アパッチ砦の攻防より 戸惑いの日曜日(2006、中日劇場[名古屋])
東京ヴォードヴィルショーに呼んでいただけて、光栄なことです。
言葉で笑える喜劇。喜劇といえば吉本新喜劇をよく見るが、あちらは出演する個人が持つ定型のギャグが8割、あとの2割が言葉の笑いであろうか。その2割も、うち1割が無理な(まあ、吉本ではそれが普通の)流れを持つものだろう。
一方、三谷幸喜の作になるものは、9割が言葉で笑いを取るもので、1割は動作が伴っているものか。とにかく、(演出の力もあるのだろうか)舞台という、全体を俯瞰できる位置で鑑賞することで初めて効果を発揮する笑いもあって、おお、これが舞台の喜劇というものなのかと、今になって、改めて感じ入る。主語などを省略しまくっても通じる言語(日本語特有?)の活用で、大変面白いものでした。文字だけの笑いは、それはすごいものですが、今回の再演で登場人物にビビアンが追加されていることが、全く「追加」を意識させない脚本になっているのは、これまたすごい。普通、追加されている場合、そこを取り除いても筋書きは変わらないのでは? この劇では、きっと、ビビアンを抜いたら筋も何もかもが変わってしまう。それくらい、緻密な構成であった。登場人物の描き分けも完璧で、初演時の伊東四郎が西郷輝彦に替わったのは、正解だったと思う(いや、そのように脚本が変更されていたのかもしれない)。伊東四郎では、佐藤B作に役柄が重なってしまうような感じがした。
フーミンは、ほんわかした忘れっぽい&浮気中の奥さんの役。しかも、噂通りの可愛い役。ああ、浮気してみたいなあ、などと。登場人物の描き分けは、声や姿形にまで及んでいるようで、役割に入れ替えが効かないレベルにまで昇華されているのですが、その中でフーミンはハマっていた役柄でした。
劇の内容を観ていない人に言うとするなら、昔フジテレビ系列で深夜に香取君主演で定時制高校を舞台にした一発録画(観客を入れて)のドラマがあったのですが、あれと同じノリです。脚本は三谷氏だから、同じになるのは当然でしょう。
WOWWOWで近々放映されるとのことです。
※私も三谷氏も、「どてらい男(ヤツ)」の記憶が強烈だったようで。歌手西郷輝彦ではなく俳優西郷輝彦でインプリンティングされているのです。それくらい、当時のドラマ「どてらい男(ヤツ)」は、どてらいものでした。
下の写真は、プログラム冊子より。舞台上の衣装とは異なります。

下は、ちらし画像

