は、「ステンレスボールが固着すること」自体を防止する良案は見つからず、 最近は、”そうなった場合にいかに対処するか?”に重点をおくことにしています。

 ライブスチームは部品数が電動車より多いためか故障が多く、OSコッペルを約8年、走行させていますが、最も多い故障が給水機能で、 とりわけ常時使用する軸動ポンプの故障が多く、続いてハンドポンプの順です。ドンキーポンプはあまり使わないせいか一度も故障したことがありません。 インジェクターは一度も正常動作したことがなく、はじめから故障していたのか、水が温かくて動作しないのか不明です。 (インジェクターは水温が高いと正常動作しないそうですので、構造的にボイラーの近くにタンクがあるタンク機には不向きだと思います)

 正常に動作する保証が無いなか、1日順調に走行・運客でき、また、お客様の暖かい目が注がれ、 時には驚きと感動を与えることもできるライブスチームの運転は大変楽しく、 一度この運客の醍醐味を味わうと、やみつきになってしまいます!!!。

  ”なにしろ、ミニSLにご乗車したことの無いお客様が、次から次に、ご乗車になられるのですから”


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