| 2001年3月雑誌掲載 <婚約、結婚−私の生き方>
細川ふみえ

彼の存在は、私を素直にしてくれるし、涙が出る苦しさから開放してくれる
婚約発表(*1)をさせていただいて、今年の夏で2年になりますが、とても自然なつき合いが続いています。お互いの両親がそれに理解を示してくれ、温かく見守ってくれていることには本当に感謝しています。
彼の仕事のことは、誤解している人も多いのではないかと思っているんですが、パフォーマンスもしているけれども、広告代理店の社員で、ほかにもいくつかの仕事の顔を持っているし、私の仕事とも重なりあう部分も多いので話すことは尽きないです。
彼とは婚約しているけれども、結婚のことはあまり意識せず、じっくり関係を育んでお互いに成長し、いい仕事をしていきたい。皆さんにそれを応援してもらえるとありがたいです。
彼とおつき合いしていきたいと所属事務所(*2)の社長(*3)に聞いてもらったのは、彼と出会って数ヵ月のことです。
社長には、籍を入れるか、別れるかどちらかの選択を緊急にしてほしいと言われました。意外には思いませんでした。すっぱ抜かれてゴシップになると社長を困らせてしまうだけでなく、いろいろな人を心配させ迷惑をかけてしまう。社長がいろいろと心配して言ってくれていることはよくわかりましたが、結婚のタイミングはどうしても自分たちで決めたかった。社長は籍を入れないと世間が納得しないし、まずマスコミが納得しないと言いましたが、私は世間とマスコミにはいつも差があるんじゃないかと思っていることもあり、納得できないことを伝えました。社長は、せめてマスコミにすっぱ抜かれないために東京で会わないことを約束してほしいと彼に頼み、私達は約束を守り続けながらマスコミに納得してもらえる手段はないか……毎日のように話していました。そんなとき、婚約発表をすることになったのは、発表させていただくつい10日くらい前に社長に言われたことがきっかけでした。「マスコミに騒がれる前に、二人に結婚の意志があることをわかりやすい形で発表=婚約発表をしたらどうか、マスコミに納得してもらえないと、とんでもないことになるし、マスコミを通じて情報を得る多くの人に誤解されないためにも賢明だと思う」
私はそれを聞いて彼が賛成してくれるとしか思わなかったです。電話で話すと「もう婚約しているのとちゃうん?」と胸を詰まらせて喜んでくれているのがわかりました。ようやく自由に行動できる……二人で喜び合った婚約発表の日のことは忘れられません。
私達は、いわゆる伝統的な婚約の形はとっていませんが、二人ともそれで納得しています。
結婚に対する価値観は時代とともに変わっているんじやないか。つき合っている二人が結婚をしなくても、いい加減で曖昧な関係だと思う人はどんどん減っているんじゃないか。結婚するタイミングは二人が納得したタイミングでよいのではないか。そう思っています。
でも私の考えとは別に、マスコミの方にそのタイミングがいつなのかと聞かれるとき、同じ質問をされて答えられるカップルはどのくらいいるんだろうかと考えます。
今も一部のマスコミは、私たちの関係が上手くいっていない、と事実でないことを書きたいようなのですが、そのことも不思議に思っています。現代の人で、人の不幸は蜜の味……みたいに思う人は減っているような気がするから。でもマスコミの方も立場上、話題にしないといけないときもあるのではないかと思います。
「結婚はいつかと質問をしないといけないけれども、もう答えるのにもうんざりしているんじゃないか、返ってくる答えも解っているし……」
そんな空気が漂っていますから。
プライベートニュースは、世の中の多くの人がどうでもよいことだと思っているんじゃないかと思っているけど、プライベートなことを取りあげる番組コーナーも多いし、個人的にはプライべ−トなことをあまり話題にしたくないと思いつつも、頼まれるとそうもいかないときがある。(笑)
念願の私自身のホームページを公開できたのは99年の秋。パソコン誌の連載がきっかけで、教えてもらいながら自分で何とか作りました。(*4)
ファンの方と気軽なコミュニケーションを取れることはデビュー以来の夢でしたし、「細川ふみえ記念館」という思い人れ溢れるホームページを偶然知ったことで、自分でもページを持ちたいと思うようになりました。
でも、自分の言葉で事実を伝えられる手段にもなり、そのことで意見もストレートに言ってもらえるので大きな喜びになっています。
彼には自分が無意識に封じ込めている自分に気づかせてもらうことが多くあります。
ある日、意識していたわけではなかったのに「今、君の側にいてあげられなくてごめんな」と言われたときにも、嬉しい発見をしました。ズバリ言い当てられたと思いました。弱さを感じることを惨めに思わなくてもいいと肯定できた気がしました。
嬉しい発見をもっともっとしていくことは人間として、女として、女優として生きていく上で必要なことだと実感できるようになった気もしています。今はそんな気持ちが増えていく期待でとてもわくわくしています。
注:
*1 現在、婚約は解消となっている。
*2 当時の「イエローキャブ」
*3 当時の「イエローキャブ」社長、野田義治氏。
*4 現在は閉鎖中。
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