覆輪葉の雪割草



  
 斑入りとはチョット違うと思うが、葉に「糸覆輪」と呼ばれるガラを持つ雪割草の一群がある。趣味家としては「糸」でなくても、もっと深く覆輪が入ってくれればと思うのだが、なかなか思うように入ってくれないものである。結局、なるべく深い覆輪を持つものということで探し歩いてしまうのだが、これが現在の我家の棚で一番の深覆輪の株である。

 難しいことは分からないが、この葉模様ついては、細胞質遺伝といった用語が使われ、いわゆるメンデルの法則とは違った遺伝の仕方をするようである。つまり、核の染色体によるのではなく、葉緑素とかミトコンドリア、あるいは細胞質自身が情報を持っているとのこと、つまりXとYの組み合わせではないということらしい。詳しいことは専門ページに譲るとして、我家ではセルフのタネしか播いたことはないが、花との組み合わせで二芸品を作ることができるのだろうか?そう考えること自体が染色体の虜になっているということだろうか?この株は親としては面白そうなので、自分の手で確かめてみたいと思う。



@


A


B

 我家の歴代の覆輪葉の雪割草たちである。@とAは購入株でBは譲ってもらったタネからの実生株。

 Bは実生3年目の株で、2年目の葉が深い覆輪だったので期待したのだが、3年目の葉はかなり覆輪が浅くなってしまっている。このまま固定してしまうのだろう。




 画像があまり良くないが、これは糸覆輪とは似て異なるものだと思う。いわゆる「斑」の入り方の1パターンではないだろうか。覆輪の入り方が年にとって違うし、陽を多く採ると、この芸は消えてしまう。産地では「春秋」という銘があるようだが、私としては「山の端」といったイメージである。「春はあけぼのやうやうしろくなりゆくやまぎわ・・・」。日の出前、だんだんと白んできた緑濃い早朝の山際の観である。