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会計 L北村猪之助

昭和16年稲穂国民小学校へ入学、最初に机を並べたのが石原裕次郎だった。
小樽運河の畔で生まれ未だこの場所で暮らしているのは、自分だけという秘かな自負である
※この文章は
小樽・後志エリアタウン情報誌
 「月刊ラブおたる」に掲載されています
「虫、飛んでいますか」
 昔の人はよく虫がついたとか、虫もつかないとか、或いは年頃の娘のいる家では隣の悪い虫に悩まされるとか、よく虫という言葉をつかった。その頃は、なんとなく聞き流していたが、この言葉ユーモアがあり、味のある言葉である。

 ところで私たち(念の為、私でなく私達である)のよく立ち寄るスナックのママ、なかなかの美人でお客さんを楽しませる人気者だがガードが固く虫がつけない。このママにどうやら虫がついたという風の噂、通っていた一同驚いたが、気にもなる。
 
 ある日私達だけになったので、誰とはなしに「世間の風評によるとママに虫がついたというが、本当か?」と問えば、吃驚した事に、このママ少し頬を染め、伏し目がちにカウンターに指で「のノ字」を書いて「本当だ」という。事のついでに「どんな虫で、又虫のついた感想は」と重ねて問えば、これ又予期に反して「不器用な虫だけれど虫も悪くない」と返してきた。
一同言うこともなく「その虫、大切に虫かごに入れておけ」というのが、精一杯の始末である。
でも、考えて見ればこのような不器用だが良い虫はたくさん飛び回れば、ママ達も又、張り切って商売が出来るのではないか。

 もうすぐ雪虫の季節。雪虫のように虫たち、夜な夜な羽音高く飛び交い、夜の街を盛り立てて欲しい。

 よい虫待望論である。
上等な
  暇つぶし