あの根の根

平成17年10月8日記す

  今回の小話は雪割草の根の話です。珍しい話でもありませんが、今年の植え替えの一場面を記録してみました。

  10月に入ってようやく鉢植えの雪割草の植え替えもメドがついてきました。この時期になると、もう白い新根が動き始めていて、植え替え時期としては少し遅いと思います。しかし、ここ数年夏になると万年寝不足による夏バテで8月中はゼンゼン動けず、9月になってようやく植え替えが始められるといった始末です。植え替えは新根が動き出す直前がベストだと思うのですが、植え替え後の水遣りのコントロールや活力剤でなんとか遅れを取り戻してくれればと思います。


動き出した新根




  雪割草を上作できるか否かは、一つには植え替えの上手下手がかかわっていると思います。いかにして根の間に満遍なく用土を入れ込めるかということでしょう。

  上の写真は、鉢を開けて雪割草を取り出しても用土が崩れません。株の勢いもあるのでしょうが、新しい根がよく伸びています。



  上の写真は悪い植え込みの結果と言えるでしょう。根が広がらないまま押しつぶされるように植え込まれたものです。



  バケツに水を張り、振るいながら根をほぐしたところです。根が多いですネ。これだけ根が多いと植え込みの際にナカナカ根の間に用土が入らず作落ちの原因になったりします。こうした株の植え込みはより慎重丁寧にやらないといけないでしょう。



  私のやっていることがどれくらい有効か怪しいところですが、根をほぐした株をひっくり返して持ちます。



  広げた根の上に用土を盛り、上からハシで突っつきます。



  根で用土を包み込むように持ちます。



  手早く鉢に入れます。このとき、ほとんど用土は鉢底に落ちてしまいますから、この方法の有効性は疑問です。しかし、「鉢に山型になるように土を盛り、その上に根を広げて植え込む。」という言い方がありますが、これは口で言うほど容易ではなくて、小さな鉢の底に山型に用土を盛ること自体がなかなか難しいものです。であれば、落ちなかった用土の少しの歩留まりを期待し、落ちた用土が鉢底で山型に近い形状となり、なおかつ根は広がった状態に近いはずですから多少は有効ではないかと思うわけです。「本当にソウなっているか?」と、植え込んだ株をモウ一度開けてみましたが、植え込んですぐの用土は落ち着いてないものですから、すぐに崩れてしまってよく分かりませんでした。来年の植え替えの際に鉢を開けてみて分かることかもしれません。



  用土を足します。実際はこの写真の前に、鉢の半分くらいまで用土を入れ、ハシを根の間に挿し込んで震わせて用土を根の間に入れ込むステップがあります。ハシで根を広げるような気持ちで念入りに用土を落ち着かせます。



  さらに用土をハシで落ち着かせます。中心部に用土を入れる気持ちで、鉢を回転させつつ中心から外に向かって順にハシを震わせながら挿し込んでいきます。

  こうして植え込んだ鉢が、来年はドウなっているでしょうか。去年そうした意識で植え込んだ鉢を開ける機会がありましたが、うまくいっているものもあれば、そうでもないものもありました。結局のところ、毎年の繰り返しのなかで身に付けていくしかない技術なんでしょうネ。