上等な
  暇つぶし
※この文章は
小樽・後志エリアタウン情報誌
 「月刊ラブおたる」に掲載されています
会計 L北村猪之助
愚説久米の仙人
 古代の中国には仙人がたくさんいたらしい。彼らは深山幽谷に居すか、絶海の孤島の岩礁の上に住まうか、いずれも人里とは隔絶した処に暮らし、偶には人前に姿を現して予言をしたり、あるいは仙薬とか不老長寿薬を作ったりしたそうだ。

 秦の始皇帝はこの仙薬を求めて、除福を幾度となく東海に派したがついぞ仙薬は手に入らなかったと言う。
 いずれにしてもこの仙人達は、俗界を超越してその姿は痩躯白髪を連想し、およそ色香に惑わされる事等は思いもよらない。

 久米の仙人の話は今昔物語に収められているが、同じ物語にかぐや姫の話がある。
かぐや姫の話は、結末があり、月より迎えの者が来て、月界に帰って行くのである。
久米の仙人は、川で洗濯物をしている若い女性の太腿を雲の上より見て、色香に目がくらみ、あえなく雲上より墜落するという、情けない体たらくで後生の笑い者になってしまった。

 処で先程のかぐや姫は結末があったが、久米の仙人、吉野の里で若い女性のそばに落ちた後、どうしたか
これはつまびらかでない。
雲を呼びこっそり帰ったか通力を失い、己が住まいに歩いて帰ったか、後の話がない。
小生考えるに、後の話が伝わってないのは、おそらく仙人の資格を失い、俗人となり果て ひょっとしたら美しい太腿をした女性の家に入り、婿になったのではないか、従ってみっともなくて世に伝える事をやめたのではないかと思うのである。

 それにしても仙人を惑わすとは、げに恐ろしきは女性の色香か。
 久米の仙人の後日談は、皆さんどのように想像します?
勝手に結末を作って楽しむのも、暇つぶしになると思います。
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