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トレ=ビュルガーのような人物は必要か?

 トレ=ビュルガー(本名テオフィール・トレ)も、ファン・メーヘレンと同じく、フェルメール作品を見つめていくと、必ず避けて通れなくなる人物です。これだけフェルメール作品が有名になった今は、このような人物は、もう必要ないかもしれません。しかし、フェルメール作品を再発見させた人物として、時代が呼んだ、大切な人だったと思います。


 歴史を見ていくと、時として、その時代が呼んだ人物という人が、いる気がします。武士の時代を作った源義経、戦国を終わらせた織田信長、明治維新を起こした坂本竜馬などが、そのような人物です。例えとしては、大げさですが、今「フェルメール作品」が取り上げられるなかで、ファン・メーヘレンも、トレ=ビュルガーも、私は大切な人物だと思います。そして、彼らは、歴史上の革命児と同じく、自分の思惑どうりには、進みませんでした。


 トレ=ビュルガーは、自分がフェルメールを再発見して、フェルメールのことは自分にまかせておけと、美術界に売りこみました。その合間に彼自身が、「地理学者」・「ヴァージナルの前に座る女」などを購入して、後日手放しています。投機の意味でフェルメールの作品を持っていた感があることはいなめません。


 ところが、本当に「フェルメール作品」の価格が高騰したのは、トレ=ビュルガーが亡くなって、数年経ってからでした。


 トレ=ビュルガーの功績は、何だったかというと、1番は、はっきりしないフェレメール(デルフトのヤン・ファン・デル・メールと呼んでいた、他にもユトレフトとかにも「ヤン・ファン・デル・メール」という画家は居た)の存在を明らかにした、ことでしょう。もし、このことがなかったら、異国の地の私何かは、多分一生その存在もしらないまま過ごした可能性が大です。彼は、エネルギッシュな人物で、フランス・イギリス・スイス・ベルギー・オランダを転々としています。良い意味で、鈴木○男のような人物だったのかもしれません(^-^)。


 1番の間違いは、功名心に走りすぎて、間違った作品をフェルメールの作品として、ノミネートしてしまったことでしょう。ただ、それを割り引いても、彼の偉業は評価にあたいすると思います。


 今、私が述べたことの要旨は、フェルメールの世界(失われし画家を求めて・173〜204ページ)とフェルメール論(フェルメール再発見神話とトレ=ビュルガー・23〜28ページ)に掲載されています。


 私個人的には、トレ=ビュルガーやファン・メーヘレンのような人物は嫌いではないです。こういう人たちの存在は、ややこしくさせますが、スキャンダル的で、面白くもあります。私は、トレ=ビュルガーやファン・メーヘレンも「フェルメール作品」が好きだったと信じたいです。



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