ライブスチームの運転


902. ”オガ炭”について  (R7.5.21掲載)

 大型のライブスチーム(一般に乗用可能なミニSL)の燃料として、石炭が使われてきました。 が、昨今、”オガ炭”を焚かれる方が増えてきているように思います。 以前のような、いい石炭が入手しづらくなってきていることが、少なからず影響しているように思います。 今回は、最近、よく使われるようになってきた、”オガ炭”について、考えてみたいと思います。


 ”オガ炭”には、断面が四角いものや、いもの、六角のものがあるようです。 また、大きさにも違いがあるようです。 更に、”炭”になっていないものも、ホームセンタなどで売られているようです(例えば、”オガライト”)。 40年ぐらい前に、クラウスを持ってOS法隆寺運転会に参加させていただいたとき、 参加された方より、”オガライト”のように炭になっていないものの、使用を勧められたことがあります。 その時は、クラウスの焚口は小さく、入らなかったので、特徴は不明ですが・・・。


 
GWRの機関車に似た自由型の5インチゲージのD形タンク機関車SWINDONです。 火室内で、明るい光を発しながら、”オガ炭”が燃焼しています。


 
SWINDONの次位に連結した炭水車です。 ”オガ炭”の断面は、四角いです。 焚口が長方形で大きいので、入るのです。


こちらは、別の”オガ炭”です。 オガ炭が入っているダンボールから、1個取り出しました()。


そのままでは長いので、鉈(なた)で短くします。 大きさが分かりやすいよう、単三乾電池を中心に置いています。


断面がで、小さいです。 比較のため、500円玉と比べています。直径は、500円玉より少し大きい程度です。


画像は、OS製FORTE(フォルテ)です。 焚口は小さいのですが、このぐらいの大きさ(小丸)なら、焚口から入ります。


 こちらは、5インチゲージ ノース・イースタン・レイルウェイ クラスーT 1272です。 こちらも、小丸を焚いています。 ボイラー蒸気圧の上がり具合いは、全く問題ありません。


 石炭を焚く場合は、火床の厚さに気を使います。厚からず薄からず、 適切な厚さを維持するよう、努めます。 また、燃え尽きようとしているものの形があるので、厚いものと騙されないよう注意します。 一方、オガ炭を焚く場合は、”火床の厚さを維持する”という考えではなく、 火室内に入るだけ入れる感じで、良いと思います。

  オガ炭を焚くポイントなどを列挙してみます。
 〇焚口から入りうる大きさのオガ炭を入手する。
 〇市販のオガ炭は長いので、鉈で短くして使用する。 ノコギリで切ると時間がかかり、しかも、粉が出て、芳しくありません。 また、真ん中の穴を残すのがポイントです。穴は、燃焼に必要な空気の通り道ですので。
 〇走行中は、火室内に入るだけ入れる。焚口付近のオガ炭が邪魔で入らないのなら、 そのオガ炭を奥(前方)に手などで押し込む。 もし、それでは蒸気圧が上がりすぎるのであれば、投炭量を減らす。
 〇ボイラー蒸気圧の維持が比較的容易である。 但し、投炭量が少ないなどの原因でボイラー蒸気圧が低下した場合、オガ炭で蒸気圧を回復させるには、若干の時間を要する。 その場合、一時的に即効性のあるもの(例えば、有煙炭)を焚くと、短時間で回復させることができる。
 〇通風は弱くても、消えない。よって、昼休みなどで休憩する場合、 ブロアーバルブを全閉しても消えることはない。 よって、昼休みのボイラー蒸気圧の維持が比較的容易である。 但し、粘りがなくなっているので、午後の運転再開時の”出下がり”に注意を要する。
 〇実機のように”ショベルで投炭する”といった、投炭の醍醐味は味わいにくい。
 〇走行終了後は、火室から燃焼中のオガ炭を取り出し、水に浸けて消火した後、 乾かして、再利用(再燃焼)することが出来る。 但し、完全に乾かしてから、再利用すること。水分が残っていると、着火や燃焼がすこぶる悪い。 また、再利用する時、あらかじめ灯油などに浸けておくと、着火しやすくなる。

   
   画像は、走行終了して、火室から燃焼中のオガ炭を取り出し、 水が入っているバケツに浸けて、消火しているところです。
 〇走行終了後の灰は少ない。
   
  画像は、5インチゲージ ノース・イースタン・レイルウェイ クラスーT 1272において、 走行終了して煙室戸を開けて、煙室内を見たものです。


 これまでの石炭に代わって、今後、ますます”オガ炭”を焚かれる方が増えていくように思います。 更に”オガ炭”の焚き方を勉強していこうと思っています。


(参考)
 よさみ鉄道倶楽部で購入している、オガ炭の購入先は、次のとおりです。
  有限会社廣備(ひろびん)  URL : http://www.charcoal.co.jp
  商品名:廣小丸(10kg/箱)  


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